◇高齢化と人口減少で実家が粗大ゴミになる
清水千弘
(麗澤大学経済学部教授)
人口減少と高齢化が進む日本では、近い将来、家の資産価値が大きく下がる。
高度成長時代、日本で住宅地は資産との認識が深まった。しかし、それは労働人口が増える「人口ボーナス」がもたらしたおまけに過ぎない。労働人口が減る「人口オーナス」を迎えた今後、大半の住宅地は資産としての価値を大きく失い、「資源」へと社会的な意味合いを変えざるを得ない。このため、住宅地を活用できない「空き家」は資源としての価値もなく、「ゴミ」と化すことをまず認識する必要がある。
国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の総人口は2010年時点で1億2800万人だったが、20年に1億2400万人、30年に1億1600万人となり、40年には1億720万人まで減少する見通しだ。………