2015年

12月

01日

WORLD WATCH:インド 発展遅れる食品加工 政府が補助金で振興

米袋を運ぶ業者(アーンドラ・プラデーシュ州)Bloomberg
米袋を運ぶ業者(アーンドラ・プラデーシュ州)Bloomberg

 ◇2015年12月1日号


木村明広(JICAインド事務所)


 都市化や中間層の増大に伴い、インドの食品加工業は年10%以上のペースで成長している。原料となる野菜や果物の生産量も急増し、2012年度はそれぞれ年間1億6200万トン、同8100万トンで、世界2位の規模だ。だが一方で、野菜や果物など園芸作物は収穫後に18%が廃棄されているとして問題になっている。園芸作物の加工率は2・2%にとどまっていることから、食品加工産業の育成が必要だと指摘されてきた。

 インド政府は15年までに生鮮品の加工率を20%に、付加価値を35%に引き上げることを目標に食品加工産業の振興策を打ち出している。食品加工にまつわる工場建設や機械設備導入費用の25~33%、加工センター建設にかかる費用の50~75%を補助金として拠出することなどを定めている。

 食品加工率が低い背景には、農家と加工業者の相互不信がある。農家は悪徳業者に搾取された苦い経験から、加工業者に強い不信感を抱いている。一方、加工業者が契約栽培を行おうとしても、天候不順などによって市場価格が契約価格を上回ると、農家が契約をほごにして市場で販売してしまう事例が多く、加工業者も農民を信頼できない。

 こうした中、食品冷凍などで高い技術を持つ日本の協力が期待されている。日本政府は官民協議会を立ち上げ、インド食品加工分野への日本企業の進出・投資促進を後押ししている。日本企業のビジネスが拡大する機会になるとの期待も高まっている。(了)

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この記事の掲載号

週刊エコノミスト 2015年12月1日号


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