マーケット総予想2019
金融市場発の悲観論が実体経済に波及し始めた。楽観論も入り交じる変調マーケットを総点検する。
「今年はブラックスワンばかり」
バークレイズ証券の木曽健太郎社長は、年初の機関投資家とのミーティングでこう告げられたという。ブラックスワンとは、めったに起こらないが、ひとたび発生すれば壊滅的な打撃を与える事象を指す。2008年のリーマン・ショックをイメージすればいい。今年はそんな巨大なリスクが市場にあふれていると、機関投資家が警戒感を強めているのだ。
BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストもブラックスワンを指摘する一人だ。具体的には、米中貿易戦争の激化と英国の欧州連合(EU)離脱問題を挙げる。