
インタビュー
長田信隆
ナブテスコ・航空宇宙カンパニー社長
「飛行制御技術でボーイング支える
MRJでは仕様作りをリード」
航空機の機体をコントロールする動翼の制御に必要な「フライト・コントロール・アクチュエーター」がコア製品となる。国内市場は防衛向けでシェア100%、世界市場はボーイング機の5分の4に導入されている。世界の民間旅客機市場はボーイングとエアバスが二分していることを考えると、当社のシェアは約40%になる。
航空事業は1960年代に防衛向けからスタートしたが、70年代後半のボーイング向け参入以降、民間にかじを切ってきた。これからの航空ビジネスの成長性を考えると、民間旅客機は2020年に現在の2倍になり、年間成長率は5%と予想される。15年3月期の全社売上高が前期比8・6%増の2196億円と3期連続で増加したのは、民間重視の成長戦略の結果だ。
アクチュエーターは成熟した技術で、当社しか作れないということはない。重要なのは、いかに良い製品を安く早く開発できるかだ。高いシェアを実現できているのは、モノづくりの「QCD」(品質、価格、納期)が評価されているからだろう。13年にはボーイングが優秀なサプライヤーを表彰する「ボーイング・サプライヤ―・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。
これには過去の失敗が生きている。04年、ボーイングの最新機「B787」の受注商戦に参加したが、米ムーグ社に敗れた。当時、アクチュエーター市場に参入してきたムーグ社の思い切った価格戦略に対抗できなかった・・・
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この記事の掲載号

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