2015年

10月

13日

フォルクスワーゲン排ガス規制逃れ問題の流れ 2015年10月13日号

◇2005年から不正ソフト搭載 

◇販売減と賠償が経営の重しに

 

河村靖史

(ジャーナリスト)

 

 一連のフォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題の始まりは、米環境保護局(EPA)が9月18日、VWと傘下のアウディの一部のディーゼルエンジン車が、排ガス規制を逃れるために違法ソフトウエアを使用していたと発表したことだった。米国で販売した2009~15年型の約48万台が対象だったものの、VWは22日、違法ソフトウエア搭載車は全世界で約1100万台にのぼることを認めた。グループ企業のアウディが210万台、シュコダ(チェコ)が120万台、セアト(スペイン)が70万台も違法ソフトを搭載していたことが明らかになる。

 VW株は9月末時点で前月末のほぼ半値近くまで急落した。不正を認めたウィンターコルン会長兼最高経営責任者(CEO)は辞任に追い込まれた。ドイツ検察当局は、ウィンターコルン前CEOに対し詐欺容疑で捜査を始めるなど、ミュラー新CEOが「会社はこれまでにない試練の時を迎えている」と述べるように、VWの信頼とブランドは地に落ちた。

 問題発覚のきっかけは、米ウエストバージニア大が昨年5月、米民間非営利団体(NPO)の依頼でVWの「パサート」などの排ガス量を路上で測定したことだった。基準値の最大40倍の窒素酸化物(NOx)排出量が検出されたとの報告を受けたEPAはVW車に対する調査を行い、約1年間のせめぎ合いを経て、最終的にVWは不正を認めた。

 不正の仕組みは、ハンドルが固定されていることや一定の速度で走行するなど、排ガス試験であることを自動で検知すると、排ガス後処理装置がフル稼働して、有害物質の排出量を大幅に低減するソフトウエアを搭載する悪質なものだった。不正ソフトは、2005、06年ごろからエンジンに搭載されていたと見られる。………