2015年

11月

17日

WORLD WATCH:英国 地下鉄の週末終夜運転 労使交渉決裂で断念

地下鉄の運行で労使交渉がまとまらない(Bloomberg)
地下鉄の運行で労使交渉がまとまらない(Bloomberg)

 酒井 元実

 (在英ジャーナリスト)


 今秋の開始が予定されていたロンドン地下鉄の週末終夜運転が、労使間の交渉がまとまらず、見送りとなった。

 ロンドン交通局は、同市の地下鉄11路線のうち5路線で、9月中旬から、金曜日と土曜日の深夜から明け方の時間帯も運行し続け、週末3日間に連続運行するプランを打ち出していた。しかし労働組合は、終夜運転開始後も従業員全員の総勤務時間を現状維持とすることや、今年中の賃上げ確約を要求するなど激しく抵抗。最終的に「すべての運転手に週4日勤務を認めたら深夜の業務に就く」とした“妥協案”を提示したが、経営側がこれを拒否し、最終的に10月中旬、交渉は決裂に終わった。

 労組の組合員たちは、この夏に48時間ストを2度実施した。多くの市民が「終夜運転が実現するなら」とストに理解を示していたが、その我慢も無駄になった。

 週末の終夜運転は、9月中旬から10月末まで開かれたラグビーワールドカップの観客送迎に貢献すると期待されていた。しかし実現しなかったため、夜の試合を見終えた観戦客が、地下鉄の終電に間に合わないケースが続出した。

 ロンドン市長らの肝いりで進められた週末終夜運転のプランだが、その後、労使交渉の見通しは立っていない。高い経済効果を見込める本計画の一日も早い実施を心待ちにしたい。(了)

関連記事

この記事の掲載号

2015年11月17日号

 

【特集】景気回復のウソ

 投資も消費も伸びず

 迫る2四半期 マイナス成長

 徹底分析 中国減速のダメージ

 インタビュー 甘利明経済再生相


発売日:2015年11月9日 定価:620円

 

目次を見る

ネット書店で雑誌を購入する

電子書籍版を購入する 

定期購読を申し込む