2015年

11月

24日

WORLD WATCH: マレーシア 最低賃金引き上げ 反応分かれる産業界

 ◇2015年11月24日特大号


斎藤眞美(NNAマレーシア版編集長)


 マレーシア政府が民間企業の最低賃金を引き上げる方針を明らかにしたことに対し、産業界の間で評価が分かれている。 

 政府は2016年7月からマレー半島部で現行の月900リンギット(約2万5600円)を1000リンギットに、東マレーシア(ボルネオ島)では800リンギットを920リンギットにすると決定した。

 最低賃金制度は、所得が低い層の給与水準を底上げし、産業構造を労働集約型から知識集約型に移行していく目的で14年に導入された。政府は先進国入りの目標とする20年までに最低賃金を1500リンギットまで引き上げたい考え。 

 ただ、マレーシアの経営環境は良いとはいえない状況だ。とりわけ内需はGST(消費税)導入による市場の落ち込みや、通貨安による輸入原材料や部品価格の高騰など苦境に立たされている。 

 マレーシア製造業連盟は「導入は景気が回復するまで延期されるべき」と反発。マレーシア経営者連盟も「雇用主にとって一層、厳しさを増すものになる」とコメントし、「恩恵を受けるのは220万人いる外国人労働者」と主張している。 

 一方、日系大手企業では既に最低賃金以上の給与を払っているケースもあり、化学メーカー担当者は「毎年引き上げられる方がむしろ自然」と指摘。最低賃金支給の対象となる3K(きつい、汚い、危険)労働者の確保は年々難しくなっており、最低賃金を上回る水準でなければ確保できないとの見方もある。(了)

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2015年11月24日特大号

 

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