2015年

11月

24日

〔エコノミストリポート〕混迷深めるカタルーニャ独立機運

カタルーニャは独立するのか(Bloomberg)
カタルーニャは独立するのか(Bloomberg)

 

 ◇スペイン分裂はあるか?

 ◇12月20日総選挙が今後を左右する


 加藤 伸吾

 (慶応義塾大学専任講師)


 16世紀には「日の没する事なき大帝国」であったスペイン王国。現在、バルセロナを中心として大きな自治権限と経済力を持つカタルーニャ自治州の情勢が、混迷の度を深めている。

 今年9月27日には、カタルーニャ自治州議会選挙が行われ、スペインからのカタルーニャ独立を訴える諸派の議席合計が議会過半数を制した。選挙後、州議員の互選で選ばれたフルカデイ州議会議長は、10月26日の就任演説をこう締めくくった──「カタルーニャ共和国万歳!」。長い拍手の後には、17世紀、カタルーニャの農民たちが、抑圧するスペイン人相手に鎌一つで立ち上がる様をたたえたカタルーニャの民族歌「アルス・サガドールス」が続く。

 そもそも、カタルーニャ独立への動きがここまで大きくなった一つの理由は、自治州間での大きな財政不均衡である。カタルーニャはスペインのGDPの約20%を占め税制面などでの貢献が大きい一方、交付金など中央政府からの「リターン」はそれを下回る「出超」が続く。

 カタルーニャは今後、本当にスペインから独立してしまうのだろうか。結論を先取れば、短期的にはかなり不透明で、「独立する」とも「独立せず事態収拾」とも言えない長期化の可能性が高いと言える。

 

 ◇独立派同士で敵対





 9月のカタルーニャ自治州議会選挙(定数135)では、独立派連合「ジュンツ・パル・シィ(JxSi、『共にイエス』)」が単純多数の62議席を獲得した。カタルーニャ語で「皆で(独立に)イエスを」を意味するこの政党連合は、カタルーニャで長きにわたり与党の地位にあった右派系の「カタルーニャ集中連合(CiU(シィウ))」の後継政党である「カタルーニャ民主集中(CDC)」、及び左派系の「カタルーニャ共和左派(ERC)」が、今回の自治州選挙を機に、他の小政党を抱き込んで独立を旗印にまとまった選挙連合である。また、もう一つの独立派政党で左派の「人民統一候補党(CUP)」が、10議席を獲得した。このJxSiとCUPを合わせれば72議席となり、絶対過半数を上回る(図1)。

 しかし、独立に明確に反対の立場を示す全国各紙は、...


(2015年11月24日号・82~84㌻)

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