
インタビュー
田岡 良夫
(住友精密工業専務、航空宇宙事業統轄)
「MRJとホンダジェットの経験で
世界からも受注できる体制を作る」
降着装置システムを手がける住友精密工業(兵庫・尼崎市)は、MRJに装備品を提供する数少ない日本企業だ。
MRJでは降着装置システムで「ティア1(1次部品メーカー)」に選ばれた。具体的には、着陸時の衝撃を吸収する脚柱、着陸後に機体を停止させるブレーキ、地上走行時に進行方向を制御するステアリング、脚柱を出し入れする脚揚降システムを手がけている。当社は、1990年代から民間機の降着システム受注を目指していたが、ティア1としての参画は、MRJがホンダジェットに続き2例目だ。
当社が業界で認知されたのが、97年にカナダ・ボンバルディアのリージョナルジェット機「CRJ」の700シリーズと900シリーズの降着システムを受注してからだ。
当時は民間機で実績がほとんどなかったので、メナスコ(現在の米UTCエアロスペース・システムズ)と共同受注した。「ティア2(2次部品メーカー)」よりティア1に近い「ティア1.5」のような役割だった。
そして、2000年にホンダから声がかかった。ちょうど、...
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この記事の掲載号

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第1部 MRJテイクオフ
MRJ徹底解剖
MRJはどこを飛ぶ? 徹底シミュレーション!!
Interview:ANA/ナブテスコ/住友精密
第2部 日本の空が変わる
日本の空港改革 / 空港設備銘柄
定価:670円 発売日:2015年11月16日