2016年

7月

26日

ヤバイ投信保険外債 インタビュー 森信親金融庁長官

◇──金融商品の販売をどう思いますか?

◇「高い手数料は何の対価か説明責任を果たすべきだ」

 

 金融庁が金融機関に対し、金融商品販売の意識改革を迫っている。森信親長官にその狙いを聞いた。

(聞き手=金山隆一編集長/桐山友一/種市房子・編集部)

 

──「貯蓄から投資へ」というスローガンが掲げられて久しいものの、なかなか実現しません。

■確かにそうですね。日銀の資金循環統計によれば、国内の家計の金融資産は2015年末で約1740兆円。このうち、現金や預金が52%を占めており、株式・投資信託の割合は15%にすぎません。この構成は過去からほとんど変わっていないのが実情です。一方、米国では15年末、現・預金の割合は13%で、33%は株式や投信。英国では、個人から直接、株式や投信に流れ込む金額は少ないけれど、別途年金や保険の形で投資に回っています。

── ただ、日本では投資に尻込みする人が少なくありません。

■投資は債券や株式など商品別、先進国や新興国などの国別、そして投資する時期を適切に分散すれば、リスクを抑制しながら資産を形成していくことが可能です。金融庁が1995年を基準に15年までの家計の金融資産の推移を指数化したところ、日本では95年比で1・47倍だったのが、米国では3・11倍、英国では2・83倍となりました。資産構成の違いによるリターン(収益)の差が、金融資産の増加の程度に影響したと考えられます。

 老後の資産をいかに形成するかは、日本の今後の重要な問題です。公的年金など公的扶助の仕組みにはおのずと財政的な制約もあるからです。貯蓄を賢く分散投資して資産形成するための土壌を、今こそ作っていくことが必要だと考えています。

 

 ◇「回転売買」の実態指摘

 

── 「貯蓄から投資へ」が進まなかった原因は?

■大きな問題としては、多くの金融機関が投資商品の販売を、顧客の資産形成より手数料稼ぎに重きを置いてやってきたことが挙げられるでしょう。例えば、金融機関で販売されている商品の目論見書には、為替とか金利とか商品に含まれるリスクの種類がいろいろ書いてあるんだけど。

── 金融庁長官でも分からない?

■分かりやすいとは言えませんね(笑)。いかなるリスクがどの程度あるのか分かりにくい金融商品を、手数料が稼げるという理由で顧客に販売してきたのではなかったでしょうか。