2015年

11月

24日

【WORLD WATCH】英国 貸金庫で財産紛失 負担重くサービス縮小

 ◇2015年11月24日特大号


小西丹(エイジェム・キャピタル・マネージメント・ダイレクター)


 英ロイズ銀行が、教会から預かっていた銀製の杯、皿などを紛失し、物議を醸している。英南西部コーンウォール地方のセント・ビープ教区教会が、銀行に引き出しを要請したが、明確な返答がないまま9カ月が経過、今年9月に英メディアによって明らかになった。同行は、貸金庫管理の一部を外部の業者に任せていたため、責任の所在があいまいになったとみられ、「納得のいく回答がない」と教会から非難された。 

 同行は2012年から貸金庫の新規利用を断り、他の大手行も急速にサービスを縮小している。 

 大手行は、預金者への付帯サービスに過ぎない貸金庫管理が「複雑でコストがかかる」とサービス縮小の理由を説明している。銀行の法令順守コストが増す一方というのも事実。特に10年3月からは、米国のFATCA(外国口座税務コンプライアンス法)により、英国に多い米国籍の利用者情報を管理し、米当局に報告する事務負担を抱える。12年の欧州銀行連盟の推定によれば、同法を順守するためのコストは欧州の銀行業界全体で少なくとも数十億ドルにのぼる。 

 しかし、貴重品を安全なところに預ける需要は必ずある。銀行以外の貸金庫専門業者も徐々に増えている。今年のギリシャ債務危機での資本規制で、引き出した現金を入れた貸金庫の利用まで制限されたこともあり、財産管理の銀行離れが進みそうだ。(了) 

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2015年11月24日特大号

 

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