2015年

8月

11日

戦後70年:時代で評価が変わった日本的経営 2015年8月11・18日合併号

 ◇終身雇用守る成果主義に変化


手塚貞治(日本総合研究所プリンシパル)


バブル経済崩壊以降、「失われた20年」を経て、日本の経営環境が大きく変化し、いわゆる「日本的経営」も大きく変質を遂げてきた。

 非正規雇用者数を見ると、バブル全盛期の1989年には817万人だったが、2014年には1962万人にまで増加している(図1)。米タワーズワトソンの調査によれば、日本人社員の組織への貢献意欲は、先進国8カ国中最下位だという。さらに、品質低下や事故増加など、現場力の低下を指摘する声も大きい。これらをもって、「日本的経営の崩壊」と見る向きも少なくない。

 では、日本的経営はどこへ向かうのだろうか。戦後70年という節目の年に、改めて考えてみたい。「日本的経営」という言葉からすぐに思い浮かぶのは、終身雇用・年功序列・企業別組合の「三種の神器」である。これは米国の社会学者、経営学者のJ・C・アベグレンが提唱したことから定着した。

 多くの論者の見解をもとに大別すると、①雇用慣行(終身雇用・年功序列・企業別組合)、②現場主義(小集団活動、カンバン方式など)、③意思決定システム(経営陣の内部昇進、稟議等ボトムアップ型意思決定)、④企業間関係(長期継続的な取引制度)が、日本的経営の構成要素といえよ

う。