◇特集:乱高下でも勝つ株・投信・為替
◇世界経済と市場を揺るがす米国、中国、独・欧州リスク
白川浩道
(クレディ・スイス証券チーフエコノミスト)
世界経済は2010年以降、米国の積極的な金融緩和と中国の経済成長を2大けん引役に、3%台前半の成長を続けてきた。世界景気の持続的な回復への期待と低金利の継続はリスク資産への資金流入をもたらし、株や不動産価格を押し上げてきた。
しかし、市場を取り巻く環境は変わりつつある。この先、リスクイベントが目白押しだからだ。予想以上に大幅な米国の利上げ、中国における債務危機の発生、ギリシャ危機の再燃といったリスクに翻弄(ほんろう)され、市場が再び荒波にもまれる可能性が高まっている。
ピックアップ
経営者:編集長インタビュー

◇大沢和春 アイフィスジャパン社長
◇金融情報提供のインフラとして成長
1995年に証券会社のアナリストリポートを機関投資家向けに印刷・配送まで一手に引き受けるアウトソーシング企業として創業。社名はInternational Financial Information Serviceの頭文字から取っている。
98年から調査リポートをウェブで展開するサービスを開始した。これに加えて事業会社のIR(投資家向け情報)資料、投資信託の目論見書など印刷物の受注も増加している。
── 足元の業績が好調です。
ワシントンDC

◇敗北したイスラエル・ロビー
◇米ユダヤ人社会の多様化進む
三輪裕範
(伊藤忠インターナショナル会社ワシントン事務所長)
米国を中心とする6カ国が長期にわたりイランと行ってきた核関連協議は7月14日、ようやく最終合意に達した。この核合意案は、「イスラエルの安全保障上の大きな脅威になる」として、米国では共和党を中心に議会の反対が強かった。そこでオバマ政権と共和党指導部は、採決に向けて、賛成と反対の間で揺れ動く議員を自陣営に取り込もうと、議会休会中の夏ごろから激しい攻防を繰り広げた。