◆ポール・シェアード(スタンダード・アンド・プアーズ チーフ・グローバルエコノミスト)
◇「日本の財政再建の第一歩は脱デフレ 財政規律を気にせず、量的緩和を続けるべき」
聞き手=濱條元保
(編集部)
別の米格付け機関が日本国債を格下げする中で、据え置いたスタンダード・アンド・プアーズは、日本経済および世界経済をどうみているのか。同社のグローバルエコノミストのシェアード氏に聞いた。
── 2015年の世界経済は米国一国が好調で、3%程度の実質GDP(国内総生産)成長率がエコノミストらのコンセンサスになっているが、シェアードさんの予想はどうか。
■私も15年の米国の経済成長率は3%程度と予想している。14年1~3月期は想定外の大寒波に見舞われたことなどから個人消費が大幅に落ち込んだ。その結果、前期比年率2・1%減のマイナス成長となった。しかし、その後の4~6月期に4・6%増、7~9月期に3・9%増と4%前後の成長へと加速している。足元の状況からすると、15年の3%成長は減速傾向にみえるかもしれない。………