2020年

1月

28日

2020年1月28日号 週刊エコノミスト

自動車革命で伸びる会社

発売日:1月20日

定価 :670円


2020年

1月

21日

2020年1月21日号 週刊エコノミスト

日本を救う 大学ベンチャー

発売日:1月14日

定価 :670円


2020年

1月

14日

2020年1月14日号 週刊エコノミスト

2020注目の技術&産業

発売日:1月6日

定価 :670円


2019年

12月

31日

2019年12月31日・2020年1月7日合併号 週刊エコノミスト

世界経済総予測 2020

発売日:12月23日

定価 :720円


2019年

12月

24日

2019年12月24日号 週刊エコノミスト

日本経済総予測 2020

発売日:12月16日

定価 :670円


2019年

12月

17日

2019年12月17日号 週刊エコノミスト

勝つ 負ける地銀

発売日:12月9日

定価 :670円


2019年

12月

10日

2019年12月10日号 週刊エコノミスト

税務調査は見逃さない

発売日:12月2日

定価 :670円


2019年

12月

03日

2019年12月3日号 週刊エコノミスト

勝ち残る 消える大学

発売日:11月25日

定価 :670円


2019年

11月

26日

2019年11月26日号 週刊エコノミスト

食肉大争奪

発売日:11月18日

定価 :670円


2019年

11月

19日

2019年11月19日号 週刊エコノミスト

日本株 爆騰!銘柄

発売日:11月11日

定価 :670円


2019年

11月

12日

2019年11月12日号 週刊エコノミスト

欧州発 世界不況

発売日:11月5日

定価:670円


2019年

11月

05日

2019年11月5日号 週刊エコノミスト

5Gのウソ ホント

発売日:10月28日

定価:670円


2019年

10月

29日

2019年10月29日号 週刊エコノミスト

ダマされない生命保険

発売日:10月21日

定価:670円


2019年

10月

22日

2019年10月22日号 週刊エコノミスト

本気で買うマンション

発売日:10月15日

定価:670円


2019年

10月

15日

2019年10月15日号 週刊エコノミスト

年金の大誤解

発売日:10月7日

定価:670円


2019年

10月

08日

2019年10月8日号 週刊エコノミスト

大揺れ!香港・台湾・韓国

発売日:9月30日

定価 :本体620円+税


2019年

10月

01日

2019年10月1日号

キャッシュレス大混乱

発売日:9月23日

定価:本体620円+税


2019年

9月

24日

2019年9月24日号 

勃発!通貨戦争

発売日:9月17日

定価:670円


2019年

9月

17日

2019年9月17日号 週刊エコノミスト

最新!信金ランキング2019

発売日:9月9日

定価:670円


2019年

9月

10日

2019年9月10日号 週刊エコノミスト

スマホ AIで病気を治す 医療&ビジネス

発売日:9月2日

定価 :670円


2019年

9月

03日

9月3日号 週刊エコノミスト

絶望の日韓

発売日:8月26日

定価 :670円


2019年

8月

27日

8月27日号 週刊エコノミスト

伸びる 消える 鉄道

発売日:8月19日

定価 :670円


2019年

8月

20日

8月13日・20日合併号 週刊エコノミスト

世界景気の終わり

発売日:8月5日

定価:720円


2019年

8月

06日

2019年8月6日号 週刊エコノミスト

商社の稼ぎ方

発売日:7月29日

定価 :670円


2019年

7月

30日

2019年7月30日号 週刊エコノミスト

乗り遅れ厳禁! 移動革命

発売日:7月22日

定価:670円


2019年

7月

23日

2019年7月23日号 週刊エコノミスト

俺の転職 わたしの副業

発売日:7月16日

定価:670円


2019年

7月

16日

2019年7月16日号 週刊エコノミスト

ファーウェイ大解剖

発売日:7月8日

定価 :670円


2019年

7月

09日

2019年7月9日号 週刊エコノミスト

みんな空き家で悩んでる

発売日:7月1日

定価 :670円


2019年

7月

02日

2019年7月2日号 週刊エコノミスト

老後2000万円貯める!おまかせ投資

発売日:6月24日

定価 :670円


2019年

6月

25日

2019年6月25日号 週刊エコノミスト

残る消える地銀

発売日:6月17日

定価 :670円


2019年

6月

18日

2019年6月18日号 週刊エコノミスト

マンションの悲劇

発売日:6月10日

定価 :670円


2019年

6月

11日

2019年6月11日号 週刊エコノミスト

失速!米国経済

発売日:6月3日

定価 :670円


2019年

5月

28日

6月4日号 週刊エコノミスト

11兆円市場 介護の勝者

発売日:5月27日

定価:670円


2019年

5月

28日

2019年5月28日号 週刊エコノミスト

5Gで上がる日本株

発売日:5月20日

定価:670円


2019年

5月

21日

2019年5月21日号 週刊エコノミスト

まだ間に合う!50代からの投資

発売日:5月14日 

定価:670円


2019年

5月

14日

2019年5月14日号 週刊エコノミスト

令和の日本経済大予測

発売日:2019年5月7日

定価:670円


2019年

5月

07日

2019年4月30日・5月7日合併号 週刊エコノミスト

使いこなす!相続税&法

発売日:4月22日

定価:720円


2019年

4月

23日

2019年4月23日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:4月15日

最強のほったらかし投資

 

激闘!インデックス投信 

ネットや銀行・生保系躍進

 

 日本の資産運用業界で地殻変動が起きつつある。「つみたてNISA(ニーサ)」など税制優遇施策の導入を契機に、低コストのインデックス(指数)連動型投資信託(投信)の残高が急増しているのだ。投信評価会社のモーニングスターによると、国内投信10社が設定した個人向けのインデックス投信の残高は2014年3月末の1935億円から19年3月末に1兆1463億円と、過去5年間で約6倍に伸びた(図1)。

 

 個人向けインデックス投信に厳密な定義はないが、「販売手数料が無料(ノーロード)」で「信託報酬率が低く」「主にネットで販売されている」のが特徴。運用対象は、「東証株価指数(TOPIX)」や「S&P500」をはじめ、国内外の株式や債券などの指数だ。

 


2019年

4月

16日

2019年4月16日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:4月8日

迫る景気後退

世界経済入門

 

日米欧が金融緩和でも

新興国株暴落の怪

 

 アルゼンチン・メルバル指数は年初来高値から14%下落、トルコ・イスタンブール100種指数は同12%下落、ブラジル・ボベスパ指数は同8%下落。年明けから上昇基調をたどった新興国の株式指数が3月に相次いで急落した。トルコは3月後半に通貨リラも急落、株価急落との二重のショックに見舞われた。

 

 日本でも、これらの新興国の株式や債券を組み入れた投資信託やETF(上場投資信託)が販売されており、個人投資家にとっても、海の向こうの出来事では済まされない。

 

 経済規模の大きい日米欧の金融政策と、新興国のマネーの流れは基本的に連動する。日米欧が金融引き締め基調ならば、世界市場に出回るマネーが減る。投資家はリスクを回避して、国債や先進国の社債などの安全資産へ傾斜(リスクオフ)する。逆に、金融緩和基調ならば、株式や、新興国の通貨・金融商品など、一定リスクはあるがリターンも狙える資産に傾斜(リスクオン)する。


2019年

4月

09日

2019年4月9日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:4月1日

始まる!働き方改革法

 

新たな罰則違反も公表対象

「第1号」企業はどこ?

 

 働き方改革関連法が4月1日から施行された。1947年の労働基準法(労基法)制定以来、70年ぶりの大改革であり、中でも長時間労働や過労死の防止を目的に、あえて罰則を付けてまで残業時間の上限規制や年次有給休暇(年休)の取得義務化を盛り込んだことが大きな特徴だ。

 

 新たな制度をより確実に定着させるうえで、罰則規定とともに効力を発揮しそうなのが、労働基準関係の法令違反をした企業名の公表制度だろう。

 

 公表制度の対象となるのは、悪質な違反を繰り返したり、労働基準監督署が書類送検した企業(中小零細企業を除く)で、厚生労働省は「社会への啓発が目的」とする。しかし、公表された企業は当然、社会的なイメージダウンは避けられない。4月1日から1年程度は新たな制度の周知のため、労基署から大目に見られることはあるだろう。

 

 しかし、今回盛り込まれた残業時間の上限規制や年休の取得義務化をなおざりにし続ければ、いつ公表第1号の企業となってもおかしくない。

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2019年

4月

02日

2019年4月2日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:3月25日

 

終活で頼れる

税理士・司法書士・社労士

 

大相続時代に広がる市場 

「手続き屋」から「専門医」へ

 

 日本は、まさに大量相続の時代を迎えつつある。1947~49年に生まれた「団塊の世代」は70代に突入。死亡者数は右肩上がりで、2017年は約134万人に上った。

 

「日本の将来推計人口(中位推計)」によれば、死亡者数は団塊ジュニア世代が高齢者にさしかかる2040年ごろにピークの約168万人に達するまで、増加し続ける(図2)。

 

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2019年

4月

02日

第59回(2018年度)エコノミスト賞

■6年ぶりに該当作なし

 

 第59回(2018年度)「エコノミスト賞」選考委員会(委員長=深尾京司一橋大学教授)は19年1月から選考作業を行った。委員の中で議論が交わされたが、今回は全員一致で「授賞作なし」と結論付けた。授賞作なしは第53回(12年度)以来6年ぶりだった。

 今回、対象となったのは18年1~12月に刊行された著書。主要出版社の推薦も踏まえて、主要著書を絞った上で、選考委員会で二度にわたり詳細な審査をした。(編集部)

 

 最終選考に残ったのは以下の4点。

 

▽『生産性 誤解と真実』(森川正之著、日本経済新聞出版社)

 

▽『金融危機と対峙する「最後の貸し手」中央銀行』(木下智博著、勁草書房)

 

▽『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』(伊神満著、日経BP社)

 

▽『経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』(牧野邦昭著、新潮選書)

 

 

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2019年

3月

26日

2019年3月26日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:3月18日

 

為替でわかる世界経済

 

ドル・円の膠着生む

米1強とリスクオフ

 

 3月に入りドル・円相場は、1ドル=110~111円の狭いレンジで膠着(こうちゃく)状態が続いている。

 

 年明けの1月3日、昨年末まで1ドル=111円台で推移していたドル・円は、一気に104円台後半へと突入。売買が一方向に向かいやすい「AI(人工知能)トレーディング」によって、売りが売りを呼ぶ「フラッシュ・クラッシュ(瞬間的暴落)」が発生したためだ。

 

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2019年

3月

19日

2019年3月19日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:3月11日

 

中国大失速

 

ベンチャー投資に異変

 「焼銭」モデルが限界

 

 

 2月中旬の上海を訪れた。最高気温が13度を超える日もあり、例年に比べて暖かな陽気のせいか人通りが多かった。旧正月のお祭り気分が残る百貨店は、干支(えと)の豚を模した派手な飾り付けが施され、高級ブランド店にも客の姿が目立つ。活気づく街からは、中国経済の減速は感じられない。

 

 しかし、中国の成長の原動力でもあるベンチャー業界の関係者は、異変を感じ取っている。ベンチャーキャピタル(VC)や起業家はそろって「資本の厳冬」という言葉を口にした。

 

 

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2019年

3月

12日

2019年03月12日 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:3月4日

治る バイオ薬&遺伝子・再生医療

 

血管新生の遺伝子薬承認へ

白血病治療のCAR-Tも

 

 

 これまでにない新しいタイプの薬や治療が、国内で次々登場しそうだ。

 

 2月20日、厚生労働省の専門部会で了承されたのは、体内に遺伝子を入れる遺伝子治療で、創薬ベンチャー「アンジェス」の注射剤「コラテジェン」だ。3月中にも正式承認される見通しだ。遺伝子治療用製品では国内初となる。

 

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2019年

3月

05日

2019年3月5日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:2月25日

 

大変調 企業決算

 

牙むく「トランプ砲」 

標的は自動車と為替

 

 「欧州での生産は競争力の観点で難しいと判断した」──。ホンダの八郷隆弘社長は2月19日、欧州唯一の生産拠点である英国スウィンドン工場での生産停止を発表し、その理由をこう述べた。

 

 八郷社長は英国の欧州連合(EU)離脱とは無関係としたが、衝撃は英国中を駆け巡った。クラーク英産業戦略相は「何千人もの労働者とその家族にとって酷なニュースだ」と懸念を表明した。

 

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2019年

2月

26日

2019年2月26日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:2月18日

キャッシュレス徹底活用術

 

“戦国時代”さながら乱立 

果てしなきサービス競争

 

 キャッシュレス決済サービスが、“戦国時代”さながらの様相だ。先行していたのは非接触ICを使ったキャッシュレス決済サービスだが、ここ最近は後発のバーコードやQRコード(二次元コード)による決済(以下コード決済)サービスにさまざまな事業者が参入し、大規模な利用者還元キャンペーンを展開。非接触ICも利用者増に向けて急速に巻き返しており、激しいサービス競争を繰り広げている。

 

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2019年

2月

19日

2019年2月19日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:2月12日

進化する

弁護士・会計士・弁理士

 

ITで新需要発掘 

広がる士業の仕事

 

 難関国家資格の「士(さむらい)業」を代表する弁護士、公認会計士、弁理士。その数は司法制度改革や、企業の海外展開に伴う需要増などを背景に、増え続けている。一方、人材は流動化し、法律事務所や監査法人、特許事務所に勤務する従来の「王道」とは別の道で活躍するサムライが増えている。

 

 目立つのは、法律分野でITを活用する「リーガルテック」を使った、士業からの起業だ。日本では、2005年に法律相談ポータルサイトを開設した「弁護士ドットコム」が先駆けだが、人工知能(AI)の発達・普及とともに15年ごろから急増。約20社に及ぶ。

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2019年

2月

12日

2019年2月12日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:2月4日

マーケット総予想2019

 

金融市場発の悲観論が実体経済に波及し始めた。楽観論も入り交じる変調マーケットを総点検する。

 

 「今年はブラックスワンばかり」

 バークレイズ証券の木曽健太郎社長は、年初の機関投資家とのミーティングでこう告げられたという。ブラックスワンとは、めったに起こらないが、ひとたび発生すれば壊滅的な打撃を与える事象を指す。2008年のリーマン・ショックをイメージすればいい。今年はそんな巨大なリスクが市場にあふれていると、機関投資家が警戒感を強めているのだ。

 

 BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストもブラックスワンを指摘する一人だ。具体的には、米中貿易戦争の激化と英国の欧州連合(EU)離脱問題を挙げる。

 

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2019年

2月

05日

2019年2月5日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:1月28日

 

