◇イラン核交渉が進展 危機感強めるサウジ
保坂修司
(日本エネルギー経済研究所研究理事)
アラビア半島南端に位置するイエメンが事実上の内戦状態に陥り、3月下旬からサウジアラビアなど10カ国による空爆を受けている。攻撃対象は、イスラム教シーア派の少数派・ザイド派の武装組織フーシだ。
この混乱は、直接的には2011年の改革要求運動「アラブの春」にさかのぼる。イエメンではアラブの春で、33年間という長期独裁のサレハ大統領に対する反対運動が激化し、国内が大混乱に陥った。
結局、サウジアラビアなど王制・首長制の6カ国による湾岸協力会議(GCC)の主導でサレハ大統領が辞任。翌12年に、サレハ大統領時代の副大統領で南部出身のハディ大統領率いる新政府が誕生した。………