2015年

7月

07日

特集:利上げが来る! 2015年7月7日号

◇米国9月開始を織り込む

◇「想定外」なら市場は混乱


 米国がいよいよ利上げに踏み出す。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は6月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、「ほとんどのFOMC委員が年内の利上げが適切と考えている」と発言。2008年から続くゼロ金利政策に終止符を打ち、15年後半に政策金利であるフェデラルファンド・レート(FF金利)の引き上げを始める意向を示した。開始時期については言及を避けたが、早ければ9月、遅くとも12月という見方が市場の大勢だ。

 市場は米国の利上げに神経質になっている。FOMC終了直後には為替市場が乱高下し、一時、1㌦=124円49銭までドル高・円安が進んだと思えば、1時間半後には123円21銭と1円以上の値動きを見せた。

  米国が利上げすれば、高い金利を求めてドル買いが進む。一方、金融緩和であふれ出た投資マネーは縮小する。市場参加者はそうした予測を織り込みながら為替や株を売買している。翌18日のニューヨーク・ダウ平均株価は前日比180㌦高の1万8115㌦に上昇したが、24日には1万7966㌦へ下落し、不安定な相場展開が続いている。

 米国が利上げに前向きなのは、寒波と港湾ストライキに見舞われた1〜3月期のマイナス成長から脱し、景気が回復基調に乗ったと見ているからだ。6月5日発表の5月の雇用統計は非農業部門の就業者数が前月比28万人増、失業率は5・5%といずれも市場予想を大きく上回った。

 FRBは、景気回復の足取りを確認しながら、上げ幅0・25%ずつのゆっくりとしたペースで政策金利を引き上げていくと予想されている。緩やかな経済成長のもとの緩やかな利上げであれば、金融市場が混乱する可能性は低い。

 だが、景気回復が想定よりも弱ければ引き上げのペースは遅くなり、金利上昇を織り込んでいる市場は動揺する。逆に景気回復やインフレが加速する場合も、「緩和マネー縮小への警戒感が強まり、市場が混乱する」(明治安田生命の小玉祐一チーフエコノミスト)。今後は米国の景気と金融政策の小さな読み違いが世界経済をかく乱する要因になる。 (編集部)