2016年

4月

26日

【マイナス金利に勝つ!資産運用】金 年内に1400㌦近傍も

◇波乱に強い実物資産

◇年内に1400ドル近傍も

 

亀井幸一郎

(マーケット・ストラテジィ・インスティチュート代表)

 

 2016年に入り、金相場が注目を集めている。世界経済の不透明感などから年初来、値が上がっているからだ。それに加えてマイナス金利政策という「預金をしても利息はもらえず手数料を取られる」というなじみのない異例の状況が起きたことも要因だ。

 1~3月期のニューヨーク金先物価格は1トロイ オンス当たり174ドル、率にして16・4%値上がりした。四半期ベースの上昇率としては、1986年以来約30年ぶりの高さだった。また、円建て価格(東京商品取引所先物価格)も、この間の円高の動きにもかかわらず、1グラム当たり291円、7%の上昇となった。価格上昇の理由は複合的だ。中国景気の減速、原油などの商品市況の低迷に加えて、中東情勢の緊張、英国のEU(欧州連合)離脱問題など不透明な環境の中、波乱に強い金が買われることになった。

 また、今回の上昇局面での特徴は、現物の金地金を買うに等しい金ETF(上場投信)の残高が目立って増えていることだ。目先の値上がり益狙いならば、先物市場に資金が投じられるし、実際に先物取引も膨らんでいる。一方、金ETFへの資金シフトは、中長期的な視点でのリスク回避を目的としており、息の長い上昇を見据えたものと言える。

 代表的な金ETFである「SPDRゴールド・シェア」の残高は、重量ベースで1~3月期に177トン(時価換算約7900億円)の増加、2月だけを見ると108トン増えた。2010年4月にギリシャ債務危機が表面化した際と同規模で、その時に匹敵するリスク回避の資金移動が起きていることを表している。………