◇日本再上陸狙うエアアジア したたかな中国・春秋航空
杉浦一機
(航空アナリスト)
格安航空会社(LCC=ローコストキャリアー)が日本に相次いで誕生し「LCC元年」と言われた2012年から1年。現在は、ANAホールディングス系のピーチ・アビエーションとバニラ・エア(10月末までエアアジア・ジャパンとして運航)、日本航空と豪カンタス系のジェットスター・ジャパンの3社が格安便を運航する。
だが、来年には、中国・上海を拠点にする春秋航空傘下の春秋航空日本、ANAとの合弁事業が破談したアジア最大手LCCであるエアアジア(マレーシア)の再挑戦も見込まれ、5社体制になりそうだ。さらに、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が国際線でのチャーター便事業に乗り出すなど、国内航空業界は混戦になることは明らかだ。
◇ANAの誤算
振り返ると、マレーシアの「新興LCCの風雲児」エアアジアとANAによる合弁「エアアジア・ジャパン」が電撃的にまとまったのは11年7月だった。しかし、わずか2年弱の今年6月に合弁解消を発表。就航10カ月弱でスピード破談した。………