地銀に負けない信金・信組

 

QRコード決済普及の拠点

「さるぼぼコイン」の先進性

 

 各地の信用金庫や信用組合が元気だ。地域に根ざした協同組織金融機関として今、力を入れるのが、キャッシュレス決済の地域への普及やベンチャーの起業支援。その取り組みの最前線を追うと、株式会社である地銀とはひと味もふた味も違うパワーに満ちあふれていた。

 

 キャッシュレス決済は現在、さまざまな事業者がスマートフォンを活用した二次元コード(QRコード)決済のサービスに乗り出している。しかし、信金・信組の取引先が多い地域の商店や飲食店など小規模な事業者には、こうした新サービスの導入には負担が重い。

 

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2019年

1月

29日

2019年1月29日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:1月21日

 

負けない投資信託2019

 

相関低い資産を組み合わせ 

「リスク管理型」も選択肢

 

 世界経済の先行きが不透明さを増す中、2018年は日経平均株価が7年ぶりに前年末に比べて下落した。12年末のいわゆるアベノミクス相場開始以降では初の下落となり、この6年以内に投資を始めた投資家は特に不安に感じたことだろう。

 

 こうした中、18年は投資信託も運用面で苦戦を強いられた銘柄が多かった。表1は、純資産残高100億円以上のファンドを対象に、過去3年間の騰落率上位30銘柄をランキングしたものだ。

 

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2019年

1月

22日

2019年1月22日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:1月15日

 

騒乱相場

 

荒れる市場 

揺らぐFRBの威信

 

 「適切な経済のためには、我々は素早くかつ柔軟に対応する準備がある」──。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は1月4日、米南部ジョージア州アトランタで開いたアメリカ経済学会のシンポジウムで、緊張した面持ちで発言した。

 

 2週間あまり前の12月19日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、「2019年は、2回の利上げに見合うような経済状況になるだろう」という自らの発言を打ち消し、利上げの一時停止の可能性を示唆したものだ。

 

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2019年

1月

15日

2019年1月15日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:1月7日

平成経済30年史

 

平成の幕引く株急落

戦後最長の景気目前

 

 激動の平成の幕を引き始めるように、日経平均株価は2018年12月25日、前週末比1010円安の1万9155円と急落した。1日の下落率は5・0%と18年で最大となった。翌26日には6営業日ぶりに反発して取引を終えたものの、取引時間中には一時、17年4月以来約1年8カ月ぶりに1万9000円を割り込む場面もあった。米欧の中央銀行の金融引き締めに対する警戒や円高の進行などが売り材料とされたが、振り返れば平成の30年間を通して幾度も繰り返された光景だ。

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2019年

1月

01日

2019年1月1・8日合併号 週刊エコノミスト

定価:720円

発売日:12月25日

世界経済総予測

2019

 

米国株バブルの終焉

世界景気の失速必至

 

 不気味な下落基調の中で、世界株式市場の2018年が暮れようとしている。

 

 12月18日時点の各国・地域の主要株価指数を見ると、いずれも18年中に付けた高値に対して大きく値を下げている。しかも、高値や、高値後の下落から回復した「戻り高値」の時期が9月下旬~12月に集中していた。秋以降の高値や戻り高値の時期から、わずか1、2カ月足らずの間に急落。とりわけ日米欧の3極でその傾向が顕著だ。

 

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2019年

1月

01日

デモクラシータイムス「経済の深層」

ネットテレビ「デモクラシータイムス」に金山隆一編集長(右)が月に1~2度、出演し、最新号や旬のトピックについて語っています。

 

デモクラシータイムス http://www.democracytimes.jp/

経済の深層 一覧

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2018年

12月

25日

2018年12月25日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:12月17日

日本経済総予測2019

 

ホントに増えるの?消費税 

複雑怪奇な軽減税率 5%還元は誰のため

 

 東京・新橋の立ち飲み店。注文するたびに現金で精算する女性店主は、消費増税やその対策について顔をしかめた。

 

 「ウチはレジがなく、計算しやすいように100円単位で値段を付けているので、増税分の2%だけ上げるのは無理。100円上げるか、料理の量を減らすしかない。キャッシュレスなんてできっこない」

 

軽減税率Q&Aは102問


 安倍晋三首相が10月15日に消費増税を明言した後、「軽減税率」「ポイント還元」「商品券」と、増税対策が次々と打ち出されているが、小売店や飲食店では困惑や反発は広がるばかり。飲食料品の税率を8%に据え置く軽減税率の実施は早々に決まったが、歓迎する声ばかりではない。

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2018年

12月

18日

2018年12月18日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:12月10日

 

税務調査が狙っている

 

動き出した「富裕層チーム」 

態勢強化で調査件数は大幅増

 

 国税の税務調査が今、苛烈さを増している。その重点ターゲットの一つが「富裕層」だ。

 

 全国有数の高級住宅地、兵庫県芦屋市──。昨年から今年にかけ、芦屋に住む資産家ら50人以上に対し、大阪国税局による集中的な税務調査が行われている。現在までに総額30億円以上の申告漏れが指摘された模様だ。相続財産の一部を申告していないなどのケースとみられる。

 

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2018年

12月

11日

2018年12月11日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:12月3日

コンビニ最終決戦

おにぎりからビッグデータまで 

人口減で問われる対応力

 

 「誤解を恐れずに言うと、コンビニは飽和状態に近づいていると思う」──。店舗数で国内第2位のファミリーマート(ファミマ)を傘下に置くユニー・ファミリーマートホールディングス(UFHD)の高柳浩二社長は、本誌のインタビュー(76ページ)でこう述べた。

 

 高柳氏は、サービスや来店客数については「まだ限界を感じていない」と強調する一方で、「店舗数はそろそろ限界だ。6万店が7万、8万になる必要はないと個人的には思う」と率直に語った。

 

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2018年

12月

04日

2018年12月4日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:11月26日

 

稼げる特許・商標・意匠

 

特許連合「アバンシ」とは

つながる車で激化する

通信業界vs.車メーカー

 

 

 100年に1度と言われる大変革機に突入した自動車業界──。各社が「つながる車(コネクテッドカー)」の研究開発にしのぎを削る。

 

 そんな中、自動車メーカーを相手に無線通信特許の有償使用契約をもちかける強大な組織が出現した。米国に実質的な活動拠点を置く「アバンシ(AVANCI)」がそれだ。

 

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2018年

11月

27日

2018年11月27日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:11月19日

 

ドル・原油・金 

「新冷戦」でこう変わる

 

イラン制裁で顕在化 

揺らぐ基軸通貨の地位

 

 米トランプ政権は11月5日、対イラン制裁の第2弾を発動した。イラン経済を支える原油を制裁対象に加え、各国にイラン産原油の輸入停止を求めた。さらに米政府が制裁の切り札にしたのが、世界の基軸通貨である米「ドル」だ。

 

 米政府は国際的な銀行間の送金インフラを提供する「国際銀行間通信協会」(SWIFT(スイフト)、参照)に対しイランの銀行をネットワークから切断するよう圧力をかけた。SWIFTは5日、複数の銀行を切断すると発表。対象銀行は非公表だが、第一弾で指定した50行を含むと見られる。特に支払いがドルで行われる原油取引には打撃だ。

 

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2018年

11月

20日

2018年11月20日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:11月12日 

攻める私鉄

輸送人員と投資は過去
最高 訪日・再開発で人口減に勝つ

 

 少子高齢化に伴い、人口減少が続く日本。人口の増減の影響を受けやすい鉄道業界は厳しいとされ、特に人口流出の激しい地方では廃線の危機にさらされる路線も出ている。

 

 一方で、首都圏や関西圏などの大手私鉄16社の2017年度輸送人員(旅客数)は103億8600万人となり、2年連続で過去最高を更新した。バブル崩壊後に減少が続いたが、04年に底を打った後は増加が続いており、業界団体の日本民営鉄道協会(民鉄協)によると、景気回復に伴う雇用情勢の改善や、定年延長などによる高齢者の雇用増加、訪日外国人客(インバウンド)の増加などが押し上げているという。人口流入が続く首都圏では特に顕著だ。

 

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2018年

11月

13日

2018年11月13日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:11月5日

がんに勝つ薬 

 

免疫で戦う「オプジーボ」

 患者に新たな選択肢提供

 

 がんの治療では長らく「手術」「放射線」「抗がん剤」が三大治療と呼ばれてきた。現在でも一番確実な治療は、特定の臓器にできたがんを早期に発見し、手術で取り除くことで、がんが広がらないようにすることだ。手術がしにくい場所にできている場合は、放射線でがんを攻撃する。この手術と放射線は、がんができたところをピンポイントに治療するため「局所療法」と呼ぶ。

 

 一方、がんが特定の臓器から他の臓器などへ広がった場合には、手術や放射線では対処不能になる。そこで抗がん剤を投与し、薬の成分を血液の循環によって全身に送ることで広い範囲のがんを攻撃する。抗がん剤は「全身療法」と呼ばれる。

 

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2018年

11月

06日

2018年11月6日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:10月29日

 

保険見直し大作戦

 

掛け捨てで保険料大幅ダウン 

長寿化反映し、11年ぶり改定

 

 生命保険の保険料が大きく下がっている。特に、掛け捨ての死亡保障である定期保険(保険期間が一定の死亡保険)や収入保障保険(死亡時には満期まで毎月定額が支払われる死亡保険)では、いま保険を見直すと、保険料が累計で数十万円もトクをする可能性がある。長寿化によって死亡率が下がったことで、生命保険料計算の基となる「標準生命表」が今年4月、11年ぶりに改定され、保険料が大きく引き下げられたからだ。

 

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2018年

10月

30日

2018年10月30日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:10月22日

最強!ニッポン

 

電子部品 

 

世界随一の「サムライたち」

 第4次産業革命をけん引

 

 「これからの車は半導体の塊になる」(ソフトバンクグループの孫正義社長)──。トヨタ自動車とソフトバンクは10月4日、自動運転の普及を見据え、業務提携を発表した。記者会見で、時価総額国内首位のトヨタの豊田章男社長と同2位のソフトバンクの孫社長が固い握手を交わしたことは、報道陣にかつてない産業構造の変革が進んでいることを印象づけた。

 

 AIの進化とIoT(モノのインターネット)を通じて新しい付加価値と富を生み出そうとする潮流は「第4次産業革命」などと形容される。日本の電子デバイス企業は、その主要なプレーヤーとして、世界の半導体市場で存在感を強烈にアピールしている。

 

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2018年

10月

23日

2018年10月23日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:10月15日

偽りの世界好景気

 

借金まみれで始まった

米金利上昇という「地雷」

 

 「世界経済は一見好調に映るが、問題が起きるとすれば資産価格の調整だ」。

 

 三菱UFJ銀行の鈴木敏之シニアマーケットエコノミストは警鐘を鳴らす。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長も8月のジャクソンホール会議で、「過去に景気後退に陥った過程では、インフレよりも金融市場の行き過ぎが不安定要因だった」と指摘し、過熱した市場に注意する必要があると示唆した。

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2018年

10月

16日

2018年10月16日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:10月9日

 

マンションが危ない! 

 

「安過ぎ」コンサルにご注意 

大規模修繕で国が実態調査

 

 どのマンションも必ず経験する大規模修繕が揺れている。規模の大きいマンションなら億単位の工事になるが、発注する側の管理組合は住人で構成するため、いわば“素人”同然だ。

 

 国土交通省は今年5月、大規模修繕についての初の実態調査結果を公表した。16年11月に発覚した「不適切」コンサルタント問題を受けて、同省が管理組合に工事が高すぎないか、発注の参考にしてほしいと、大規模修繕のコンサルを請け負う設計会社や事務所を対象に実施。その結果を見ると、1戸当たりの工事費は75万~100万円が最も多く、仮設工事や外壁塗装、屋根防水、給水設備など工事金額の内訳も分かる。また、大規模修繕の回数ごとにも結果がまとまっている。

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2018年

10月

09日

2018年10月9日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:10月1日

 

キャッシュレスの覇者 

 

カードや銀行は「黒衣」 

スマホが決済の主役に

 

 秋分の日の昼下がり、観光客でごった返す東京・浅草雷門周辺。観光人力車の車夫たちが外国人観光客を相手に英語で呼び込む光景は、すっかりおなじみだ。

 

 観光人力車50台を走らせる「えびす屋浅草」では30分9000円のコース(2人乗車)が一番人気だという。梶原浩介所長によると、この日は3連休中でもあり日本人観光客の方が多かったが、平日は外国人が6割を占める日もあり、その半数は中国系だという。

 

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2018年

10月

09日

目次:2018年10月9日号


CONTENTS

 

キャッシュレスの覇者

16 カードや銀行は「黒衣」 スマホが決済の主役に■山本 正行/編集部

19 高コストの決済ネットワーク 当事者に忖度? 議論なし ■山本 正行

20 QRコード決済 参入企業続出で大混戦 ■鈴木 淳也

22 カード会社 牙城崩れ手数料引き下げ競争 ■小林 啓倫

24 インタビュー フィンテックベンチャーの旗手に聞く 八巻渉 カンム社長 「消費サイクル加速する」/鷹取真一 Kyash社長 「送金と一括して議論を」

25 ユーザー ポイント還元など「お得感」で選択 ■服部 邦洋

26 銀行の生きる道 サービス乱立なら普及を阻害 ■淵田 康之

28 小売店の憂鬱 現金管理コスト軽減がカギ ■田中 大輔

30 キャッシュレス先進国・中国 当局が規制強化の動き ■趙 〓琳

32 政府のキャッシュレス戦略 米プラットフォーム企業に危機感 ■福本 勇樹

34 銀行・交通・I T・流通系 注目22銘柄はこれだ! ■和島 英樹

36 インタビュー タイ「4大銀行」入り目指すアユタヤ銀行 後藤謙明 アユタヤ銀行頭取兼CEO “M&Aとフィンテック戦略”

エコノミスト・リポート

74 食品ロスの削減 商習慣の見直しでムダ減らす 人手不足の現場に効率化も ■石川 友博

 

Flash!

