
◇2015年11月24日特大号
◇燃費と環境性で優れるMRJをうまく使いたい
MRJをエアラインとして最初に運用する全日本空輸(ANA)の篠辺修社長に、MRJへの期待を聞いた。
(聞き手=大堀達也・編集部)
MRJのローンチカスタマー(航空機の新規開発の後ろ盾となる航空会社)に手を挙げたのは、2008年ごろ、中長期の機材計画における小型機の品ぞろえの議論の中で、100席クラスの機体が要るという話になったのが始まりだ。ボーイングの「B737─500」(約120席)が退役すると、最も小型のボンバルディア(カナダ)製プロペラ機「Q400」(74席)の次が150席クラスになってしまう。
そこに、ちょうど三菱重工業が80~100席の機体を作るという話が出て、実績のあるボンバルディアやエンブラエル(ブラジル)のジェット機とMRJが競合することになった。結果的にMRJを選んだのは、MRJが計画段階ながら、燃費と環境性に優れていたからだ。悪天候に強いジェット機で、プロペラ機並みの燃費という希望のコンセプトにかなった。
問題は、日本で初めてのジェット旅客機の開発リスクをどう織り込むか。当時ANAは、すでにB787のローンチカスタマーとして経験を積んでいた。大変だが十分メリットも得られると考え、ローンチカスタマーになる決断をした・・・
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この記事の掲載号

【特集】世界を飛べMRJ
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MRJ徹底解剖
インタビュー:ANA/ナブテスコ/住友精密
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第2部 日本の空が変わる
日本の空港改革 / 空港設備銘柄
定価:670円 発売日:2015年11月16日