◇特集:世界低成長の「異常」
◇限界へと向かう長期金利 景気停滞と金融バブル共存
桐山友一
(編集部)
「国債はもう買えない。米国債への投資を1000億円規模へ増やすべきですかね」──。
10月31日午後、ある東日本のの信用金庫の一室。この信金から資産の一部を運用受託している投資ファンドの担当者を前に、信金幹部があきれた様子でつぶやいた。話題はもちろん、この日の午後1時44分に発表された日銀の追加緩和。日経平均株価はこの日、一時は前日終値比875円と約6年ぶりもの上げ幅を記録した裏側で、信金幹部の表情は一向にさえない。
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ピックアップ
経営者:編集長インタビュー

◇森田仁基 ミクシィ社長
◇モンストで復活、次は世界展開目指す
IT(情報技術)サービス大手のミクシィは、主力事業だったSNS(交流サイト)の「ミクシィ」が不振で、2013年度1四半期から3四半期連続の営業赤字が続いた。SNS以外の事業柱を作るためにさまざまな試行錯誤を進めるなか、13年10月にリリースしたスマホ向けゲーム「モンスターストライク(モンスト)」が大ヒットして黒字転換。低迷していた株価も1年で20倍以上上昇した。一方この間、昨年6月と今年6月の2度も社長交代があり、社内の混乱を露呈した。
── 短期間に社長が相次いで交代。何が起きていたのですか。
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ワシントンDC

◇エボラ出血熱への過剰反応 政治を巻き込む不毛な混乱
今村卓
(丸紅米国会社ワシントン事務所長)
米国内で確認されたエボラ出血熱の感染者数はわずかにとどまっているが、米国民の恐怖は急速に広がり、その勢いに政治が巻き込まれるような混乱が生じている。
中間選挙の投票日が迫っていた10月末にもかかわらず、主要メディアの紙面は米国内のエボラ出血熱を巡る騒動がトップを占めていた。この時点において米国内で確認された感染者数は4人、うち1人は死亡したが国内で2次感染した2人の看護師は治癒しているという状況に照らせば、騒ぎすぎという感も否めない。
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