 

11 首相が自民党総裁3選、迫るアベノミクス「2020年問題」/ブレグジット交渉、強まる「離脱先行論」

13 ひと&こと 安倍政権が重用の新原氏、栄転後も厚労分野に影響/中国がゲーム規制を強化、近視予防で国家主席が談話/バイオベンチャーのテラ、株式売却で社長を解職

 

Interview

 

4 2018年の経営者 池田潤一郎 商船三井社長

92 挑戦者 2018 八木橋裕 ダブルフロンティア社長

44 問答有用 門司健次郎 前・駐カナダ大使 「日本酒はいまや人類史上最高の酒になった」

ストラディバリウスの世界

79 楽器と美術品の両面持つ 取引価格は16年で10倍に ■小田切 尚登/花谷 美枝

80 21丁の高額バイオリンを保有 演奏家への貸与事業を展開 ■花谷 美枝

81 インタビュー 中澤宗幸 日本ヴァイオリン創業者・顧問  「最低限の作業で元に戻すのが修復師です」

84        成田達輝 バイオリニスト 「音の純度が極めて高い 音階を『重さ』で把握できる」

82 特別対談 梅津時比古 「ストラディバリウスの規範だけに縛られるべきではない」

       片山杜秀 「独特の『雑味』が人間の内面を表現する」

64 コレキヨ 小説 高橋是清 (13) ■板谷 敏彦

38 コメ 「減反廃止」の内実 変わらぬ米価維持は需要減らす ■吉田 俊幸

40 航空 JALの格安航空参入 長距離LCCは前途多難 ■杉浦 一機

 

World Watch

 

58 ワシントンDC 主張通らぬマティス氏 大統領とすきま風 ■会川 晴之

59 中国視窓 広がるESG重視の動き 海外からの投資増も ■岸田 英明

60 N.Y./カリフォルニア/英国

61 韓国/インド/シンガポール

62 上海/ロシア/ナイジェリア

63 論壇・論調 極右勢力の暴動で独の閣内対立 左派「ファシズムの手口」と攻撃 ■熊谷 徹

 

Viewpoint

 

3 闘論席 ■古賀 茂明

15 グローバルマネー 英国のEU離脱、政治も公徳心で議論を

42 本誌版「社会保障制度審」 (16) 保育サービスの一段の拡充を 非正規雇用是正と男性育児参加もカギ ■阿藤 誠

48 学者が斬る 視点争点 自治体も資産の会計情報を把握 ■澤邉 紀生

50 言言語語

66 東奔政走 安倍氏3選で問われる外交戦略 米国頼みの時代は終わり ■及川 正也

68 海外企業を買う (208) ダブリューディー フォーティ ■岩田 太郎

71 図解で見る 電子デバイスの今 (20) ミニLED、バックライトへ採用進む 有機EL並みのコントラスト実現 ■津村 明宏

77 商社の深層 (124) キャッシュレスに乗り出す伊藤忠 カギはポケットカードとファミマ ■編集部

94 独眼経眼 中国経済は減速から再加速へ ■藻谷 俊介

96 アートな時間 映画 [ブレイン・ゲーム]

97        舞台 [芸術祭十月大歌舞伎 十八世 中村勘三郎七回忌追善]

98 ウォール・ストリート・ジャーナルのニュース英語 “ Gun Control ” ■安井 明彦

 

Market

 

86 向こう2週間の材料/今週のポイント

87 東京市場 ■隅谷 俊夫/NY市場 ■堀古 英司/週間マーケット

88 インド株/ドル・円/穀物/長期金利

89 マーケット指標

90 経済データ

 

書評

 

52 『ドローンの哲学』

  『現代経済学』

54 話題の本/週間ランキング

55 読書日記 ■孫崎 享

56 歴史書の棚/出版業界事情

51 次号予告/編集後記

 

2018年

10月

02日

2018年10月2日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:9月25日

中国の闇

 

疑問1 

米中衝突と構造問題がもたらす

2019年ショックって本当? 

 

 

 9月17日、トランプ米政権は中国の知的財産権侵害に対する制裁関税の第3弾として、同24日に年間輸入額2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品を対象に追加関税措置を実施する方針を表明した。当初は税率10%で発動し、来年1月1日から25%に引き上げる。中国がさらに報復措置を講じる場合、新たに2670億ドル(約29兆円)相当の追加関税措置を実施する。中国も600億ドル(約6・6兆円)分の報復関税を9月24日に発動することを明らかにした。

 

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2018年

10月

02日

特集:中国の闇 2018年10月2日号

疑問1 2019年ショックって本当? 

米中衝突と構造問題がもたらす

 

 9月17日、トランプ米政権は中国の知的財産権侵害に対する制裁関税の第3弾として、同24日に年間輸入額2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品を対象に追加関税措置を実施する方針を表明した。当初は税率10%で発動し、来年1月1日から25%に引き上げる。中国がさらに報復措置を講じる場合、新たに2670億ドル(約29兆円)相当の追加関税措置を実施する。中国も600億ドル(約6・6兆円)分の報復関税を9月24日に発動することを明らかにした。

 

 こうした中、人民元安が進んでいる。9月17日時点の人民元対ドルレートは、米中通商問題が発生した3月22日比で8・2%安の1ドル=6・857元と、短期間で大幅に下落している(図2)。8月15日には同6・9元台をつけて7元を突破する勢いが見られたが、金融当局が明確な市場介入のシグナルを発出。同6・8元台前半に押し戻されていたものの、トランプ政権の第3弾の制裁発動により元安圧力は高まるだろう。

元安、株安、経常赤字


 一方、中国株価も下落しており、上海総合指数は同期間にマイナス18・7%の2651・79まで低下。15年8月の人民元切り下げ、同12月の米国の利上げなどを機に発生した「チャイナショック」時の16年1月に記録した安値水準(2655・66)を下回った。

 

 人民元安の加速と中国株の下落が、世界の経済・金融市場に影響を及ぼしている。深刻な構造問題を抱える中国は改革途上の中、18年4月以降、固定資産投資と、実質の消費財小売総額は減速基調だ。さらに8月の輸出の増加率(前年同月比)は5カ月ぶりに10%を割り込み、米中衝突の影響が顕在化した。中国を取り巻く環境は、前回のチャイナショック当時よりも厳しい状況だ。

 

 好調な米国経済で利上げが進んでいるため、マネーは中国から米国に流れる環境に変化している。中米両国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)や金融政策の格差を反映した中米金利差(2年物国債利回り)は15年8月の2ポイント前後から、米国の利上げで米金利が上昇したことで18年9月現在では0・2~0・4ポイント程度へと大幅に縮小した。

 

 また、18年1~6月期の中国の経常収支はマイナス283億ドルと、01年12月の世界貿易機関(WTO)加盟以降、初の赤字に転じた。金融当局の規制・市場介入はあくまでも対症療法でしかなく、米中通商問題は長期戦の様相であり、人民元と中国株の下押し圧力は払拭(ふっしょく)し難いと言えよう。

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2018年

10月

02日

アルパインと経営統合でソフト強化 栗山年弘=アルプス電気社長

Interviewer 藤枝克治(本誌編集長)

 

── アルプス電気はどのような製品を作り、どんな機器に搭載されていますか。

 

栗山 もともとは電子部品、スイッチなどを製造していました。1970年代から80年代にかけてテレビやビデオなど日本の家電が広がり、部品メーカーとして成長しました。その後はパソコンやデジタル家電、自動車、スマートフォン(スマホ)のスイッチや人が操作するところに当社の製品が多く使われています。

 

── 2017年度は営業利益が前年度比62%増でした。好業績の原因と今後の見通しは。

 

栗山 スマホの市場が拡大し、併せて高性能化、高付加価値化したことで当社の部品が活躍する機会が増えました。エレクトロニクス技術を使った自動車が増え、関連のビジネスも増えています。この二つの要因で業績が伸びました。スマホの需要は頭打ちでしょうが、中の部品や性能は進化するので、当社の市場はまだ伸びる余地があると思っています。

 

スマホのピント合わせに強み


── スマホ用部品の強みとは。

 

栗山 世界の大手スマホメーカーは月間1000万~2000万台の製品を作り、半年から1年ごとに新モデルを出します。部品メーカーは、このスピードに合わせて製品を進化させる必要があります。また、当社は生産量を需要に応じて一気に引き上げる能力があります。人海戦術ではできません。生産力と技術力が顧客に認められてきました。

 

── スマホカメラのレンズのピント合わせや手ぶれ補正に使われる部品が好調です。

 

栗山 スマホのディスプレーの高画素化が一段落し、カメラの進化が消費者に訴求しました。高画質化、レンズを二つにした「デュアル化」、手ぶれ防止など性能向上が続いたことが、当社の製品がよく売れている背景です。そこに使う部品を「アクチュエーター」と呼んでいます。製造には高度な技術が必要です。

 

── 来年1月に、カーナビなどを手掛けるアルパインと経営統合します。同社はアルプス電気の子会社ですが、あえて経営統合する狙いを教えてください。

 

栗山 アルパインの株式を約41%保有していますが、東証1部上場の同社は、我々以外の株主の利益も考える必要があります。以前から連携、協力してきましたが、お互いに協業するにはその都度、契約を結ぶ必要があります。そのことで経営のスピードが低下します。ともに車載関連の製品を扱っているので、独占禁止法上の制約もあり、別々の営業体制を持つ必要があるなど、非効率でした。技術革新の競争に勝ち残るために統合することにしました。

 

── アルパインに出資している香港の投資ファンドが、統合での株式の交換比率(アルパイン株1株にアルプス株0・68株を割り当て)について、価値を低く評価していると異議を唱えています。交換比率の見直しは考えていませんか。

 

栗山 アルパイン株主とアルプス電気株主との利益相反の問題を回避するため、中立的な外部機関によって企業価値を算定して、交換比率を決めました。比率の見直しは考えていません。

 

自動車の構造変化に危機感


 近年自動車産業では、通信でつながる「C=コネクテッド」、自動運転の「A=オートノマス」、所有せず共有する「S=シェアリング」、電動化の「E=エレクトリック」の各頭文字を組み合わせた、「CASE(ケース)」と呼ばれる変化の波が起きてる。

 

── 車載の電子部品、カーナビなどの市場をどうみていますか。

 

栗山 今話題のCASEに向けて、二つの変化が起きようとしています。一つはクルマにエレクトロニクスが従来にも増して使われること。もう一つはソフトウエアの比重が高まることです。アナログ家電がデジタル家電に移行したような変化です。エレクトロニクスがクルマに多く搭載されることはチャンスですが、米国のIT企業がこの分野に進出し、ソフトの比率が高まることは確実です。日本企業が得意とするものづくりの力、ハードウエアの擦り合わせの技術だけだと勝てないという危機感があります。

 

── アルパインがソフトに強いとは、どのあたりを指しているのですか。

 

栗山 アルパインは、かつてのカーオーディオの世界から、車載向け情報機器へと軸足を移し、エンジニアは8~9割はソフト系です。ただ、基幹部品は持っていないので、単なるシステム、ソフトの技術だけでは米国企業には勝てません。アルプス電気は部品メーカーで、生産技術を含めてものづくりの会社だからソフトは弱く、8割はハードのエンジニアです。両社が統合することで、弱点を補完する狙いがあります。

 

── 統合後の中長期的目標で、売上高を1兆円(18年度予想8790億円)に引き上げ、新規事業創出に1500億円と掲げていますが、達成時期は。

 

栗山 売上高1兆円は6年後の24年度ごろです。新規事業の1500億円はCASE関連の新商品を想定しています。

 

── 米国による中国製品への追加関税の影響は出ていますか。

 

栗山 影響はあります。金額は公表していません。大きくはないですが、小さくもありません。

(構成・浜田健太郎=編集部)

 

横顔


Q 30代の頃はどんなビジネスマンでしたか

 

A ずっとエンジニアでした。バブル崩壊でリストラがあって、辞める上司が結構いました。30代前半で部長になり、ハードディスクドライブの磁気ヘッドを開発。リーマン・ショック前までは花形商品でした。

 

Q 「私を変えた」本は

 

A 本はたくさん読みますが、一つに特定できません。海外ミステリーはよく読みます。

 

Q 休日の過ごし方

 

A 街歩きです。地方の工場勤務が長かったため、東京にはいろいろ発見があります。

====================

 ■人物略歴

くりやま・としひろ
 1957年生まれ。京都大学理学部卒業、80年アルプス電気入社。2004年取締役、11年常務を経て12年6月から現職。栃木県出身。61歳。

====================

事業内容:電子部品の開発、製造、販売

本社所在地:東京都大田区

設立:1948年11月

資本金:387億円

従業員数:4万2289人(2018年3月末、連結)

業績(18年3月期、連結)

売上高:8583億1700万円

営業利益:719億700万円

2018年

10月

02日

目次:2018年10月2日号


CONTENTS

 

10の疑問で解き明かす 中国の闇

20 1 2019年ショックって本当? 米中衝突と構造問題がもたらす ■吉川 健治

23 2 ネット金融は混乱? 規制強化で残高4000億元減る ■梅原 直樹

24 3 「習近平1強」体制は盤石? 経済不安で揺らぎ始めた権威 ■興梠 一郎

26 4 「中国製造2025」は無理? 設備投資減り、ハードルは高い ■関 辰一

28 5 モバイル決済に異変? 規制強化で収益性が低下 ■矢作 大祐

29  テンセント、アリババが減益 ■編集部

30 6 EVブームは終わり? 政策限界で消費者の需要減へ ■野呂 義久

31  日中でEV充電規格の統一へ 電力インフラと合わせて輸出も ■高田 真吾

32 7 家計の借金は破裂寸前? 住宅ローン抱えて消費低下 ■湯浅 健司

34 山東省ルポ 無人マンション、不動産バブル ■高口 康太

35       深センに「メイカー」の街 マンション開発の奇抜コンセプト

36 8 一帯一路の裏の狙いは? ASEANのインフラが奪われる ■酒向 浩二

高まる北京の支配力

38 9 香港の民主化とん挫? 高速鉄道開業で進む“統合” ■倉田 徹

39 10 台湾経済は大丈夫? むしり取られる技術者 ■井上 雄介

 

エコノミスト・リポート

 

76 世界的企業が続々 エストニア発ベンチャー 高い科学の素養と育成土壌が礎 ■大西 勝

40 都市 世界はスマートシティー・ブーム■小尾 敏夫/岩崎 尚子

42 不妊 「不妊治療と仕事」悩む女性 ■松本 亜樹子

103 コンビニ銀行 ローソン銀行の勝算 ■河野 圭祐

 

Flash!

