2015年

11月

17日

WORLD WATCH:カリフォルニア 消費者無視の水道局 節水の結果が値上げに

 土方 細秩子(ロサンゼルス在住ジャーナリスト)


 干ばつで水不足に悩むカリフォルニア州で、節水の結果、水道料金が値上がりする矛盾が生じている。節水の効果が水道局の想定を上回り、歳入が減ったためだ。

 貯水池の水位が3割を切るなど水不足は深刻で、州の各自治体水道局は、利用者に庭への水まき制限、一定以上の水道使用に対する罰金を設けるなど、節水を呼びかけてきた。その結果、たとえばロサンゼルス市では、水道電気局の今年度の歳入は予定よりも1億1100万ドル(約134億円)不足となった。利用者が想定より1割以上の節水を行ったため、施設内には180億ガロン(約700億リットル)の余剰水が残り、これが最大の歳入減少の原因だという。

 水道料金は来年の1月から値上がりし、ロサンゼルス市では1家庭当たり平均で月に1ドル80セント(約217円)が上乗せになる。当局は、値上げ理由を「パイプの修理、施設のメンテナンスなどの固定費の穴埋め」のためと説明している。

 消費者にとっては、水道を多く使えば罰金対象、少なく使っても値上げ、といずれせよ負担が大きい。水道電気局は、値上げをしなければパイプ保全などのインフラ整備が遅れ、最悪断水などの恐れがあるとして、「断水のリスクから自分たちを守るためにも値上げへの理解を」と呼びかけている。しかし、消費者の反発は高まる一方だ。(了)

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2015年11月17日号

 

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