2015年

12月

01日

WORLDWATCH: L.A. コーンシロップ訴訟 砂糖業界が賠償請求

コーンシロップの製造工場(コロラド州)Bloomberg
コーンシロップの製造工場(コロラド州)Bloomberg

 ◇2015年12月1日号


土方 細秩子

(ロサンゼルス在住ジャーナリスト)


 ロサンゼルスの連邦裁判所で11月に開かれた裁判が注目を浴びている。米国の砂糖業界連盟が、コーンシロップメーカーやトウモロコシ農家らを相手取り、15億ドル(約1800億円)の損害賠償を求める訴訟だ。

 コーンシロップは、「砂糖に代わるもの」として1970年代に米国で販売が始まった。清涼飲料水、ドレッシング、パスタソースなどさまざまな食品や家庭料理に使われてきたが、2004年に米栄養学協会の学会誌に、コーンシロップと肥満、糖尿病を関連付ける研究報告が掲載されて以来、悪玉扱いをされている。

 裁判は、コーンシロップ業界が08年から始めた「コーンシロップは栄養学的には砂糖と同じ」という宣伝活動に対して、砂糖業界が「誤った広告により砂糖の販売を阻害している」と損害賠償を要求。一方、コーンシロップ側も「コーンシロップが有害というのは砂糖業界が作り上げた間違った科学認識」と反発し、5億3000万ドル(約650億円)の逆提訴をした。

 米国では砂糖、コーンシロップ共に「肥満、糖尿の原因」として避けられがちで、売り上げも落としている。全米の公立学校では清涼飲料水の販売を禁止、ニューヨーク市のようにサイズの大きな甘味飲料に特別税を検討する自治体もある。そのような中で「どちらがより不健康な食品か」を争う不毛な裁判だが、この「甘い戦い」、どう決着するのだろうか。(了)

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この記事の掲載号

週刊エコノミスト 2015年12月1日号


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