 

15 政府にはしご外された黒田・日銀/アップル・ウオッチは健康・医療用機器へ

17 ひと&こと 前スルガ銀会長も候補 慶応大の「評議員選挙」/「10年間で歳出1兆円削減」の大阪都構想に相次ぐ疑問/ファナックが他社ソフト 自前主義の“方針転換”

 

Interview

 

4 2018年の経営者 栗山年弘 アルプス電気社長

96 挑戦者 2018 上ノ山慎哉 スタークス社長

48 問答有用 西原さつき タレント・メーク塾代表 「この体で生まれた意味を見いだしていきたい」

信託銀行の使い方

80 さまざまな資産の「置き場」 中立・安全・信頼のサービス ■野崎 浩成

82 長期資金提供の役割を終え大手は5グループに再編

83 知らないと損 生前贈与・遺産分割・相続に使い勝手のいい「信託商品」 ■向山 勇

大論争 米国「長短金利逆転」

72 過去3回は景気後退だが要因異なり、類似パターンなし ■小玉 祐一

74 景気後退のサイン 利上げ終了局面へ変化 ■唐鎌 大輔

75 景気後退ではない 投資利ざやは1%を維持 ■剣崎 仁

緊急 私はこう見る サウジアラムコ IPO断念

86 資金源なく改革主導の皇太子に暗雲 ■畑中 美樹

88 サウジはサウド王家の「家」 ■福富 満久

89 アラムコとサウジは運命共同体

46 コレキヨ 小説 高橋是清 (12) ■板谷 敏彦

 

World Watch

 

62 ワシントンDC 学校で強まる銃撃対策 「まるで刑務所」の声も ■中園 明彦

63 中国視窓 自動車の設備投資規制へ 日系企業から批判の声 ■真家 陽一

64 N.Y./カリフォルニア/スウェーデン

65 韓国/インド/マレーシア

66 台湾/アルゼンチン/イラン

67 論壇・論調 米国で「ギグエコノミー」急拡大 本業の低賃金が休みない労働へ ■岩田 太郎

 

Viewpoint

 

3 闘論席 ■小林 よしのり

19 グローバルマネー 緩和縮小に踏み出す日銀に二つの追い風

44 海外企業を買う (207) 小米集団 ■富岡 浩司

52 学者が斬る 視点争点 アマゾン成長支える仲介ビジネス ■渡辺 誠

54 言言語語

68 東奔政走 総裁3選後も変わらないのか 「味方」を優先する首相の政治姿勢 ■平田 崇浩

70 本誌版「社会保障制度審」 (15) 超少子化の背景に四つの複合要因 根強い男女役割分業的な価値観 ■阿藤 誠

79 商社の深層 (123) 商用EVの電池素材「本命」狙う 東芝と双日の負極材はブラジル産 ■編集部

85 ズバリ!地域金融 (4) 三重県を国内有数のごま産地にした三十三FG「地域おこしの玉手箱」 ■浪川 攻

98 独眼経眼 企業は本当に利益を還元していないのか ■星野 卓也

104 アートな時間 映画 [クレイジー・リッチ!]

105        美術 [開館20周年記念 原安三郎コレクション 小原古邨展 花と鳥のエデン]

106 ウォール・ストリート・ジャーナルのニュース英語 “ Caregiving ” ■安井 明彦

 

Market

 

90 向こう2週間の材料/今週のポイント

91 東京市場 ■三宅 一弘/NY市場 ■櫻井 雄二/週間マーケット

92 中国株/ドル・円/銅/長期金利

93 マーケット指標

94 経済データ

 

書評

 

56 『良き社会のための経済学』

  『名古屋円頓寺商店街の奇跡』

58 話題の本/週間ランキング

59 読書日記 ■高部知子

60 歴史書の棚/海外出版事情 アメリカ

55 次号予告/編集後記

 

2018年

9月

30日

本誌連載が書籍に『名門高校100』猪熊建夫氏インタビュー「人となりを知る出身高校 有為な人材は地方が輩出」

 2012年7月から6年。今年8月に301回で完結した『週刊エコノミスト』の人気連載「名門高校の校風と人脈」が『名門高校100』(河出書房新社)として刊行された。全国314校を取材・執筆してきたジャーナリストの猪熊建夫氏に聞いた。

◇いのくま・たてお  1944年、東京生まれ。東京都立大学附属高校(現都立桜修館中等教育学校)、京都大学農学部卒。70年に毎日新聞社に入社し、経済記者の道を歩む。90年に退職後、映像メディア会社役員などを経てフリージャーナリスト。
◇いのくま・たてお  1944年、東京生まれ。東京都立大学附属高校(現都立桜修館中等教育学校)、京都大学農学部卒。70年に毎日新聞社に入社し、経済記者の道を歩む。90年に退職後、映像メディア会社役員などを経てフリージャーナリスト。
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2018年

9月

25日

2018年9月25日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:9月18日

商社 7社の野望 7つの不思議 

不思議1 最高益どう稼いでいる 

資源、機械、生活関連 

7社七様の得意分野

 

 丸紅の株価が8月29日に年初来高値(934円)を付けた。年初来最安値(3月26日=742円)から実に25%の上昇だ。9月に入っても、過去10年間の最高値圏で推移している。

 

 きっかけは、8月上旬に発表された2018年度第1四半期(4~6月)決算だ。連結最終利益は前年同期比61%増の868億円で、四半期利益としては過去最高益だ。米国農資材会社「ヘレナ」の販売が好調だったことや、パルプの市況好転で素材分野が伸長した。今期(19年3月期)は過去最高益の2300億円を見込んでおり、最初の3カ月で4割近くを稼いだことになる。社内でも当初、この数字を見た社員にどよめきが起きたという。

 

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2018年

9月

25日

特集:商社 7社の野望 7つの不思議 2018年9月25日号

不思議1 最高益どう稼いでいる 

資源、機械、生活関連 

7社七様の得意分野

 

丸紅の株価が8月29日に年初来高値(934円)を付けた。年初来最安値(3月26日=742円)から実に25%の上昇だ。9月に入っても、過去10年間の最高値圏で推移している。

 

 きっかけは、8月上旬に発表された2018年度第1四半期(4~6月)決算だ。連結最終利益は前年同期比61%増の868億円で、四半期利益としては過去最高益だ。米国農資材会社「ヘレナ」の販売が好調だったことや、パルプの市況好転で素材分野が伸長した。今期(19年3月期)は過去最高益の2300億円を見込んでおり、最初の3カ月で4割近くを稼いだことになる。社内でも当初、この数字を見た社員にどよめきが起きたという。

 三菱商事も、18年度第1四半期決算は、四半期としては過去最高の2043億円(前年同期比73%増)だった。増額幅は、四半期だけで865億円という驚異的な数字だった。金属、エネルギー、機械(自動車、船舶、産業機械など)の各分野で大幅増益だったのが寄与した。

 

 大手商社5社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)は18年3月期、三井物産を除く4社が過去最高益を更新した。三井物産も過去最高(12年3月期)に迫るレベルだ。上げ潮基調なのは共通だが、収益構造は各社で異なる(16~17ページの図1)。

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2018年

9月

25日

技術力とコスト力を備えた素材づくり 池田哲夫=小松精練社長

Interviewer 藤枝克治(本誌編集長)

 

── 斜陽産業と言われる繊維業界で、業績拡大を続けています。

 

池田 世界の人口が70億人を超えて80億人に迫っているなかで、衣料や寝具など繊維を使う量が世界で拡大するのは間違いありません。繊維は斜陽どころか世界的にみれば成長産業で、どこで戦うかがポイントになります。

 

── どこで戦うのですか。

 

池田 当社が目指しているのは、「どこにでもある材料を、どこにもない材料に変える」ことです。どこにでもある原糸・原綿を使い、どこにもないような魅力的で機能性の高い合成繊維をつくる技術力が特技で、欧州の高級ブランドからも高く評価されています。

── 具体的には。

 

池田 「織り」「編み」は自社で行っていないので、「染め」の繊維の要素技術を組み合わせる力を愚直なまでに磨いてきました。例えば、ダウンジャケットの生地では、髪の毛の10分の1ほどの細さの素材を、密度を保ちながら均一に染めることができます。軽量でファッション性に優れた高品質の素材を欧州の高級ブランド向けと、コスト競争力が求められるファストファッション向けの両方に供給しています。中国メーカーにもまねできないと自負しています。

 

── 中東で男性が身に着ける白色の民族衣装「トーブ」の素材でも評価されているとか。

池田 肌ざわりや丈夫さ、白の質感などに優れた高級トーブの素材の加工や販売をしていて、この分野における日本品では約8割のシェアを持っています。

 

── 同じように見える民族衣装でどのように違いを出すのですか。

 

池田 遠目には、同じ単色の白に見えますが、その内訳は約150種類の白色に細分化され、一つの素材から50~60種類の風合いを出せるのです。沿岸部と山岳部では湿気に大きな違いがあり、湿気の高いところでは締まった風合い、低いところには柔らかい風合いなど、バリエーションをそろえることができるのは当社の他にありません。

 

── 衣料向け以外はどうですか。

 

池田 当社の素材は衣料を起点に、応用分野が広がっています。例えば、世界的に有名なオーディオメーカーが採用しているヘッドホンの耳当てに使う湿式発泡素材は、ウレタンを発泡させて細かい繊維をつくることで、外側から水を通さず、内側の水蒸気のみを通過させることで蒸れを逃がす「透湿防水」を実現しているのが特徴です。自動車の内装や化粧用パフなどにも採用されています。

 

隈研吾氏とコラボ


── 建築資材に使う素材の開発にも力を入れていますね。

 

池田 染色産業の廃棄物を約1000度の高温で焼き、吸水力・保水力に優れた超微多孔性の発泡セラミック基盤「グリーンビズ」を開発し、2009年から展開しています。主に屋上緑化材として、東京・銀座の百貨店などに採用されています。小さな穴に雨水を含むことで、打ち水と同じように路面表面を冷却する効果があります。また、表面吸水能力にも優れているので、都市型のゲリラ豪雨対策にも有効なんですよ。

 

── 建築家の隈研吾氏との協業が話題です。

 

池田 隈氏は高機能で軽量、素朴な質感、リサイクルも可能という開発コンセプトに共感し、米オレゴン州ポートランド市の都市公園ワシントン・パークにある「ポートランド日本庭園」など、隈氏が手掛ける建築物にも採用してくれています。

 

── 炭素繊維を使った耐震補強材も開発していますね。

 

池田 鉄に代わる建材として炭素繊維複合材料「カボコーマ・ストランドロッド」を開発しました。炭素繊維は鉄に比べて軽いのに引っ張り強度が高く、さびません。棒状で長さ約160メートルでも重さは12キロにしかならず、軽いので持ち運びも容易です。同等の強度を持つメタルワイヤーなら約35倍の重量になります。隈氏も将来性に注目しています。

 

10月から新社名に


── もう実用化されていますか。

 

池田 現行の建築基準法では、建造物の柱・梁(はり)・土台部分などに使用する構造材として、炭素繊維を使用することは認められていません。そのため、現在は神社仏閣など伝統文化財の修復や耐震補強で活用されています。例えば、国の重要文化財である「善光寺経蔵」の保存修理工事や、世界遺産に登録されている富岡製糸場のそばにある富岡3号倉庫などです。また、鉄道のホームの転落防止柵としての活用を目指し、JR六甲道駅(神戸市)で現場テストが始まりました。このほど、耐震補強材として国内標準化(JIS化)が決まり、技術的な普及が進むと期待しています。

 

── 10月から社名を変更するそうですね。

 

池田 会社設立から75周年の節目に、社名から繊維加工の工程である「精練」を取り、「小松マテーレ」に変更します。9月27日に臨時株主総会を開き、正式に決める予定です。マテーレは、あらゆる素材を示す「マテリアル」と、繰り返し新しい価値を創造する意味を込めた「Re」を組み合わせた造語です。

 

── 社名に込めた意味は。

 

池田 従来の繊維の範囲にとらわれず、新しい素材など多様性のある会社に生まれ変わるという決意表明です。海外事業もこれまで以上に強化し、近い将来、売上高の半分は海外で稼ぐようにしたいと思っています。

 

(構成=小島清利・編集部)

 

横顔


Q 30代の頃はどんなビジネスマンでしたか

 

A 営業でしたが、仕事が面白くなり、上司に言われるまでもなく、没頭していました。

 

Q 「私を変えた」本は

 

A 水道の水のように良質な商品を誰もが買える価格で提供する、「水道哲学」を唱えたパナソニック創業者の松下幸之助さんが好きです。成人する社員には、松下さんの著書『道をひらく』を贈っています。

 

Q 休日の過ごし方

 

A 休日の一日はゴルフを楽しみ、もう一日は愛犬と戯れます。

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 ■人物略歴

いけだ・てつお
 1959年生まれ。石川県立寺井高校、京都産業大学経済学部卒。81年小松精練入社、上席執行役員営業本部長補佐、取締役常務執行役員営業本部長などを経て、2011年1月から現職。石川県出身。59歳。

====================

事業内容:衣料、資材向け繊維製品や建築資材製造

本社所在地:石川県能美市

設立:1943年

資本金:46億8042万円(2018年3月31日)

従業員数:1293人(18年3月31日現在)

業績(18年3月期、連結)

売上高:386億7900万円

営業利益:21億5100万円

2018年

9月

25日

目次:2018年9月25日号


CONTENTS

 

商社 7社の野望 7つの不思議

16 第1部 商社7不思議

16 不思議(1)最高益どう稼いでいる 大手7社の得意分野 ■種市 房子

19    (2)“格上げ”相次ぐ 財務規律の姿勢鮮明に ■種市 房子

20    (3)資源権益マップ LNG、鉄鉱石、石炭 ■浜田 健太郎

22    (4)株価が上がらない 市場の成長期待は低く ■種市 房子

24    (5)積み上がる「現金」 収入増でも絞る投資 ■成田 康浩

26    (6)遅れる「組織改革」 変わる現場に経験値低下 ■五十嵐 雅之

28    (7)メーカーに近付いている 設備投資伴う電機事業も ■編集部

30 見た!聞いた!知っている! 商社のウラ匿名証言集2018

64 第2部 財務・投資案件&これからの注目事業 ■聞き手・構成=種市房子/浜田健太郎

66 三菱商事 洋上風力発電 「欧州で蓄積した開発経験」

68 三井物産 「食」と「農」 「養鶏用飼料の設備を増強」

70 伊藤忠商事 ベンチャー投資 「次世代ビジネスを次々創造」

72 住友商事 自動車サービス 「“フェロモン”放つ事業基盤」

74 丸紅 輸送機器 「空港の地上業務委託好調」

76 豊田通商 エレクトロニクス 「トラック隊列走行に注力」

78 双日 空港運営 「パラオに続き宮古島で」

 

Interview

 

4 2018年の経営者 池田哲夫 小松精練社長

92 挑戦者 2018 平山幸介 イベントレジスト社長

44 問答有用 高田明 V・ファーレン長崎社長 「平和の発信。それがミッションです」

エコノミスト・リポート

83 低迷続く仮想通貨 70兆円が規制強化で吹き飛ぶ 消えない一獲千金の野望 ■高城 泰

38 コレキヨ 小説 高橋是清 (11) ■板谷 敏彦

32 株式 データが示す「米国独り勝ち」の期限 ■渡辺 浩志

34 携帯 「値下げ」迫る菅長官の周到なタイミング ■吉田 泰三

35    真の狙いはアップル対策

80 的中 よみがえるラビ・バトラの予測 ■市岡 繁男

 

Flash!

