2015年

7月

07日

利上げが来る!:実は弱い米国経済 若者の生活苦 2015年7月7日号

 ◇経済的に自立できない 若者の3分の1が親と同居


肥田美佐子

(ニューヨーク在住ジャーナリスト)


 米国の若者は独立心に富み、親も自立を促す──。そんなイメージが変容し始めている。親と同居する若者が増えているのだ。彼らの多くは、1980年代から90年代後半生まれの「ミレニアル世代」と呼ばれる世代だ。

 昨年12月に発表された米国勢調査局の調査によると、親元で暮らす18~34歳の若者は80年は23%だったが、2013年には30%に上昇。今や約3人に1人が親と同居する「パラサイト・シングル」だ。背景には晩婚化もある。

「自立しなければというプレッシャーを感じつつも、生活は快適だ」

 ニューヨーク・ブルックリンのビデオ編集者、マシュー・ブラックさん(25)は言う。実家を離れたことがないため、「恥ずかしい」気もするが、友達の多くも実家暮らしだ。「昔は独立することが名誉だと考えられていたのかな」と、ブラックさんは話す。

 彼は2年前に地元の大学を卒業したが、正社員の仕事が見つからない。フリーの仕事は薄給か無給のみ。学費ローンはないが、自立できるだけの資金はない。「両親は大学進学でお金を使ったから、自立の援助は難しい」(ブラックさん)。米国勢調査局によれば、09~13年のミレニアル世代の年収中央値は、約3万6000ドル(約440万円)。80年当時より2000ドル(約25万円)少ない。

 金融緩和による不動産の高騰も逆風だ。ブルームバーグ(6月8日付)によると、若者の稼ぎが不動産価格に追いつかない都市・地域は全米13カ所。トップのサンノゼなど、1~5位をカリフォルニア州が占め、ニューヨーク市が後に続く。ニューヨークの不動産最大手ダグラス・エリマンによれば、今年5月のマンハッタンの住宅の平均賃料は4081ドル(約50万円)、マンハッタン南東の開発が進むブルックリン区は3252ドル(約40万円)だ。………