2015年

9月

08日

週刊エコノミスト 2015年9月8日号

定価:620円

発売日:2015年8月31日

◇特集:日米中の株安連鎖

◇緩和も財政も限界

 

谷口 健(編集部)

 

「この株価急落は、さすがに想定外。日経平均株価の下値予想を毎日下方修正せざるを得なかった。激しく乱高下する値動きに、思わずめまいがした」──。国内運用機関のベテランファンドマネジャーをしても、8月18日から25日まで6営業日続いた日経平均の暴落は身にこたえたという。

 8月18日に始まった世界的な同時株安は、8月21日にニューヨークダウが2日連続大幅続落したことで歯止めが利かなくなった。週を開けた8月24日に、日本→中国→欧州→米国と株安が連鎖し、8月26日まで株安連鎖が地球を何周も駆け巡った。

 

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特集

◇原油30 ドル時代の幕開け

◇世界中でマネー逆流


中川 美帆(編集部)


 8月21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、代表的指標の米国産標準油種(WTI)の価格が1バレル=39・86ドルまで下がり、リーマン・ショック後の2009年3月上旬以来、初めて40ドルを割った(図2)。週が明けた24日は一時37ドル台とさらに下落。昨年7月末には100ドル台で推移していたので、約1年で半値以下に落ち込んだことになる。

 株式市場では、原油安で収益悪化が懸念される石油関連銘柄を中心に、売りが集中。8月21 日のダウ工業株30種平均は、約10カ月ぶりの安値となる1万6459ドル75セントで取引を終えた。


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ピックアップ

経営者:編集長インタビュー

◇佐藤秀哉 テラスカイ社長

◇経験豊富な技術陣強みにクラウド市場制す

 

 テラスカイは、サーバーやソフトをネットを通じて利用できるクラウドコンピューティングの分野で、システム導入支援や関連製品の開発・販売などを手掛けている。2016年2月期の業績見通しは、売上高が前期比40・5%増の23億400万円、最終利益は同29・4%増の9300万円。4月30日にマザーズに上場した。

── 市場の動向は。

佐藤 IT業界は今、15~20年に1度のパラダイムシフトとも言える変化の真っただ中にあります。90年代後半に、事務処理用の「オフコン」(オフィスコンピューター)や「ミニコン」などパソコン上ですべて業務処理する形態から、企業が保有する大型のコンピューターと手元のパソコンをつないで業務処理を行う「クライアント/サーバー型」と呼ばれる形態に変化し、現在はさらに、クラウドコンピューティングに移行しています。

 

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ワシントンDC

◇イラン核合意に民主党議員も反発◇オバマ大統領がやきもき


堂ノ脇 伸

(米州住友商事会社ワシントン事務所長)


 9月以降の米国は、さまざまな政治日程が目白押しだ。中国の習近平国家主席とローマ法王の訪米が9月に予定されているほか、9月末からの国連総会に各国首脳が集う。10月には、韓国の朴槿恵大統領を迎え、延期されていた米韓首脳会談を開催する。なかでも注目されるのが、イラン核合意への対応だ。合意の承認を巡る決議の期限は、9月17日に到来する。

 

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福島後の未来をつくる

◇最新鋭の原子炉導入と 再エネ比率30%への拡大を


橘川武郎(東京理科大学大学院教授)


 東京電力福島第1原子力発電所事故を機に浮かび上がった日本のエネルギー問題を解決するためには、「S+3E」を進めて乗り切るしかない。政府は2014年4月、「Safety」(安全性)、「Economic Efficiency」(経済効率性)、「Environment」(環境適合性)、「Energy Security」(安定供給)をバランスよく実現するとした「エネルギー基本計画」を閣議決定しているが、その政策をさらに進化させるべきである。




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