 

11 北電の原発優先が招いた北海道大停電/関空の台風被害は人災

13 ひと&こと 茂木外相観測で不協和音/復興庁の「防災省」格上げに疑問

World Watch

58 ワシントンDC 対米投資審査の強化で日本企業も安心できず ■川上 直

59 中国視窓 アフリカ支援で権威誇示 ■金子 秀敏

60 N.Y./カリフォルニア/英国

61 韓国/インド/インドネシア

62 台湾/ロシア/ケニア

63 論壇・論調 中国を欧米が「新植民地主義」と批判 ■坂東 賢治

 

Viewpoint

 

3 闘論席 ■片山 杜秀

15 グローバルマネー パウエル議長のしたたかな「口先」金利誘導

36 東奔政走 安倍「圧勝」か石破「善戦」か ■前田 浩智

40 海外企業を買う(206) アリアンツ ■小田切 尚登

42 本誌版「社会保障制度審」(14) 出生率低下の8割は初婚行動に起因 ■阿藤 誠

48 学者が斬る 視点争点 「社会的比較」で省エネ継続 ■溝渕 健一

50 言言語語

94 独眼経眼 IT関連財の在庫増に歯止めかからず ■斎藤 太郎

96 アートな時間 映画 [愛しのアイリーン]

97        舞台 [ライオンのあとで]

98 ウォール・ストリート・ジャーナルのニュース英語 “ Trump Divide ” ■安井 明彦

 

Market

 

86 向こう2週間の材料/今週のポイント

87 東京市場 ■藤戸 則弘/NY市場 ■佐々木 大樹/週間マーケット

88 欧州株/為替/原油/長期金利

89 マーケット指標

90 経済データ

 

書評

 

52 『アメリカ経済』

  『嘘に支配される日本』

54 話題の本/週間ランキング

55 読書日記 ■荻上チキ

56 歴史書の棚/出版業界事情

51 次号予告/編集後記

 

2018年

9月

18日

2018年9月18日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:9月10日

EV&つながる車 

<EV&つながる車で勝つ100社>

 

メガトレンドに乗れ 

日本の部品に勝機

 

 「自動運転タクシー」が8月下旬、初めて東京都心部を走った。区間は大手町と六本木を結ぶ5・3キロ。実際に客を乗せた公道での走行実験としては世界初。タクシー大手の日の丸交通と自動運転技術開発のZMP(東京都文京区)がタッグを組んだ。

 

「無人タクシー」が視界に


 本誌編集部も同30日、六本木─大手町区間を試乗した。実験段階のため安全を考え運転席にプロのタクシードライバーが座るが、基本的に客の乗車から発進・走行・停止まですべて自動で行う。六本木ヒルズの車寄せを出発した自動運転タクシーは、まず六本木通りに入った。片側3車線で交通量も多く運転初心者には比較的難しい道。だが、タクシーは交差点も信号に従ってスムーズに抜けた。

 

 皇居の内堀沿いの日比谷通りに入ると、あらかじめ東京駅方向への右折を見越し左から右へ徐々に車線変更。ここまで、運転席の人間は渋滞時に安全優先のためマニュアル操作でブレーキを1回踏んだだけ。クルマに運転を委ねる「レベル4」に大きく近づいていた。

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2018年

9月

18日

特集:EV&つながる車 メガトレンドに乗れ 日本の部品に勝機 2018年9月18日号

 

 「自動運転タクシー」が8月下旬、初めて東京都心部を走った。区間は大手町と六本木を結ぶ5・3キロ。実際に客を乗せた公道での走行実験としては世界初。タクシー大手の日の丸交通と自動運転技術開発のZMP(東京都文京区)がタッグを組んだ。

 

 

 

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2018年

9月

18日

自動車用液晶に活路、黒字は必達 月崎義幸=ジャパンディスプレイ(JDI)社長 

Interviewer 藤枝克治(本誌編集長)

 

── 2017年度業績は営業損益が617億円、最終損益が2472億円のそれぞれ赤字でした。JDIは中小型液晶ディスプレーで世界シェア首位です。世界一であれば普通は利益が出るはずですが、赤字の原因はどこにあるのでしょうか。

 

 

月崎 一言でいうと設備投資が重すぎたということです。生産設備が過剰だったことは否定できません。

 

── 売上高の約8割はスマートフォン(スマホ)向けです。過剰設備に陥ったのはスマホの需要見込みを間違えたためですか。

 

月崎 モバイル(スマホ)用液晶は、需要の変動が非常に大きい商材です。需要が急増すると、顧客から、「とにかく出荷してほしい」と、当社のオフィスで座り込みされるような光景さえ目にします。従ってピーク需要にも応えられる生産能力を持つ必要があるのですが、冷え込むと設備過剰になってしまいます。そこが昨年度まで苦しいところでした。

 

 

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2018年

9月

18日

目次:2018年9月18日号


CONTENTS

 

EV&つながる車で勝つ100社

18 メガトレンドに乗れ 日本の部品に勝機 ■大堀 達也

22 クルマのサービス化 「モービルアイ」に続け 台頭するイスラエル企業 ■遠藤 功治

24 「レアメタル不足」の真実 “EVシフトの壁”という誤解 ■阿部 暢仁

日系サプライヤーに勝機 EV・自動運転のキーデバイスを供給

26 インタビュー SONY 春田勉 ソニーセミコンダクタソリューションズ・車載事業部副事業部長 「自動運転に適した画像センサーを供給」

27        TDK 橋山秀一 TDK電子部品営業本部自動車グループ統括部長 「EV・コネクテッド見据え信頼性高める」

活況!車載市場

28 組み込みソフト 「プログラム1億行」でデータ・IT企業に追い風 ■服部 誠

30 電池素材 “テスラ・ショック”から回復、堅調な日本企業 ■澤砥 正美

32 半導体 電動化対応で新素材の開発加速 ■阿部 哲太郎

34 センサー 部品から“サービス”に移る力点 ■貝瀬 斉

36 車体材料(構造材・内装材) 化学企業が“川中”展開、ノウハウ提供も ■澤砥 正美

38 中核部材・技術 モーター、コンデンサーの需要拡大 ■和島 英樹

39 クルマを高性能化する「全固体電池」 業界入り乱れ、開発競争が加速 ■和島 英樹

40 中国のEV革命に変化 燃費規制で新エネ車の生産促す ハイブリッド車にも追い風 ■湯 進

66 コレキヨ 小説 高橋是清 (10) ■板谷 敏彦

 

Flash!

 

13 アルゼンチン利上げ、通貨安に歯止めかからず/自動車減税論議、消費税対策で業界期待

15 ひと&こと アサヒビール、32年ぶりの役員外部登用/金融庁の次期長官 ダークホースに佐々木氏

 

Interview

 

4 2018年の経営者 月崎義幸 ジャパンディスプレイ(JDI)社長

94 挑戦者 2018 和田幸子 タスカジ社長

46 問答有用 中村哲 医師 「医師は仮の姿。飢えや渇きは薬では治せない」

総括! 安倍政治の功罪

82 実は西側で最初に誕生した“右翼政権” 禁じ手使った「牛になりたい蛙」の愚 ■倉重 篤郎

84 外交 官邸主導は良識と節度も必要 ■河東 哲夫

85 「やってる感」が重要な時代精神を体現している ■白井 聡

86 エネルギー政策 原発から撤退し再生エネを積極推進せよ ■河合 弘之

87 沖縄問題 犠牲を固定化する新基地建設 ■屋良 朝博

エコノミスト・リポート

74 スマホじり貧のクアルコム NXP大型買収は断念も黒字のうちに多角化挑む ■津田 建二

42 欧州 独メルケル政権を揺さぶる「内相の乱」 ■森井 裕一

72 銀行 ふくおかFG・十八銀、2年遅れで統合へ ■山本 大輔

97 不祥事 オリンパスに34億円賠償命令 「簿外覚書」の真正性 ■編集部

 

World Watch

 

60 ワシントンDC 銃規制、活動の火消えず 夏休み利用し高校生が訴え ■井上 祐介

61 中国視窓 新疆で急成長の繊維産業 一帯一路で欧州企業が注目 ■岩下 祐一

62 N.Y./カリフォルニア/イタリア

63 オーストラリア/インド/ミャンマー

64 広州/ブラジル/イラク

65 論壇・論調 独で高技能移民増やす法案 深刻な人手不足の解消なるか ■熊谷 徹

 

Viewpoint

 

3 闘論席 ■池谷 裕二

17 グローバルマネー 現代版ココムへと変貌する対中貿易戦争

44 本誌版「社会保障制度審」(13) 少子化克服へ「5本柱」を総合展開 在宅支援含めた「家族政策」へ転換を ■増田 雅暢

50 学者が斬る 視点争点 保育の「完全な」無償化なお遠く ■佐藤 一光

52 言言語語

68 東奔政走 安倍氏「勝敗ライン」は党員票の7割か 依然、注目される小泉進次郎氏の動向 ■佐藤 千矢子

70 海外企業を買う(205) コカ・コーラ ■児玉 万里子

77 図解で見る 電子デバイスの今(19) 5Gに向けて進化するプリント配線板 20年に1兆8000億円市場に ■津村 明宏

80 ズバリ!地域金融(3) 常陽銀行の「ものづくり支援」 強みを1行に集約しデータ蓄積 ■浪川 攻

81 商社の深層(122) インドネシアの植林に若手を投入 丸紅のムシパルプに再生の兆し ■編集部

96 独眼経眼 財政拡張が米国景気を押し上げる ■足立 正道

100 アートな時間 映画 [1987、ある闘いの真実]

101        クラシック [フレッシュ・アーティスツ from ヨコスカ 千葉百香ピアノ・リサイタル]

102 ウォール・ストリート・ジャーナルのニュース英語 “ Government shutdown ” ■安井 明彦

 

Market

 

88 向こう2週間の材料/今週のポイント

89 東京市場 ■三井 郁男/NY市場 ■平 秀昭/週間マーケット

90 ブラジル株/為替/穀物/長期金利

91 マーケット指標

92 経済データ

 

書評

 

54 『検証 アベノミクス「新三本の矢」』 『日本型資本主義』

56 話題の本/週間ランキング

57 読書日記 ■楊 逸

58 歴史書の棚/海外出版事情 中国

53 次号予告/編集後記

 

2018年

9月

11日

2018年9月11日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:9月3日

 

会社を買う 売る 継ぐ

 

サラリーマンが買って継ぐ

「大廃業時代」の救世主

 

三戸政和(日本創生投資代表取締役)

 

 今、日本中の多くの中小企業が、廃業の危機に瀕している。およそ400万社の中小企業のうち、3分の2で後継者が決まっておらず、社長の年齢がそろそろ引退も考えるべき60歳以上の企業に限定しても、半数が後継者不在だ。東京商工リサーチの試算では、127万社が廃業予備軍であるという。

 

 親族に後継ぎがおらず、社内にも社長を引き継げるような人がいない場合、選択肢は二つ。一つは、廃業。もう一つは、誰かに会社を売ること。その2択のどちらがいいかという問いに、どちらも可能であるならば、大多数の社長が後者を選ぶだろう。続きを読む

 


2018年

9月

11日

特集:会社を買う売る継ぐ 2018年9月11日号

サラリーマンが買って継ぐ

「大廃業時代」の救世主

 

三戸政和(日本創生投資代表取締役)

 

 今日本中の多くの中小企業が、廃業の危機に瀕(ひん)している。およそ400万社の中小企業のうち、3分の2で後継者が決まっておらず、社長の年齢がそろそろ引退も考えるべき60歳以上の企業に限定しても、半数が後継者不在だ。東京商工リサーチの試算では、127万社が廃業予備軍であるという。

 

 親族に後継ぎがおらず、社内にも社長を引き継げるような人がいない場合、選択肢は二つ。一つは、廃業。もう一つは、誰かに会社を売ること。その2択のどちらがいいかという問いに、どちらも可能であるならば、大多数の社長が後者を選ぶだろう。

 

 

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9月

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メガネを超えたメガネを作る 田中仁=ジンズCEO

Interviewer 藤枝克治(本誌編集長)

 

── メガネ市場の現状と成長戦略を教えてください。

 

田中 メガネ市場は毎年約4000億円規模で推移しており、年間約1700万本が売れている計算です。当社はコンタクトレンズなどを除くメガネの売上本数だけでみると、トップクラスです。今後は、機能性メガネの開発や普及を加速させる一方で、まだ伸びしろのあるロードサイドにも販売網を広げていきます

 

子ども用需要拡大


── 機能性メガネを強化する狙いは。

 

田中 メガネがファッション性を備えていることは当たり前で、手にとってもらった人に価値を与える特徴のある商品を提供することが重要です。エアフレーム(軽量メガネ)やブルーライトカットメガネなど、新しい発想の商品を開発してきたことがジンズの成長の原動力です。

── ブルーライトカットのメガネはどのメーカーも出していますね。

 

田中 目に影響が懸念されるブルーライトをカットする「JINS SCREEN」(ジンズ・スクリーン)は2011年に発売しました。最初に世に出したのは当社ですが、いまでは多くのメーカーが同じ機能のメガネを出しています。パソコンやスマートフォン、テレビなどから発せられるブルーライトは、紫外線と波長が近く、可視光線の中で非常にエネルギーが高く、網膜に到達するほどです。現代人は、ブルーライトと向き合う時間が着実に増えていて、特に子どもたちへの影響は深刻です。

 

── 子ども用の「JINS SCREEN」は売れていますか。

 

田中 ブルーライトから子どもの目を保護することへの社会的関心は高まっています。大人用はもちろん、子ども用の需要も拡大しています。

 

── ブルーライトの次にくる機能性メガネは。

 

田中 「JINS VIOLET+」(ジンズ・バイオレットプラス)の普及に力を入れています。目に必要と言われている波長360~400ナノ(ナノは10億分の1)メートルの紫光を選択的に透過しながら、目に有害な紫外線やブルーライトを遮断する独自設計が特徴です。最初は、成長期の子ども向けに販売していましたが、より幅広い層のニーズに応えたい。

 

集中力を高める


── 「JINS MEME」(ジンズ・ミーム)も話題です。

 

