2016年

2月

02日

丸わかり 激震!中国:相次ぐ日本企業の失敗 2016年2月2日特大号

◇合弁相手のへ発言力が増す

 

松原邦久

(元スズキ北京事務所首席代表)

 

 2015年は日本企業が中国の生産拠点を閉鎖・縮小することが相次いで発表された年だった。カルビーは中国企業との合弁を解消し、51%の持ち分全てを合弁相手にたった1元(約18円)で譲渡。パナソニックは中国での液晶テレビ生産から撤退し、北京のリチウムイオン電池工場を閉鎖した。また、エスビー食品がカレールーなどの生産を打ち切り、サントリーホールディングスは中国のビール大手青島ビールとの合弁を解消するなど、日系企業の失敗が後を絶たない。
 中国に進出した日本人の経営者やビジネスマンは、地方政府の役人の歓待を受けて「干杯、干杯(乾杯、乾杯)」と繰り返しているうちに、「中国と日本は異質の国である」ことをすっかり忘れてしまうことが多い。

 実際に中国で自動車製造会社などを経営したが、地方政府の役人の態度は中国進出前後で大きく変わった。誘致の段階では「皆さんのご要望には全て応えますよ」と頼もしかったが、進出後に停電が続いたことがあり、電力会社に改善を指導するよう地方政府にお願いに行ったところ、「民間同士のことだから、双方で解決してほしい」と断られた。彼らにとっては、自らの実績として評価される工場誘致に力を入れていただけだったのだ。
 政府による突然の規則変更や法律を身勝手に解釈した要求に直面する。採用した中国人の役職者が、日本人駐在員と同額の給与を求めてくるなど驚くことには事欠かなかった。

 

◇賄賂でビザ取得

 

 ある中小の電気部品会社は、北京郊外に中国企業との合弁会社を設立した。総経理(社長)が労働ビザの延長申請をしたところ、60歳を超えているとの理由で不受理となった。……