◇地域を再生させる金融モデル
聞き手=金山隆一
(編集部)
広島市に増収増益を続ける金融機関がある。地元で「シシンヨー」と呼ばれている広島市信用組合。地域を再生させる金融モデルと期待されている。その好調の秘訣は何か。山本明弘理事長に聞いた。
◇「融資は3日以内に決裁します」
◇「3週間で1万3000軒を訪問」
◇「投信や保険は一切販売しません」
2013年3月期まで10期連続で増収増益を果たした。不良債権比率はこの10年で5分の1に減らし、預金と貸出金は2倍に拡大。少子高齢化、過疎化、工場の海外移転。地域経済を取り巻く経済環境に明るい兆しはない。なぜこれほどまでに成長できるのか。
── 成長の原動力は何か。
山本 金融機関の本来業務である預金と融資に専念し、他より多少金利は高くても原則3日以内に融資の回答を出すことを平常としてきたからでしょう。不良債権の処理も一気に進め、限りなくゼロに近づけたことが大きいです。………