田中 独自に開発した3点式眼電位センサーと6軸センサーから得られる目や体の動きの情報をもとに、「ココロ」と「カラダ」の状態や、そのバランスを推定します。東北大学加齢医学研究所長の川島隆太教授の監修に基づき開発されたアプリを使い、集中力や落ち着きといった人の心理現象・生理状態がわかります。また、体軸の安定性を把握し、歩き方の正しさや姿勢も判定します。

 

── 個人の健康データを分析するわけですね。

 

田中 「アタマ年齢」「カラダ年齢」と呼んでいますが、これらの年齢は日々のストレスを受けて時々刻々と変化します。変化を観察することで要因を分析し、改善に向けたさまざまなアドバイスを提供します。

 

── 単なるメガネの枠を超えた。

 

田中 テクノロジーや医学の進歩を展望すると、この先、近視を矯正するためだけのメガネは必要なくなるかもしれません。将来にわたって必要とされる会社になるには、新しい収益モデルを作らなければなりません。極端に言うと、メガネを無料で配ってしまい、そこをプラットフォームにさまざまなサービスを提供する、というのもあり得ます。

 

── 例えば、どのようなサービスですか。

 

田中 具体的にはこれからですが、メガネをかけることで未病を発見したり、精神的な不調の予兆をキャッチしたりなど、健康に関するメリットや気づきを与えるサービスが提供できれば面白いですね。

 

ワークスペース展開


── 会員制ワークスペースも開設しました。

 

田中 イノベーションにはコミュニケーションによりアイデアを集める「知の探索」と、ものごとを深く追究する「知の深化」の両方が必要です。当社は、世界一集中できる場所を目指し、本社オフィスの階下に「Think Lab(シンク・ラボ)」を作りました。実際、社員がオフィスとワークスペースで、どちらが集中できているかをジンズ・ミームで測定すると、ラボでの集中力が大きく上回っていました。

 

── 本格的なビジネス展開もありますか。

 

田中 直感ですが、大きく発展するビジネスの可能性を秘めています。誰もが、いつでもどこでも、好きな時間に仕事ができる場所があれば、通勤時間や多すぎる会議などさまざまな労働課題を解決できるはず。子育て中の主婦や高齢者など、働き手も増え、所得も上がります。考え方に賛同してくれる企業も多く、面白くなりそうです。

 

── 本業のメガネ店は、海外進出に積極的です。

 

田中 中国、台湾、北米に進出していますが、4月にフィリピン・マニラのショッピングモールにも出店しました。アジアは経済成長率が高く、質の高い店舗スタッフの確保も可能で、日本と同じビジネスモデルが通用する手ごたえがあります。今後もアジアを中心に海外店舗網を広げたい。

 

(構成=小島清利・編集部)

 

横顔


Q 30代の頃はどんなビジネスマンでしたか

 

A 独立し、雑貨店が成功し始めていましたが、次の成長を目指し、30代後半でメガネ店を始めました。

 

Q 「私を変えた」本は

 

A 山岡鉄舟の『剣禅話』は剣の極意についての書ですが、商売の極意も同じように「心の持ちよう」が大切だと思います。

 

Q 休日の過ごし方

 

A 故郷の前橋市の街おこしやスタートアップ企業の支援に取り組んでいます。私財と時間を惜しみなくつぎ込んでいます。

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 ■人物略歴

たなか・ひとし
 1963年生まれ。群馬県前橋市出身。慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。88年、ジェイアイエヌ(現:ジンズ)を設立。2001年、アイウエア事業「JINS」(ジンズ)を開始。06年大証ヘラクレス(現ジャスダック)、13年東証1部に上場。17年4月ジンズへ社名変更。

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事業内容:企画から販売までを一貫して行うSPA方式のアイウエア(メガネ)事業

本社所在地:東京都千代田区

設立:1988年7月

資本金:32億247万5000円

従業員数:3749人(2017年8月31日現在)

業績(17年8月期、連結)

売上高:504億5100万円

営業利益:54億200万円

2018年

9月

11日

目次:2018年9月11日号


CONTENTS

 

会社を買う売る継ぐ

20 サラリーマンが買って継ぐ「大廃業時代」の救世主 ■三戸 政和

23 事例 350万円で買ったレストラン ■黒崎 亜弓

25 小さい会社はネットで探す ■黒崎 亜弓

27 スモールM&A 個人商店から会社組織に磨く オリックスの「買い方」を学ぶ ■黒崎 亜弓

28 永続のための変身 ベンチャー型事業承継のススメ ■黒崎 亜弓

29 10年間は相続・贈与税ゼロ! 事業承継の税制Q&A ■柿沼 慶一

30 納税猶予を機にキャッシュフローを可視化 ■仙石 実

32 後継者不在に経営難 中小企業の「倒産・廃業予備軍」 ■箕輪 陽介

33 遅々として進まない 「脱・経営者保証」 ■武下 毅

34 負の相続 継がない子にも債務が降りかかる ■椎葉 基史

エコノミスト・リポート

77 英国は5700億円市場 音楽+観光の「ミュージックツーリズム」 日本の温泉地も2000人を集客 ■八木 良太

15 追悼 石弘光・一橋大学名誉教授、元政府税調会長

16 インタビュー 中曽宏・前日銀副総裁/大和総研理事長 「驚くほど日本の危機に似ていた」

 

Interview

 

4 2018年の経営者 田中仁 ジンズCEO

96 挑戦者 2018 松波登 日本エレクトライク会長

48 問答有用 高見のっぽ 俳優・作家 「ノッポさんは、私であって私ではなかった」

快走!自転車ツ~リズム

84 ブルーラインで道しるべ 観光客呼び込む仕掛け ■宮内 忍

85 国が目指す「20年度に40ルート」

87 サイクリングツアーを楽しもう サイクリングホリデー東京/SATOYAMA EXPERIENCE ■下桐 実雅子

88 国内外企業が続々参入 利用者目線で一体管理を ■内海 潤

89 交通手段の中での自転車 国は位置づけを明確に ■古倉 宗治

46 コレキヨ 小説 高橋是清 (9) ■板谷 敏彦

70 第58回エコノミスト賞受賞記念論文 「労働力調査」の新指標が示す 日本の労働供給余力はわずか ■神林 龍

80 会計実践レッスン 現金裏付けなき利益山盛り ダイエット必須の「ライザップ」 ■細野 祐二

83 ライザップへの質問と回答 「負ののれんは、適正価格での買収を徹底しているため」

36 英国 現実味増す英国の「合意なき」EU離脱 ■舟引 勇

39 GAFAの次 WeWork上陸の衝撃 ■佐久間 誠

74 EU 規制は抑制的か強化か フィンテック対応 ■金子 寿太郎

103 インタビュー 坂井辰史・みずほフィナンシャルグループ社長  「キャッシュレス推進を牽引 変化を起こす組織に変える」

 

World Watch

 

62 ワシントンDC 過酷な自然の南西部 開拓魂は現代の共和議員に ■高井 裕之

63 中国視窓 経済に先行き不透明感 景気下支え重視に転換 ■神宮 健

64 N.Y./カリフォルニア/スウェーデン

65 韓国/インド/フィリピン

66 台湾/ロシア/ガーナ

67 論壇・論調 EU、英の離脱方針に譲歩せず メイ首相の弱腰外交に批判も ■増谷 栄一

 

Viewpoint

 

3 闘論席 ■古賀 茂明

19 グローバルマネー 内向きのFRBが世界最大の不安定要因

42 本誌版「社会保障制度審」(12) 2006年の35年ぶり出生率反転 妊娠・出産時の費用負担軽減が奏功 ■増田 雅暢

44 海外企業を買う(204) パロアルトネットワークス  ■岩田 太郎

52 学者が斬る 視点争点 奨学金の延滞防ぐ仕組みづくり必要 ■平田 英明

54 言言語語

68 東奔政走 「現職 vs 挑戦者」は怨念の構図 論戦提起力問われる自民党総裁選 ■人羅 格

98 独眼経眼 トランプは貿易戦争から拡張財政へ ■渡辺 浩志

104 アートな時間 映画 [泣き虫しょったんの奇跡]

105        舞台 [秀山祭九月大歌舞伎]

106 ウォール・ストリート・ジャーナルのニュース英語 “ Lack of skills ” ■安井 明彦

 

[休載]Flash!、ひと&こと

 

Market

 

90 向こう2週間の材料/今週のポイント

91 東京市場 ■三宅 一弘/NY市場 ■堀古 英司/週間マーケット

92 中国株/為替/白金/長期金利

93 マーケット指標

94 経済データ

 

書評

 

56 『経済学者たちの日米開戦』 『脱ポピュリズム国家』

58 話題の本/週間ランキング

59 読書日記 ■ブレイディみかこ

60 歴史書の棚/出版業界事情

55 次号予告/編集後記

 

2018年

9月

11日

追悼 反骨の学者、石弘光さん 増税による財政再建唱え続けた

 

 政府税制調査会(政府税調)会長、一橋大学長を歴任した石弘光さんが8月25日、膵臓(すいぞう)がんのため死去した。81歳だった。

 

 財政学の専門家として、2000年から06年まで政府税調会長を務めるなど日本の財政改革に関わった。バブル崩壊を経て財政赤字が悪化する中、歳出削減による「増税なき財政再建」を批判し、財政再建のためには増税が不可避と説いた。

 

 05年には政府税調会長として所得税の給与所得控除、配偶者控除などの廃止や縮小を提言。「給与所得者、サラリーマンに頑張ってもらうしかない」という石さんの発言が「サラリーマン増税」と世論の猛反発を買い、政治問題化したが、自説を曲げることはなかった。

 

 税調に財務省主税局総務課長として関わった古谷一之・内閣官房副長官補は「石先生が首尾一貫して財政再建を主張する姿は、我々の精神的支柱だった」と故人を偲ぶ。

 

 また、石会長時代に、政府税調のメンバーだった奥野正寛・東京大学名誉教授は「財政再建に伴う所得税改革の議論では張り詰めた雰囲気もあったが、爽やかで朗らかな石さんの人柄にずいぶん助けられた」と振り返る。

 

 06年、第1次安倍政権は石会長再任を推す財務省の人事案を却下。後任に法人税減税による経済成長を優先した本間正明・大阪大学教授(当時)を据えた。専門家が中期的な税制のあり方について議論を戦わせる場として機能してきた政府税調はこの後、政権に物申す機関としての存在感が薄まり、変節を遂げることになる。

 

門下生に親しまれた

 

 石さんは12年11月、本誌に寄稿した論文で、日本が財政再建に成功しない最大の理由は「増税をはじめ国民に嫌がられる政策手段を、歴代の内閣が責任を持って実行しようとしないから」と政治家を鋭く批判。

 

 また「増税を拒みそれを継続できるとする環境に、政治家も国民もすっかり慣れ親しんでしまった」と国民にも財政再建への覚悟を迫った。財政再建を先送りすることの将来世代への負担付け回しを案じた。

 

 学生に対しても厳しい半面、温かい指導で接した。一橋大の石ゼミは蓼沼宏一・一橋大学長、油井雄二・成城学園学園長はじめ多くの研究者を輩出した。佐藤主光・一橋大国際・公共政策大学院教授は「時間や締め切りには厳しかったが、研究のテーマや進め方では学生の主体性を尊重してくれた」と懐かしむ。

 

 産業界で活躍する門下生も多い。「極めて率直で、怒るときには怒る。でも真心がこもった温かい厳しさで、石先生のゼミでよかったと振り返る人が多い」(松井道夫・松井証券社長)、「『ただ乗りはダメ、受益者負担』『ゼミの勉強を言い訳にクラブをさぼるな』との教えが心に残っている」(河田正也・日清紡ホールディングス社長)。OB会を通じて卒業生と親交を続けた。

 

 研究者として初めて出版した『財政構造の安定効果』(1976年)で第17回エコノミスト賞を受賞。後に07年度から09年度まで同賞選考委員長を務めた。

 

 選考委員でプライベートでも親交があった井堀利宏・政策研究大学院大学特別教授は00年代前半、政府税調の視察で一緒に欧州を訪問した際、集合時間に遅れた財務省の職員に石さんが「『集合時間の10分前には来ているもんだ』と、懇々と説教する姿が忘れられない」と話す。

 

 八百屋で買い物したとき、「お客さん、消費税分まけとくよ」と言われ、「いや俺は払う」と断ったという石さん。

 

 16年に末期がんを公表した後も、べらんめえ調の江戸っ子気質は変わらず、政権批判をためらわなかった。

(編集部)

2018年

9月

04日

第76回 福島後の未来をつくる:日本のプルトニウム処分に必要な国際協力と核燃料サイクル見直し=鈴木達治郎

すずき・たつじろう
 1951年大阪府生まれ。米マサチューセッツ工科大学(MIT)修士課程修了。東京大学工学博士。MITエネルギー環境政策研究センターなどを経て、2010~14年に政府原子力委員会委員長代理。14年長崎大学教授。15年から現職。

 

 政府は7月3日、「エネルギー基本計画」を4年ぶりに改定し閣議決定、その中で初めて「プルトニウム保有量の削減に取り組む」ことを明記した。そして、7月31日、原子力委員会は15年ぶりに「プルトニウム利用の基本的考え方」を改正し、「プルトニウム保有量を減少させる」と明記した。これにはいったいどういう背景があるのか。そしてその根本的問題はいったいどこにあるのか。

 

 プルトニウム問題の本質は、グローバルな国際安全保障問題として捉える必要があり、エネルギー政策としても「負の遺産」として捉えるべきだ。プルトニウム問題の解決策を安全保障、並びにエネルギー政策の視点で検討してみる。

 

増え続ける「負の遺産」


 2016年末現在、世界に存在する分離プルトニウムの在庫量は、推定518・6トン(図)。これを長崎型原爆(1発当たり6キロ)に換算すると、8万6440発分にも相当する。問題は、それが今も増加していることだ。さらにその6割近い約290トンが平和利用の原発から回収されたプルトニウムである点だ。これは核燃料サイクル(使用済み燃料に含まれるプルトニウムを再処理して回収し、再利用する)政策がもたらした結果の、いわば「負の遺産」である。その中で、日本のみが非核保有国で大量のプルトニウム、実に47トンを所有している事実は重い。

 

 そもそも、なぜプルトニウムがこれほどたまってしまったのか。それには、日本の原子力政策の骨幹ともいえる「核燃料サイクル」推進の理由とその破綻を理解する必要がある。核燃料サイクルを推進する理由には大きく三つ挙げられていた。

 

