2015年

11月

24日

【世界を飛べ MRJ】徹底解剖:MRJを支える日本と世界の企業群

国内で広がる部品と加工網(三菱航空機提供)MRJ
国内で広がる部品と加工網(三菱航空機提供)

 ◇2015年11月24日特大号

 ◇100万点のバリューチェーン


MRJは100万点の部品からできている。各システム・部品には世界的な有名メーカーが名を連ねる一方、国内での生産は大きく拡大する。


 杉山 勝彦

 (武蔵情報開発代表取締役)


 MRJの開発には多くの海外メーカーが参加しており、「国産機と言えないのでは」との声も聞かれる。確かに、100万点の部品が必要なMRJには、主に搭載電子機器の分野で、米ロックウェル・コリンズ(操縦システムなど)、米パーカー・エアロスペース(動翼制御用油圧システム)、米UTCエアロスペース・システムズ(電装品や空調など)などの有力メーカーがパートナーとして名前を連ねる。また、航法装置を担当する米ハネウェルや、コックピット・パネルを供給する米コリー(米エスターライン傘下)など、部品やサブシステム(機能単位に分割されたシステム)のサプライヤーにも海外勢が多い。しかし、さまざまな機体部品を供給する協力工場までさかのぼると日本の参加メーカーも多く、波及効果は決して小さくない。

MRJ 部品

 MRJのシステムや部品に海外メーカー製が多い理由はいくつかある。まず、民間機製造の実績のない三菱航空機にとって、世界的に名の知られたシステムメーカーの装備品の採用は信頼度の確保に欠かせないこと。また、グローバルな市場で勝負する以上、部材の調達価格もグローバル水準になるのは当然だが、防衛省機のライセンス生産で育った日本メーカーにとっては大きなハードルになること。何よりも日本メーカーは個々の機器の技術水準は高いが、それらをまとめてシステム化する技術については能力、経験とも大きく後れを取っている。


 ◇日本企業の顔ぶれ


 民間機の世界ではかつて、ボーイングやエアバスなどの機体メーカーがボルト1本まで管理していた。しかし、国際共同開発が進んだ今、基幹システムを担当するシステムメーカーが技術面でも資金面でも力をつけている。それぞれの分野で開発パートナーとして機体メーカーに伍(ご)した役割を果たすようになっている。

 しかし、こうした世界的なスター企業と並び、MRJのシステムパートナーとして参加しているのがナブテスコと住友精密工業の2社だ。

 ナブテスコは、...

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この記事の掲載号

2015年11月24日特大号

 

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 MRJ徹底解剖

 MRJはどこを飛ぶ? 徹底シミュレーション!!

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 第2部 日本の空が変わる 

 日本の空港改革 / 空港設備銘柄

定価:670円 発売日:2015年11月16日