2016年

5月

17日

特集:人工知能の破壊と創造 Q&Aでわかる! AIとIoTの基礎 2016年5月17日号

 ◇センサーとクラウドの進化で機熟す

 ◇傍観すれば世界から取り残される

 

尾木蔵人

(三菱UFJリサーチ&コンサルティング国際営業部副部長)

 

Q AI、IoTとは何か。

A AIは、処理能力の高いスーパーコンピューター上で動くソフトウエアで、推論や学習といった人間の脳の働きをコンピューターで実現しようとする技術を指す。

 一方、IoTは「インターネット・オブ・シングス」の略で、「モノのインターネット」と訳される。センサーを埋め込んだモノとモノをインターネットを介してつなぐことで付加価値を高めることをいう。

 IoTの進展によって収集可能な情報量が増えると、大量のデータを迅速・効率的に分析・処理する技術(ソフトウエア)が必要になる。そこでAIが、こうした膨大な情報を分析・処理するための技術の一つとして注目を集めるようになった。

 その意味で、AIはIoT社会のツールの一つと考えられる。

 

 ◇深層学習という革命

 

Q なぜ活用が進んでいるの?

A センサーや情報の処理能力などIT関連の技術が飛躍的に向上したためだ。

 まず、さまざまな情報を感知、収集するセンサーの小型化、低価格化が進み、データを集めやすくなった。同時に、コンピューターの情報処理能力が格段に高まり、「ビッグデータ」と呼ばれる膨大な情報を速く、安く処理できるようになっている。産業技術総合研究所の関口智嗣情報・人間工学領域長は、コンピューターの30年前の計算速度がカメの歩くスピードだったとすると、現在は光速に達するほど進化したという。

 さらに、インターネットを通じてソフトウエアなどの機能を提供したり、データを管理したりできる「クラウドコンピューティング」の普及が進んだことが大きい。これによって、………