 第一に「エネルギー安全保障」。開発当初の1960~70年代、ウラン資源は希少資源と見られていた。

 しかし、その後、ウランは豊富にあることが分かり、当初は20~30年程度であった可採年数(確認埋蔵量÷年間需要量)は100年以上に延びている。さらに、もともと原子力発電は化石燃料とは異なり大量(数年分)の燃料備蓄が経済的にも可能であるから、ウラン燃料危機に強いことが売り物であったはずで、プルトニウムは必要がないといえる。

 

 プルトニウムが「国産エネルギー」であるという主張も根拠が薄い。プルトニウムは石油にもまして国際政治・安全保障にかかわる機微な物質であり、がんじがらめの国際規制がかかっている。だからこそ、米国から再処理について「包括的同意」(あらかじめ定めた条件内の再処理なら一括で承認すること)を保証され、今年7月17日に発効から30年を迎えて自動延長された「日米原子力協定」が日本にとって重要なのだ。

 

 第二は「経済性」。これも問題外だ。政府は80年代後半にはすでに核燃料サイクルより使用済み燃料を「直接処分」するほうが経済的であることを知っていたようだ。しかし、そういったデータは90年代後半まで公開されることはなく、ようやく05年の原子力委員会の「原子力政策大綱」により明らかになった。福島原発事故以降に行われた12年の原子力委員会の評価では、「全量再処理」は「直接処分」(使用済み核燃料の全量を地中に埋設するなどして隔離すること)の約2倍のコストになると推定され、もはやプルトニウムは「負の経済価値」をもつ「負債」であることが確実となったのである。

 

 第三は「使用済み燃料(放射性廃棄物)の減容・毒性低減」である。

 

 使用済み燃料に比べ、再処理後の廃棄物は「減容」(体積が小さくなること)され「毒性低減」の効果があるので、再処理が望ましい、との主張がある。これに対し、岡芳明原子力委員会委員長は、最近のメールマガジンで、この説を真っ向から否定し、「有害度低減が可能であるとの誤解が広がるのは、そう主張する原子炉の専門家が地層処分の安全評価をよく知らないためではないか」と述べている。

 

 したがって、核燃料サイクルを現時点で進める合理性は極めて薄い。しかし、ここ数年で、再処理活動は大きな分岐点を迎える。日本の六ケ所再処理施設(青森県、プルトニウムを年間8トン生産可能)が21年に稼働を始める計画であり、中国も同規模の商業用再処理計画の建設計画を発表している。

 

 韓国も再処理に関心を示しており、アジアではプルトニウム生産量が大幅に増える可能性が出てきたのである。一方で、英国は間もなく再処理から撤退する方向であり、再処理にかかわる重要な意思決定がここ数年でなされることになる。

 

 7月31日の原子力委員会の決定は、「プルトニウム保有量を減少させる」と明言したものの、その措置として、政府として強制力を持つのは、「再処理等拠出金法」に基づいて、政府の認可事業である再処理のペースを抑制することと、研究開発のプルトニウムについて「処分」を検討する、としたことだけである。それ以外は、ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を既存の原発で燃焼させる電力会社のプルサーマル事業の進展に依存している。また使用済み核燃料の「全量再処理」政策も維持する前提であるため、本当にプルトニウム保有量が減少するかどうかは、定かではない。

 

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2018年

9月

04日

2018年9月4日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:8月27日

 

大図解・世界経済&マーケット

世界経済の賞味期限 

景気後退まで残り2年

 

2009年に始まった米国の景気拡大は、19年6月に戦後最長の120カ月に並ぶ。しかし、米国の景気拡大は終盤戦であり、市場関係者の関心は相場が転換する時期へと移り始めている。世界経済を牽引(けんいん)する米国の景気後退入りは、すなわち世界経済の大きな転換を意味し、市場の混乱に直結するからだ。

 

 米国の景気後退局面入りを知るための有力な事前サインが二つある。「米国の長短金利の逆転現象」と「ISM製造業景況指数の50割れ」だ。

 

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2018年

9月

04日

特集:大図解・世界経済&マーケット 2018年9月4日号

世界経済の賞味期限

米長短金利差の事前サイン 

景気後退まで残り2年


 2009年に始まった米国の景気拡大は、19年6月に戦後最長の120カ月に並ぶ。しかし、米国の景気拡大は終盤戦であり、市場関係者の関心は相場が転換する時期へと移り始めている。世界経済を牽引(けんいん)する米国の景気後退入りは、すなわち世界経済の大きな転換を意味し、市場の混乱に直結するからだ。

 

米国の景気後退局面入りを知るための有力な事前サインが二つある。「米国の長短金利の逆転現象」と「ISM製造業景況指数の50割れ」だ(図)。

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2018年

9月

04日

モンスト依存脱却へeスポーツに勝機 木村弘毅=ミクシィ社長

Interviewer 藤枝克治(本誌編集長)

 

── ミクシィといえばソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の会社として世の中に知られていますが、いまは中身が変わっているようです。事業構成と売り上げを教えてください。

 

木村 昨年度の売上高1890億円のうち、スマートフォンゲーム「モンスターストライク(モンスト)」を主力とするエンターテインメント事業が93%、SNSのメディアプラットフォーム事業は7%です。私たちは当社を「コミュニケーション屋」と定義しています。私の視点では、ミクシィとモンストは、友人や家族と一緒に使うサービスとしてまったく同じものです。

 

── 電車では一人でスマホゲームをしている人が多いですが、モンストもそうなのでは?

 

木村 一人での利用は多いですが、すべてのシーンで一人で遊ぶようにゲームを設計してはいません。ゲームに登場するキャラクターを育てて、友達と会った時に、持ち寄ることを理想的な遊び方として捉えています。バーベキューを楽しむように、ゲームを楽しむ空間を提供することで差別化しています。

── モンストのアクティブユーザー数や累計ダウンロード数は?

 

木村 累計ダウンロード数は4600万です。アクティブユーザー数は、公表はしていませんが、2年前、モンストを出して3周年のタイミングが最も多かった時期です。減少傾向だったのですが、劇場版アニメ映画「モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ」を公開(2016年12月)し、映画館の周辺に集まったユーザーにモンストのアイテムをプレゼントするキャンペーンを仕掛けて、狙いが当たりました。今年は5周年に向けて映画の第2弾を準備中で、10月公開です。

 

── モンストで遊ぶ子どもも多いでしょう。高額課金を防ぐための施策はあるのですか。

 

木村 モンストの場合、16歳未満への課金は月額5000円を上限としています。ただ、ユーザーの属性を確認する場合、アプリをダウンロードする際のプラットフォームを提供しているアップルとグーグルから、年齢などユーザーの属性を当社は得ることができません。協議を重ねていく必要がありますが、相手は米国企業なので、交渉は難しい面があります。

 

── 未成年が25歳などと申告する問題が出てくるのですか。

 

木村 そうです。ゲーム業界とともに声を上げていく必要があると考えています。

 

ジムの買収も?


── 業績はモンスト頼みです。新しい収益の柱を育てる必要は。

 

木村 日本の国策としてeスポーツを育成しようという動きが出てきています。サッカーや野球、バスケなどのチームスポーツのように、仲間と一緒に戦うことができる文化を育てることが私たちのミッションとしてあると考えています。

 

── eスポーツ市場が拡大したとして、どう収益化していきますか。

 

木村 ゲーム競技として十分な視聴者数を獲得することができれば、スポンサーがついて、広告収益も入ってきます。リアルのスポーツと同じです。当社は1大会当たり賞金総額が5000万円と日本では最も賞金規模が大きな大会を開催しています。モンストだけで大きなユーザーがいるので、単独で開催できるのです。ただ、みなさん見て楽しいと思えるゲームとなるかどうかは、まだ時間がかかると思います。

 

── 祖業のSNSの現状は。

 

木村 SNSは、会員数が増えていくと、人間関係図がどんどん大きくなってしまい、自由にものが言いにくくなるという課題があります。ただ、家族や友人とSNS上でコミュニケーションしたいというニーズは間違いなくあると考えており、別の形のSNSを展開しています。それが「みてね」という家族内限定で写真アルバムを共有するSNSを新たに展開しています。

 

── 創業者の笠原健治会長が手掛けているものですね。

 

木村 そうです。規模の大きな汎用(はんよう)SNSではなく、家族や友人で切り取った小さなSNSのニーズが今後、出てくると仮説を立てていました。「みてね」が右肩上がりで伸びてきていますので、正しかったと認識しています。

 

── 今後、第5世代(5G)移動通信システムが始まります。成長に向けて温めている構想は。

 

木村 スポーツと「ウェルネス(健康)」が次の成長領域です。あらゆるものをつなげる5Gが重要になります。スポーツジムなどリアルな店舗を接点として、高齢者が健康情報を把握し、管理できるような仕掛けです。そのためにジムなどリアルな場所を使った展開が不可欠だと考えています。従来、IT業界は「持たない経営」が賢いとされてきましたが、ジムの買収などもあるかもしれません。

 

── チケット転売サイトを運営する子会社や社長が商標法違反(商標権侵害)の疑いなどで書類送検される事件が起きました。

 

木村 会社としての若さが出てしまいました。ガバナンスとコンプライアンスにしっかりと対応します。森田仁基前社長(6月22日社長辞任)が書類送検されたことも厳粛に受け止め、引き続き捜査に協力していきます。ただ、当社グループとしては商標法違反に対する認識はなく、検察庁の判断を待ちたいと考えています。

(構成・浜田健太郎=編集部)

 

横顔


Q 30代の頃はどんなビジネスマンでしたか

 

A ソーシャルアプリの企画など、ものづくりばかりやっていました。

 

Q 「私を変えた」本は

 

A 『ポジショニング戦略』(アル・ライズ他著)です。マーケティングの本ですが、人の脳の中で何がどう動いているのかを理解することが重要だと指摘しています。

 

Q 休日の過ごし方

 

A 子どもの面倒を見ることです。妻は大学で先生をしていて、子どもの世話(の分担)をしっかりやるようにしています。

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 ■人物略歴

きむら・こうき
 1975年生まれ 東京都立杉並高校卒業、東京都立大学工学部中退。電気設備会社、携帯コンテンツ会社を経て2008年ミクシィ入社。14年11月執行役員、取締役を経て18年6月から現職。東京都出身。42歳。

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事業内容:ソーシャル・ネットワーキングサービス「mixi」運営など

本社所在地:東京都渋谷区

設立:2000年10月

資本金:96億9800万円

従業員数:776人(2018年3月現在、連結)

業績(18年3月期、連結)

 売上高:1890億9400万円

 営業利益:723億5900万円

2018年

9月

04日

目次:2018年9月4日号


CONTENTS

 

大図解・プロが教える世界経済&マーケット

データで分かる!

22 1 世界経済の賞味期限 景気後退まで残り2年 ■重見 吉徳

24 2 商品市況は予言する 銅・金比率は景気先行 ■平川 昇二

26 3 危険な新興国通貨 史上最安値更新のトルコ・リラ ■武田 淳

28 4 日銀の株式「爆買い」 ETFの8割弱も保有 ■市川 雅浩

30 5 ドル・円相場の怪 「長期金利差」と崩れた相関 ■武田 紀久子

32 6 村田製作所株vs新日鉄住金株 ピーク・底打ち一致の必然 ■市岡 繁男

34 7 米IT株の威力 グーグルは中国に再参入か ■徳岡 祥一

36 8 中国・原油先物の存在感 売買高で北海ブレント超え ■津賀田真紀子

データの裏側

29 1 物価のギモン 「家賃」の定義見直しで物価0.2%押し上げ? ■柏原 延行

37 2 不動産向け貸し出し 銀行任せの日銀統計 個人投資の把握困難 ■原田 三寛

38 適温相場後の日本株 カギは「配当性向」の質 利益成長と組み合わせ ■大川 智宏

エコノミスト・リポート

81 メキシコ新大統領の波紋 内向き政策に石油メジャー戦々恐々 油田開発やGS事業の見直しも ■阿部 直哉

  メキシコ新大統領はこんな人 アンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール氏

83 横行する石油窃盗事件 被害総額は約960億円

 

Flash!

 

17 東京五輪で「サマータイム」導入? 最大の壁はシステム対策 準備期間足らず大混乱に

19 ひと&こと 東電が原発を社内分社化へ 牧野氏が初代“社長”有力/ビットポイントの宣伝 本田選手起用に波紋/JICA理事2人が退任 予算管理問題に「責任」

 

Interview

 

6 2018年の経営者 木村弘毅 ミクシィ社長

98 挑戦者 2018 佐渡島隆平 セーフィー社長

50 問答有用 恩地祥光 元レコフ会長兼CEO 「創業の志や経営理念が今、形骸化している」

84 Jリーグ 25年目の「革新」

85 インタビュー 村井満 Jリーグ・チェアマン 「Jリーグへの投資価値アピール」

90        立花陽三 楽天ヴィッセル神戸社長 「投資を上回るイニエスタ効果」

88 成長のカギ 英プレミアの成功例がヒント ■小島 清利

63 「名門高校」連載完結&書籍刊行 インタビュー 猪熊建夫 (ジャーナリスト) 「人となりを知る出身高校 有為な人材は地方が輩出」

42 移民 「移民国家」へ踏み出す日本 求められる社会統合政策 ■藤巻 秀樹

74 銀行 銀行が平日休業、昼休み導入 コスト優先で遠のく顧客目線 ■高橋 克英

70 コレキヨ 小説 高橋是清 (8) ■板谷 敏彦

 

World Watch

 

64 ワシントンDC 子どものみの夏キャンプ 自立を促す一大産業 ■小林 知代

65 中国視窓 消費促進の鍵は若い女性 ソーシャルECで存在感 ■岸田 英明

66 N.Y./シリコンバレー/英国

67 韓国/インド/タイ

68 青島/チリ/イスラエル

69 論壇・論調 大統領が自賛する強い米経済 政策の効果か成長の前借りか ■岩田 太郎

 

Viewpoint

 

5 闘論席 ■小林 よしのり

21 グローバルマネー それでも消費増税が不可避な理由

44 福島後の未来をつくる (76) 日本のプルトニウム処分に必要な国際協力と核燃料サイクル見直し ■鈴木 達治郎

46 海外企業を買う (203) アンダーアーマー ■清水 憲人

48 本誌版「社会保障制度審」 (11) 「1.57ショック」以下の出生率 団塊ジュニアへの楽観が裏目に ■増田 雅暢

54 学者が斬る 視点争点 「所得連動返済型ローン」の可能性 ■河越 正明

56 言言語語

72 東奔政走 見えない安倍外交の対中姿勢 「第5の文書」は策定できるか ■及川 正也

77 ズバリ!地域金融 (2) 豊和銀行、販路開拓支援で大分の地域活性化に挑戦中 ■浪川 攻

78 図解で見る 電子デバイスの今 (18) ディスプレーが色あせない 「量子ドット」の先端技術 ■津村 明宏

100 独眼経眼 株安の理由は、経済指標の悪化 ■藻谷 俊介

105 商社の深層 (121) 大型設備から分散へシフト 電力2強の丸紅・三井物産 ■種市 房子

106 アートな時間 映画 [ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男]

