2015年

7月

21日

増益優良企業で低下するROE 2015年7月21日号

増益優良企業で低下するROE 2015年7月21日号


 ◇経営や投資指標としては不適切


藤田 勉

(シティグループ証券副会長)


 安倍政権の成長戦略の一つは、投資家を通じてガバナンス改革の圧力を強めることだ。政府は、「コーポレートガバナンス・コード(企業統治方針)」と「日本版スチュワードシップ・コード」を導入した。これらは、企業と投資家との対話を促すものだ。

 その結果、機関投資家が積極的に企業に対してものを言うようになっている。投資家が特に注目するのが、株主資本利益率(ROE)だ。ROEががぜん注目されるようになった背景には、以下がある。

 ①経済産業省「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト(座長:伊藤邦雄一橋大学教授)は、最低限8%を上回るROEを達成すべきと提言した。

 ②米国議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)がROE基準を設けた。これは、過去5年間の年平均ROEが5%を下回り、改善傾向(直近5%以上)のない会社のトップの選任に反対を推奨するものだ。

 ③年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀が、日本株を大量に買っている。両者が採用した新株価指数「JPX日経インデックス400」の銘柄選択基準の一つにROEが含まれている。