2016年

1月

19日

特集:来るぞ!日本株 電力自由化 8兆円市場に119社が参入 2016年1月19日号

 ◇調達やセット販売で提携加速

 

村上富弥

(ジャーナリスト)

 

家庭や事務所、商店など契約電力が50㌔㍗未満の「低圧」分野の電力市場が2016年4月に自由化される。大規模工場など、契約電力が2000㌔㍗以上の「特別高圧」は00年に、中小規模の工場やビルなど50㌔㍗以上の「高圧」も04、05年に自由化されていることから、低圧の自由化によって電気を使うすべての消費者が電力会社や料金プランを自由に選べる環境が整う。

 資源エネルギー庁によると、低圧の電力小売りを独占してきた電力10社は14年度、一般家庭7795万件、商店・事務所等718万件に電力を小売りし、計8兆187億円を売り上げた。自由化により、この8兆円市場が開放されることになる。

 新市場を開拓しようと現在、多くの事業者が続々と電力小売りへの参入を表明している。電力小売りに必要となる「小売電気事業者」に登録した企業は16年1月5日時点で119社。ガス会社や石油会社などエネルギー系のほか、通信、商社、住宅系など顔ぶれは多彩で、登録企業は今後も増えると予想される。また、小売電気事業者に登録せずに、代理や取り次ぎといった形で電力事業に参入する企業も少なくない。参入企業は4月までにまだ増えそうだ。

 

 ◇電力会社+LPガス

 

 参入企業が積極的に取り組んでいるのが異業種との提携だ。特に①電源を持つ電力会社との提携、②電力などとセットで提供できる商材を持つ企業や、ポイント事業を手掛ける企業との提携が目立っている。

 ①電力会社との提携を積極的に進めているのがLPガス大手だ。グループで113万件の顧客を抱える日本瓦斯(ニチガス)は10 月に東京電力と提携。販売代理方式で電気とガスをセット販売する。TOKAIホールディングス傘下の4社は12月、東電と提携。東電、中部電力の供給エリアでガスと宅配水、通信関連サービスをセット販売する。

 全国で310万件の顧客を持つ岩谷産業も12月、関東・首都圏エリアの子会社2社が家庭用電力小売りに参入すると発表した。関西電力グループの関電エネルギーソリューションと提携する方針だ。LPガス以外では、ソフトバンクが東電と提携し、「ソフトバンクでんき」を提供する。………