特集:銀行消滅 生き残るのはどこか 2018年6月26日号

人口減少・資産規模も小

 地銀統合でもイバラの道

 

メガバンクから地銀まで「厳しい」という声しか聞こえてこない。もう銀行は「いらない」のか。

 

 銀行という業態が大きな転機に直面している。低金利政策もあって貸出金利は上がらず、本業の収益は目減りするばかり。特に、人口減少に直面する地方の地銀・第二地銀の置かれた状況は厳しさを増している。


  そこで『週刊エコノミスト』編集部では地銀・第二地銀107行(埼玉りそな銀行含む)について、

2018年3月末の総資産と、各行が本店を置く都道府県の2015~25年の人口増減率の将来推計(国立社会保障・人口問題研究所)の分布を作成した(図)。その結果、資産規模が小さく人口減少が見込まれる図の左下部分に多くの地銀が集中していた。


  総資産が107行の平均(3・8兆円)以下で、人口増減率が0%以下の地域の銀行は65行。このうちこれまで再編の対象になっていない銀行は50行で、ふくおかフィナンシャルグループと経営統合を模索する十八銀行(長崎市)もこのグループに含まれる。

 小規模な銀行でも、特定の分野に特化して高い貸出金利を獲得し、経営を安定させる道はある。だが実際は、地銀は地域経済を広く支える役割を求められ、分野を特化することは難しい。経営統合で規模を大きくし、コストを削減することが生き残りの選択肢となるが、ここにもイバラの道が待ち構える。地銀統合に詳しいPwCコンサルティングの愛場悠介パートナーは、「経営統合がすべてのケースで、収益力向上に結びついているとは言いがたい」と指摘する。経費削減の目標管理が甘いことなどが要因だ。各行は生き残りのための選択を迫られている。


 (花谷美枝・編集部)
 (池田正史・編集部)

週刊エコノミスト 2018年6月26日号

定価:670円

発売日:6月18日