2015年

9月

29日

歴史に学ぶ通貨と為替:ドル高は終わったの? 2015年9月29日号

 ◇17年前後まで長期ドル高トレンド続く


高島修

(シティグループ証券チーフFXストラテジスト)


 6月に125円台の高値をつけたドル・円は、足元では120円以下での取引が増えてきている。実は米ドル指数(主要6通貨に対する総合的なドルの価値)も、今年3月の高値をピークに調整局面入りしている。

 こうした米ドルの調整局面は、場合によっては更に半年以上続く可能性がある。その間、ドル・円は115円を割り込んで値崩れする場面もあるかもしれない。だが、米ドルは来年半ば以降は改めて長期上昇トレンドに復帰し、今回の高値を超えて上昇する可能性が高い。筆者はこの長期ドル高トレンドは2017年前後まで続くとにらんでいる。



 ◇追加緩和で135円も


 図は、金ドル交換停止(ニクソン・ショック)が発表された1971年以降の米ドル指数の推移を示す。過去、米ドル指数は7?8年下落、2?3年底ばい、5?6年上昇というサイクルを繰り返してきた。

 今回はITバブル崩壊を受けて2001年から長期下落基調をたどったが、08年のリーマン・ショック発生で下げ止まり、11年に欧州ソブリン危機が深刻化する中で大底を確認する動きが見られた。その後も、昨年半ばまでは米ドルは安値圏で底ばっていたが、過去1年、原油安に伴って進んだドル高によって長期上昇トレンド入りしていたことが明確になった。

 このことは、今回の長期ドル高の背景に米国でのエネルギー革命があることをうかがわせる。経常赤字、財政赤字の双子の赤字が米ドルの弱点だが、エネルギー革命はその双子の赤字を縮小、解消させる効果を持つ。米国でエネルギー生産が増え、原油輸入が減り、一方で原油安によって家計の実質所得や企業収益が押し上げられ、税収が増えるからだ。………