2015年

7月

21日

WORLD・WATCH:N.Y. 就任1年半の市長 富裕層に歩み寄り?

ニューヨークのデブラシオ市長(Bloomberg)
ニューヨークのデブラシオ市長(Bloomberg)

齋藤康弘(米国訴訟弁護士)


 民主党のビル・デブラシオ氏がニューヨーク市長に就任して1年半がたった。格差是正を訴えて当選したデブラシオ市長は、公約で高所得者層の増税を掲げていたこともあり、ニューヨークの富裕層の評判は良くはない政治家だ。ところがこのところ、ニューヨークの高所得のビジネス・エリートと市長との間での歩み寄りが起きている。彼らが州の政治家に対し、市長の政策を応援するような電話をすることまであるという。 


 この背景には、デブラシオ市長の施策が、就任前に懸念されたほど極端な圧力を富裕層にかけるものではないという世論の認識がある。世界第2位の小売りチェーンであるホーム・デポの創業者のケン・ランゴーン氏は「市長は選挙活動では極左だったが、今は中道に近づいているようだ」と語る。また、市長への献金が多い不動産デベロッパーの場合、業界の税制優遇策を批判されていることも背景のようだ。一部の関連企業は制度廃止を恐れ、別の政策で市長に譲歩しているという。 


 デブラシオ市長は「この同盟は意外であるからこそ特にパワフルである」と語るが、2017年の選挙で再選が既にささやかれているため、市長に取り入ろうという思惑も影響しているようだ。不自然な関係が長期的なものとなるか短命に終わるかは、これからの彼の手腕にかかっている。