◇出遅れトヨタが巻き返しに本腰 市場拡大に沸く部品メーカー
松下宏(自動車評論家)
大堀達也(編集部)
自動運転の実現に向け、自動車メーカー各社が激しい開発競争を繰り広げている。自動運転には、すでに実現している自動ブレーキなどの「運転支援」と、まだ開発途上にある「自律自動運転」という二つの概念があり、今のところ各社は前者の方向性を前面に打ち出している。しかし、水面下ではクルマが自ら周囲を認識して走行する自律自動運転(以下、自動運転)の実現に向けて、開発を一気に加速させている。
◇トヨタに火を付けたスバル
自動運転は、各メーカーが自動ブレーキの研究開発を進める中で生まれた技術だ。これはクルマ自らが道路上の障害物や歩行者、他のクルマなどの移動物の動きを推測し、的確な判断を下すことで可能になる。
クルマの周囲を見るためのステレオカメラ、ミリ波レーダーといった各種センサーは、今のところ自動ブレーキ用のものが大きなウエートを占めている。近年、そのセンサーが高度化し、クルマの前方だけでなく周囲360度の状況を把握できるようになったことで、自動運転は一気に現実味を帯びた。………