◇特集:原油急落と中東情勢 Part1 今なぜ原油急落か
◇下値は1バレル70ドル台 世界経済減速と供給過剰
中川美帆
(編集部)
原油価格が急落している。米国産標準油種(WTI)は10月3日、英国産の北海ブレント原油は10月13日に1バレル=90ドルを割って、80ドル台に突入。この水準はその後も続いている。
急落の原因は需給の緩和だ。供給面では、米国のシェールオイルの生産量が急増した影響が大きい。また、石油輸出国機構(OPEC)産油国の生産量も高水準だ。OPECの9月の原油生産量は日量3047万バレルで、6月に比べ約2・5%増加した。10月に入ると、サウジアラビア、イラン、イラクが輸出価格を引き下げたとの現地報道が相次いだため、OPECの協調が崩れて生産シェア確保に走り、価格競争が激化するとの観測が市場で拡大。原油先物相場で売りが優勢になった。
ピックアップ
経営者:編集長インタビュー

◇奥山泰全 マネーパートナーズグループ社長
◇FXを軸に「銀行代わり」の存在目指す
マネーパートナーズは、2005年6月に外国為替証拠金取引(FX)専業会社として設立された。07年6月には大証ヘラクレスにFX専業会社で初めて上場(13年5月に東証1部銘柄に指定替え)。取引システムの開発や手数料減に力を入れるなど、「顧客第一」の経営姿勢が評価され、矢野経済研究所によれば、14年8月時点の口座数は業界6位、預り高は8位で推移する。
── 膠着(こうちゃく)状態が続いた外国為替市場は9月に大きく動きました。
奥山 値動きの大きな相場は歓迎です。ドル・円相場はここ20年前後、1日当たり平均約1円、年10%程度の値動きがありましたので、今年の春から夏に掛けての動きが少なすぎました。9月以降、やや一方向的な値動きに見えますが、膠着後の反動という面があるのだと思います。
ワシントンDC

◇ISIS台頭の責任巡り情報機関の反発招くオバマ
堂ノ脇伸
(米国住友商事会社ワシントン事務所長)
米CBSテレビの報道番組(9月28日放映)の中でオバマ大統領は「イスラム国」(ISIS)台頭の理由について、「米国の情報機関がこれを過小評価し、イラク軍を過大評価していたため」と述べて物議を醸した。イラク、シリアでの「イスラム国」の勢力拡大を未然に防げなかった責任を情報機関に押し付けていると受け止められたからだ。