2015年

7月

07日

WORLD・WATCH:カリフォルニア 2015年7月7日号

 ◇深刻な原油流出事故 被害総額は2億ドルか


土方 細秩子

(ロサンゼルス在住ジャーナリスト)


 カリフォルニア州南部沿岸で5月に起きた原油流出事故の損害が深刻な状況だ。原油を輸送する海底のパイプラインの破損により、10万ガロン(約38万リットル)以上の原油が流れ、うち7割以上が海を汚染した。海洋の原油流出事故では全米でワースト3に入る規模とみられており、カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は緊急事態宣言を発令した。

 事故を起こしたプレインズ・オール・アメリカン・パイプライン社は、破損したパイプが事故当時も輸送能力の範囲内で稼働しており、「事故の原因は不明」と弁明。しかし同社は、事故後の対応の遅れが指摘されており、2010年にもテキサス州で原油流出事故を起こした「前科」がある。
 事故から1カ月近くたった6月14日現在、海岸における原油の流出幅は160キロメートルにもわたり、回収コストは6000万ドル(約74億円)を超えた。この金額は、原油回収と清掃作業に限った数字で、漁師への補償や、海岸観光産業への損害は含まない。将来的に、被害総額は2億ドル(約247億円)近くになるとの試算もある。
 環境への影響も深刻で、少なくとも数年は海洋環境への影響が残ると指摘されている。カリフォルニア州には数多くの海底油田があり、これらに使用されているパイプラインの安全性を問う議論が活発になっている。