2016年

1月

26日

地図でわかった原油恐慌:〈中国〉石油製品輸出で原油市況圧迫 2016年1月26日号

後藤逸郎 / 金井暁子

(編集部)

 

 世界最大の原油輸入国の中国は2015年、石油製品の輸出が輸入を上回った。製鉄と同様にガソリン、軽油などの石油製品でも中国が世界の供給過剰要因となる可能性が高く、低迷する原油市況の押し下げ要因となりそうだ。

 1月13日発表の中国貿易統計によると、15年の石油製品は輸入量が前年比0・3%減の2990万トンに対し、輸出量は前年比21・8%増の3615万トンとなり、1991年以降24年ぶりに輸出超過となった。原油輸入量は前年比8・8%増の3億3550万トンだった。輸出総額は、6年半ぶりに前年割れした中で、石油製品の輸出は拡大している。

 中国は経済発展に伴い90年代半ばから、原油、石油製品共に輸入量が急増した。併せて石油の消費量も増え続け、95年の1億6020万トンから、14年は3倍以上の5億2030万トンに達した。

 しかし、経済減速に伴って石油の国内消費量は減少傾向にあり、石油製品の一部を輸出に回すようになった。15年上期は毎月平均200万トン台を輸出した。経済減速が鮮明になった15年下期以降は毎月300万~400万トン台に急増したことで、輸出超過となった。

 15年の石油製品の輸出内訳は未公表だが、中国の石油各社は軽油や灯油を中心に、東南アジアなどへ供給過多の石油製品の輸出拡大に力を入れていると見られる。「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる低成長時代に突入した中国で、石油製品の国内需要は小幅な伸びにとどまる可能性が高い。

 その一方で、中国は製油所建設計画が目白押しだ。既存の主要製油所と、建設中もしくは建設予定の製油所は沿岸部を中心に各地域に点在し、計31の建設計画がある。中には、………


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この記事の掲載号

定価:620円(税込み)

発売日:2016年1月18日

週刊エコノミスト 2016年1月26日号

 

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