2016年

1月

19日

特集:来るぞ!日本株 レバレッジ型ETFの「落とし穴」 2016年1月19日号

売買代金1位の人気商品だが……  Bloomberg
売買代金1位の人気商品だが……  Bloomberg

超人気商品となったが、仕組みや値動きの特性はあまり理解されていない。

井出 真吾
(ニッセイ基礎研究所チーフ株式ストラテジスト)

 レバレッジ型ETF(上場投資信託)が人気だ。代表的な日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(日経レバ)の2015年1月から12月18日までの累計売買代金は約40兆円で、東証1部の1位。2位のトヨタ自動車(約16兆円)を大きく引き離した。

 日本株を対象としたものでは現在、日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)、JPX日経インデックス400それぞれについて、対象とする指標の2倍の値動きをする「レバレッジ型」、下落局面にかける「インバース型」(指標のマイナス1倍)、「ダブル・インバース型」(同マイナス2倍)の計9種類が指定されている。てこ(レバレッジ)のように元指数の何倍かの動きをするため、総称してレバレッジ型もしくはインバース型ETFと呼ぶ。
 個別銘柄を選ぶ手間が省ける上、上げ相場では日経平均などに連動するインデックス・ファンドより大きく値上がりしたり、株価下落の局面でももうけるチャンスがある便利さがうけたようだ。リスクを好む個人投資家を中心に急速に普及している。

◇募集停止で露呈

 

 相場のボラティリティー(変動率)が大きいとレバレッジ型ETFの値動きも大きくなるため、先行き不透明感が強い16年も人気が継続すると見られる。ただし、特性を理解しないで投資すると思わぬ損失を被る恐れもある。特に、指標の2倍(マイナス2倍)にはならないことがあることには注意が必要だ。ここでは二つの「落とし穴」を見ていく。
 一つ目の落とし穴は、本来の価値から離れた市場価格(ここでは「株価」とする)で購入(または売却)する可能性があることだ。15年10月、野村アセットマネジメントが日経平均を指標とするレバレッジ型ETF3銘柄を募集停止したことで浮き彫りになった(12月18日に募集再開)。
 野村アセットは新規募集を停止した理由を「先物市場の流動性をふまえて、運用資産規模を適正な範囲に維持するため」とした。レバレッジ型ETFは先物を利用して運用しているが、人気殺到で株価指数先物の売買量が増え、先物市場をゆがめる恐れがでてきたということだ。だが、募集停止により、レバレッジ型ETFの株価の動きが、本来目指す倍率から離れてしまう事態が生じた。......…