◇特集:暗雲 韓国
◇深刻化する内需の不振 「日本型デフレ」回避に躍起
桐山友一
(編集部)
「IMFのころと同じくらいかもしれない」──。
韓国南部・梁山(ヤンサン)市の工業団地。自動車・造船向け設備メーカー「白山(ベクサン)ハイテック」の林采錫(イムチェソク)社長が顔を曇らせる。韓国で「IMF」と言えば、1997年のアジア通貨危機によって、国際通貨基金(IMF)の支援を受けた混乱期を指す表現。韓国で体感する景気は今、それほど大きく落ち込んでいる。
ピックアップ
経営者:編集長インタビュー

◇新井徹 森永製菓社長
◇高品質をテコに海外展開を拡大
1899年創業の森永製菓は老舗菓子メーカーとして、「ミルクキャラメル」や「小枝」「チョコボール」など数多くのロングセラー商品を生み出してきた。人口減による国内市場の縮小が見込まれ、海外で人気の「ハイチュウ」などを手がかりに、海外進出を進めている。
── 製菓業界の現状は。
新井 業界全体の需要はここ数年、ほぼ横ばい状態です。お菓子は生活に密着した商品なので、景気の影響は高級品などに比べ通常半年ほど遅れてきますが、まだ業界環境が良くなったという実感はありません。ただ、「チョコボール」のプレミアムライン「大人に贅沢チョコボール」や「ハイチュウ」の「ハイチュウプレミアム」など、従来品より単価の高い商品が売れるようにはなっています。
ワシントンDC

◇「イスラム国」の脅威高まる 迫られるシリアでの軍事行動
今村卓
(丸紅米国会社ワシントン事務所長)
米軍は8月8日から、イラク北部でイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」への空爆を開始した。孤立していた少数派ヤジディ教徒を救い、クルド人自治区の中心都市であるアルビルへの進撃を阻止するなど一定の成果を上げた。しかしオバマ政権は、この「緒戦の勝利」がかすむ現実に直面している。