◇プラザ合意30周年に振り返る 戦後の国際通貨システムの歴史
黒瀬浩一
(りそな銀行チーフ・マーケット・ストラテジスト)
2015年はプラザ合意30周年にあたる。戦後の国際通貨システムの歴史はドルの信認低下の歴史でもあったが、プラザ合意はその中でも一つの画期をなす。プラザ合意の今日的意義を、ドルの歴史を振り返ることで考察する。
◇1944年 ブレトンウッズ協定
戦後の国際通貨システムは、当時の世界の金の60~70%を保有した米国の圧倒的な経済力を背景に、米ドルを基軸通貨としたブレトンウッズ体制に始まった。米ドルの価値は金1オンスを35ドルと定められ、各国通貨は固定相場で連結された。円の対ドルレートは1ドル=360円とされた。その後しばらくは米国の圧倒的な経済力を背景に、国際通貨システムは安定が保たれた。………