107        美術 [モネ それからの100年]

108 ウォール・ストリート・ジャーナルのニュース英語 “ Working fatherhood ” ■安井 明彦

 

Market

 

92 向こう2週間の材料/今週のポイント

93 東京市場 ■隅谷 俊夫/NY市場 ■高堀 伸二/週間マーケット

94 欧州株/為替/原油/長期金利

95 マーケット指標

96 経済データ

 

書評

 

58 『進歩』『会計の再生』

60 話題の本/週間ランキング

61 読書日記 ■美村 里江

62 歴史書の棚/海外出版事情 アメリカ

57 次号予告/編集後記

 

2018年

8月

28日

2018年8月28日号 週刊エコノミスト

定価:670円

発売日:8月20日

 

新基準が分かる

役立つ会計 

 

リース基準変更の波紋 

実務煩雑化で対応急ぐ企業

 

国際会計基準(IFRS)の適用拡大の流れにリース業界が動揺している。

 

 リース活用を縮小する動きが広がると、経済成長に大きな影響が及ぶことが懸念される──。リース会社でつくる「リース事業協会」は7月18日、ホームページで「わが国リース会計基準の検討に対する見解」を公表、リースを巡るIFRSの会計基準変更が日本基準にも波及する動きをけん制した。

 

 

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2018年

8月

28日

特集:新基準が分かる役立つ会計 2018年8月28日号

リース基準変更の波紋

 実務煩雑化で対応急ぐ企業

 

 国際会計基準(IFRS)の適用拡大の流れにリース業界が動揺している。

 

 リース活用を縮小する動きが広がると、経済成長に大きな影響が及ぶことが懸念される──。リース会社でつくる「リース事業協会」は7月18日、ホームページで「わが国リース会計基準の検討に対する見解」を公表、リースを巡るIFRSの会計基準変更が日本基準にも波及する動きをけん制した。

 

 工場設備からパソコンまでさまざまな機器を企業が貸し出す「オペレーティングリース」は、現在の日本の会計基準ではリース料を費用として損益計算書に計上するだけで、資産として貸借対照表に記載する必要はない。会計処理が簡単な上、残存価格の設定で初期費用が抑えられるため、経理担当人員が少なく、資金力の乏しい中小企業に利点がある。

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2018年

8月

28日

自動車分野の技術革新に照準 河田正也=日清紡ホールディングス社長

 Interviewer 藤枝克治(本誌編集長)

 

── 繊維会社のイメージですが、売上高に占める割合はすでに1割ですね。

 

河田 売上高比率でいうと、エレクトロニクスが4割程度で、主力事業になっています。2010年に日本無線を株式公開買い付け(TOB)し、17年に完全子会社化。新日本無線は9月に完全子会社化する予定です。今年3月には、リコー電子デバイスの80%の株式を取得しました。

 

── なぜ、エレクトロニクス分野に進出を。

 

河田 日本無線とは、大倉財閥を設立した大倉喜八郎氏が、日清紡の草創期の相談役を務めていたころからの縁です。1955年、2代目の喜七郎氏が日清紡の社長(当時)、桜田武氏に日本無線の経営支援を要請し、日清紡側から経営陣を派遣するようになりました。

── エレクトロニクス事業の強みは何ですか。

 

河田 日本無線は、日露戦争の勝敗を決した日本海海戦で、信濃丸の「敵艦見ユ」で知られる無線電信を開発した木村駿吉氏が創設した歴史ある会社です。現在、無線通信技術はさらに発展し、船舶航行支援システムや気象レーダー、消防緊急指令通信システムなどに活用しています。官公需や大型船舶が中心ですが、漁船向けのレーダーや、超音波を使った医療機器など新しい分野にも挑戦しています。

 

── リコー電子デバイスを連結子会社化した狙いは。

 

河田 以前から、アナログ半導体の製造で、新日本無線と協力関係にありました。リコー電子を連結子会社化することで、製造工程の相互補完が高まり、コスト低減による価格競争力が高まります。自動車や産業機器向け、IoT(モノのインターネット)などの重点分野で相互活用し、製品の開発を加速したい。

 

── 自動車のIoT関連にも力を入れていますね。

 

河田 先進運転支援システム(ADAS)ビジネスへの参入を狙って、今年4月に子会社「JRCモビリティ」を設立しました。日清紡グループの無線通信と電子デバイス技術を活用し、自動運転や電動化、情報通信端末としての機能を持つコネクテッドカーといった領域でビジネスを展開したい。

 

「認知」機能に照準


── 自動運転は競争が激しい。どこで勝負しますか。

 

河田 自動運転は、「認知」「判断」「操作」の機能から成り立ちますが、私たちがターゲットにしているのは、人間の目や耳にあたる「認知」です。日本無線や新日本無線の持つレーダー、レーザー、センサー、半導体の技術を応用し、ADAS関連ビジネスを成長させたい。日清紡は、ブレーキ事業や精密機器事業で長年にわたり、国内外の自動車メーカーや大手部品メーカーと取引関係があり、信頼関係が強みです。また、無線通信技術は高度道路交通システム(ITS)などのインフラで活用されています。

 

── ブレーキ事業も世界展開しています。

 

河田 ブレーキの中核部品である摩擦材を中心に展開しています。11年に欧州のブレーキ摩擦材メーカー、TMDを買収したことで、世界14カ国に28拠点を持つ世界有数の摩擦材メーカーになりました。

 

── 摩擦材の機能を左右するのはなんですか。

 

河田 環境規制に対応しながら、制動力や騒音抑制などの高い性能を維持するために、各社はしのぎを削っています。さまざまな材料を混ぜ合わせ、複雑な生産工程で作っていくわけですが、どのような材料をどの程度使うかなどは企業秘密で、各社の競争力の源泉になっています。

 

環境対応は真剣勝負


── 世界の環境規制は厳しくなる一方です。

 

河田 米カリフォルニア州、ワシントン州の規制に対応し、銅を使わない摩擦材の開発が世界のメーカーで進められています。21年以降に販売する自動車に組み付けられる摩擦材の銅含有量を5%未満、25年には0・5%未満にしなければなりません。自動車業界では、米国向けだけではなく、世界のほとんどの自動車が対応していく方向です。摩擦材メーカーの勢力図が大きく変わる可能性もはらんでおり、真剣勝負で対応します。

 

── 祖業の繊維事業の今後の展開はどうですか。

 

河田 繊維は成熟産業で、大きな成長は期待できません。しかし、繊維事業を縮小するつもりはなく、紡績、織り・編み、加工、縫製の各分野で持っている開発から生産までの世界トップクラスの技術力を生かし、高付加価値の分野で存在感を示したい。

 

── 繊維分野での強みは。

 

河田 シャツやユニフォームが強みです。特に、シャツは生地段階の供給を含めると国内で3割程度のシェアを持っています。世界に先駆けて、ノーアイロンシャツ地を開発・販売してきました。

 

── 今では形態安定のシャツは増えていますね。

 

河田 紳士服の青山商事と日清紡テキスタイルが共同展開する次世代ノーアイロンシャツ「アポロコット」は、これまでとは明らかに異なるレベルでのノーアイロン性を綿100%で実現しています。アイロンを使わなくていいということは、社会的なエネルギーコストの削減にも貢献しているという自負があります。

 

(構成=小島清利・編集部)

 

横顔


Q 30代の頃はどんなビジネスマンでしたか

 

A 米カリフォルニアの新工場立ち上げで、採用や従業員教育を担当したことが印象に残っています。

 

Q 「モノの見方を変えた本」は

 

A 学生時代に読んだチャールズ・スノーの『二つの文化と科学革命』です。理科系と文系の人間の考え方の乖離(かいり)や無理解がもたらす社会的な危機に警鐘を鳴らした本で、メーカーで働く者にとっても示唆に富んでいます。

 

Q 休日の過ごし方

 

A ジョギングが趣味で、時間があれば軽く走ります。50代からフルマラソンにも挑戦しています。

 

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 ■人物略歴

かわた・まさや
 1952年生まれ。山口県出身。県立下関西高校、一橋大学経済学部卒業。75年日清紡入社。2006年人事本部長、07年取締役、10年取締役常務執行役員、12年取締役専務執行役員を経て、13年6月から現職。66歳。

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事業内容:エレクトロニクス、ブレーキ、精密機器、化学品、繊維など

本社所在地:東京都中央区

設立:1907年2月

資本金:275億8700万円(2018年3月末現在)

従業員数:2万3104人(18年3月31日、連結)

業績(18年3月期、連結)

 売上高:5120億円

 営業利益:150億円

2018年

8月

28日

目次:2018年8月28日号


CONTENTS

 

新基準が分かる 役立つ会計

16 リース基準変更の波紋 実務煩雑化で対応急ぐ企業 ■松本 惇/米江 貴史

18 EUがIFRSに反発か 修正版作成の動き ■吉井 一洋

19 楽天会計マジック 非上場株式評価益で利益かさ上げ ■細野 祐二

21 「監査法人に企業の暴走は止められない」

22 楽天への質問と回答 楽天「恣意的な評価益の計上はない」

23 証券取引等監視委員会 浜田康委員に聞く 「不正会計企業に厳罰を」

 一から学ぶ基礎知識 

24 会計基準編 約160社、グローバル化で増えるIFRS採用企業 ■溝口 聖規

26 財務3表編 「五つの利益に三つの現金」 読み方のポイントはここだ!■向山 勇/ ■監修=村井 直志

29 仮想通貨はどう扱う? 期末に時価評価 保有量や評価額を個別に開示 ■鈴木 智佳子

30 事例で研究 異常点監査で粉飾見抜け 東芝やKDDI子会社の問題点 ■村井 直志

32 60年ぶりの大改革 監査報告書 「主要な検討事項(KAM)」とは ■林 隆敏

35 会計士が足りない! 年間数百人退職か 超多忙に若手が嫌気 ■伊藤 歩

エコノミスト・リポート

76 受動喫煙対策強化 安全配慮義務問われる企業 不十分な対策は労務リスクに ■片山 律

 

Flash!

 

11 米金融政策、18年後半は利上げ継続の公算/追悼 森岡孝二関西大学名誉教授「過労死、企業統治に尽力」

13 ひと&こと ルネサス“降格”役員、ソニーが人脈見込み採用/スルガ暴走の陰に実弟死去、「戦犯」昇進に株主の懸念

 

Interview

 

4 2018年の経営者 河田正也 日清紡ホールディングス社長

92 挑戦者 2018 山下貴嗣 Minimal代表

44 問答有用 チャールズ・マクジルトン セカンドハーベスト・ジャパンCEO「誰もが満腹になれる食のセーフティーネットを作る」

AI時代の教育論

79 自制心や協調性を伸ばそう 非認知能力で変わる人間の力 ■中室 牧子

82 有識者鼎談 A1に負けない子供を育てる 浜田宏一 エール大学名誉教授、内閣官房参与/新井紀子 国立情報学研究所教授/柳川範之 東京大学大学院教授

36 酷暑 1度上昇で経済効果3200億円も過去最大級の反動懸念 ■永濱 利廣

38 働き方 テレワークで通勤時間を削減 経済効果は4300億円 ■有田 賢太郎

40 外国人 唐突な外国人労働者受け入れ拡大 賃金目標に矛盾も ■横山 渉

70 航空 再編進む小型旅客機市場 降下否めぬMRJの競争力 ■吉川 忠行

72 司法取引 三菱日立合弁、タイ贈賄で初の司法取引 「個人に責任転嫁」の裏事情 ■北島 純

74      露呈した海外贈賄への日本企業のもろさ

75 粉飾 LGT銀行、報告書偽造の理由判明 オリンパスが隠ぺい指示 ■編集部

85 決算 課金モデルへの転換 ソニー構造改革の真実 ■桂 竜輔

64 コレキヨ 小説 高橋是清 (7) ■板谷 敏彦

 

World Watch

 

58 ワシントンDC イラン制裁の強化開始 漁夫の利得るサウジ・中国 ■会川 晴之

59 中国視窓 模倣大国から知財大国へ 先行技術狙う日本企業 ■真家 陽一

60 N.Y./カリフォルニア/英国

61 韓国/インド/シンガポール

62 台湾/ロシア/エチオピア

63 論壇・論調 すり寄るトランプ氏に酷評 プーチン氏の狙いは米国弱体化 ■熊谷 徹

 

Viewpoint

 

3 闘論席 ■片山 杜秀

15 グローバルマネー 経済成長の大前提への配慮を示した日銀

42 本誌版「社会保障制度審」 (10) 2.9兆円投資で、出生率2.07到達の可能性 労働生産性上昇と子どもの貧困率低下も ■柴田 悠

48 学者が斬る 視点争点 会計能力重視されない日本 ■澤邉 紀生

50 言言語語

66 東奔政走 経済・外交を「人質」に取る安倍政権 総裁選で「ポストアベノミクス」議論を ■平田 崇浩

68 海外企業を買う (202) テキサス・インスツルメンツ ■永井 知美

94 独眼経眼 消費停滞の理由は賃上げの偏り ■広野 洋太

96 アートな時間 映画 [SUNNY 強い気持ち・強い愛]

97        舞台 [ナイツ・テイル─騎士物語─]

98 ウォール・ストリート・ジャーナルのニュース英語 “ Trump-state ” ■安井 明彦

 

Market

 

86 向こう2週間の材料/今週のポイント

87 東京市場 ■藤戸 則弘/NY市場 ■平 秀昭/週間マーケット

88 インド株/為替/穀物/長期金利

89 マーケット指標

90 経済データ

 

書評

 

52 『経済学は悲しみを分かち合うために』『第3の超景気』

54 話題の本/週間ランキング

55 読書日記 ■孫崎 享

56 歴史書の棚/出版業界事情

51 次号予告/編集後記

 

2018年

8月

21日

2018年8月14・21日合併号 週刊エコノミスト

定価:720円

発売日:8月6日

 

歴史に学ぶ経済と人類

 

国家繁栄は技術革新と

ベンチャー精神

 

今世界経済の最大級の懸案は米中貿易戦争だ。第二次世界大戦後、「世界の警察」として君臨してきた米国と、21世紀に入り急速に経済力をつけて台頭する中国は、新旧覇権国とも言える。そして、米中の争いと同時に国家の枠組みを超えた覇権が確立されつつある。

 

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