2015年

8月

25日

大学と就活:息子・娘をブラック企業に入れないために 2015年8月25日特大号

 ◇「オワハラ」は企業体質を反映する


横山 渉

(ジャーナリスト)


 東京の私大3年の三宅隆さん(仮名)は5月に大手情報通信会社から内々定を得た。そのとき、採用担当者から書類を手渡され、こう言われたという。

「三宅さんご自身と保護者、そして大学からも捺印してもらい、1週間以内に提出をお願いします。そうすれば正式に内定を出します」

 書類には「今後は就職活動を継続しないと誓います」との一文が添えられていた。担当者からは「他社の説明会の予定があれば、キャンセルするように」と念を押された。

 三宅さんにとって、その会社は第二志望の数社の一つ。決して入社するのが嫌なわけではない。それどころか、早々に内々定をもらって安心したという。

 しかし、親はこの会社のそういう卑怯なやり方に怒っていたと話す。

「両親に反対され、悩みました。第一志望の会社説明会には参加する予定でしたし、他の業界の話ももっと聞きたかったですから。大学の就職担当者に相談すると、『入社するつもりなら捺印する』と言われ、さらに迷いました」(三宅さん)。

 三宅さんは大学の就職担当者のこの言い方から、言外に「就活を続けたいのだったら捺印しない」と感じたそうだ。結局、三宅さんは悩んだ末に、親の了解を得て、大学からも捺印をもらって、その会社に書類を提出した。

 三宅さんのケースのように就活中の学生に対し、企業が内定を出す条件として他社の就活を終わらすよう圧力をかける「オワハラ」が、クローズアップされている。企業による「就活終われハラスメント(嫌がらせ)」という意味だ。………