2016年

7月

05日

【FinTech最前線!】中国・アリババ 金融分社化で新サービス続々 2016年7月5日特大号

金融でも存在感高めるアリババ Bloomberg 週刊エコノミスト フィンテック FinTech
金融でも存在感高めるアリババ Bloomberg

 ◇海外事情

 

神宮 健

(野村総合研究所〈北京〉金融システム研究部部長)

 

 電子商取引(eコマース)で急成長したアリババグループは、中国のフィンテックを牽引(けんいん)する存在だ。特に、2014年10月に設立した金融子会社「螞蟻(ばぎ)金融服務集団」の動向が注目される。

 螞蟻金融(英語名:アント・フィナンシャル)は、アリババの金融プラットフォームであり、eコマースサイトを運営する「阿里巴巴集団」(ニューヨーク証券取引所上場)、物流を手がける「菜鳥網絡」と並ぶ、アリババの3大業務の一つである。

 蟻金融が運営するサービスは、インターネット上での決済・資金運用・融資・信用情報など多岐にわたる。

 まず、04年開始の「支払宝(アリペイ)」は、「淘宝(タオバオ)」などのアリババのeコマースサイト上の決済手段として始まり、現在はコンビニ、公共サービスの支払いなどで「おサイフケータイ」のように使われている。15年6月時点で、200超の金融機関と協力し、実名ユーザーは4億人を超える。

 次に、13年6月導入の「余額宝」は、アリペイ口座の遊休資金をマネー・マーケット・ファンド(MMF)で運用するもので、1元(約15円)から購入可能で、いつでもアリペイ決済に使えるため爆発的人気となり、資産規模は15年末に6207億元(約9・8兆円)となり、大規模MMFと化している。

 14年8月開始の「招財宝」は、主に個人投資家と、中小零細企業・個人事業主などの資金調達者を結び付ける、金融情報を提供するP2P型プラットフォームである。15年末時点で、1000万超の個人投資家の取引を実現。また、小・零細企業や創業者の非公開株式による資金調達プラットフォームとして、「蟻達客(ANTSDAQ)」を試験している。さらに、これらの資金運用商品を取引できるスマホアプリ「蟻聚宝(ANT FORTUNE)」(15年8月導入)もある。

 

 ◇3分で貸し付け

 

 eコマースを出発点とする蟻金融の強みは....

(『週刊エコノミスト』2016年7月5日号<6月27日発売>44ページより転載)

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この号の掲載号

定価:670円(税込)

発売日:2016年6月27日

週刊エコノミスト 2016年7月5日特大号

 

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