2016年

7月

12日

エコノミストリポート 中国・影の経済指導者

◇習主席のブレーン

◇「権威人士・劉鶴」の正体

 

稲垣清(在香港中国研究者)

 

 中国ではいま、誰が経済政策の決定権を握っているかに注目が集まっている。

 組織的にいうと、経済政策を決定する最高意思決定機関は、「中央財経指導小組」である。中国共産党の最高指導機関の中央委員会にあるグループ(小組)で、この組織が党の日常業務を行う中央書記処と緊密に連絡を取り、合同会議などを通じて、重要政策を立案・決定している。

 たとえば、2005年7月の人民元切り上げ、08年11月の「4兆元景気対策」などの重要な政策決定のメカニズムは、次のようだったと推察される。

 まず党の中央政策研究室や、国務院(政府)の国務院研究室や国務院発展研究センターなどのブレーン集団が、中央財経指導小組に意見などを提出する(図1)。中央財経指導小組がそれらを参考にしながら、政策案を立案し、審議の後に決定する。そして、それを党の政治局、政治局常務委員の順序で批准。国務院に通達され、内外に発表する──という流れだ。

 中央財経指導小組のトップ(組長)を務めるのは、習近平国家主席である。しかし、この組織内で大きな役割を担っているのが、劉鶴氏とみられている。………