2015年

11月

17日

WORLD WATCH:タンザニア “象牙の女王”を逮捕 中国関係史の汚点

 ◇2015年11月17日号


 服部 正法(毎日新聞ヨハネスブルク支局)


 7月21日号の本欄で、象牙採集を目的とする密猟横行によりタンザニアでゾウが激減していることを報告した。その後、10月初旬になって、タンザニア当局はタンザニアに長年居住してきた中国人の女(66)を、象牙706本(約3億円相当)を密輸した疑いで逮捕、起訴。欧米メディアはこの女を「『象牙の女王』の異名を持つ」と報じた。

 タンザニア政府は今年6月、2009年から14年の5年間で約10万9000頭だったゾウの生息数が、密猟被害などで約4万3000頭にまで落ち込んだと発表。米紙『ワシントン・ポスト』は、この女を「(ゾウ)殺害の中心人物」と名指しする米国の密猟監視団体代表の指摘を伝えている。一方、ロイター通信によると、女は無実を訴え、法廷で争う姿勢らしい。

 報道を総合すると、女は1970年代ごろにタンザニアに渡った。現地の公用語スワヒリ語を流(りゅう)暢(ちょう)に操り、商都ダルエスサラームでも有名な中華料理店を営んでいた。

 近年注目されるアフリカと中国の強い経済的結びつきには長い歴史がある。中国が70年代に全面的に援助したタンザニア─ザンビア間鉄道はその象徴だ。

 当時をも知り、在留中国人社会でも有力人物だったとみられるこの女が、事実「象牙の女王」だったとすれば、中国とアフリカの交流史の大きな汚点となるだろう。(了)

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2015年11月17日号

 

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