体を動かすセルフケアを支援
MAKERS代表取締役社長 林慧亮 2025.04.21
自分の体は自分でケアしたい。そのためのサポート健康器具を提供する。(聞き手=北條一浩・編集部)
フィットネスやケアに使う健康器具の企画開発から販売までを行っています。試行錯誤するなかで、アスリートのコンディショニングに貢献したいという思いから「uFit」というブランドを立ち上げました。このネーミングには、u=You(あなた)にFit(適した)器具を提供しますという意味が込められています。
代表的な製品としてはまず、家庭用マッサージ器の「uFit RELEASER」があります。スイッチ一つで起動するハイパワーかつなめらかな振動により、筋肉のこりをほぐすことや疲労回復、血行促進に効果があります。こちらは家庭内やトレーニング中はもちろん、野球やバスケットボールの選手が、試合中にベンチで背中や腰、肩などに当てて愛用してくださっている姿をよく見かけます。
「uFit Vibrating Roller」は形状が円筒形なため全身をまんべんなくマッサージできますし、座るだけで姿勢矯正につながる「uFit Balance Ball」は、ゴムの中身に対してカバーは髪の毛やほこりで汚れにくい布素材を使い、またこのカバーには取っ手が付いているので自由に部屋を移動でき、インテリアとしても映えるデザインにしています。
製品の中心にあるのは、体を動かすことで自分自身をケアしてもらいたい、そのために役に立つ器具を送り出したいという発想です。アスリートと聞くと、トレーナーがいて、マッサージ師がいて、とイメージしがちですが、それは野球やサッカー、バスケットなどのメジャースポーツ、それもトップの選手だけの環境で、大半は全部自分で身を守らないといけません。
街の整骨院などに似たような器具がありますが、どれも、医師が患者にとか、他人に向けて使うもので、セルフケアの健康器具って意外なほど少ないんです。ですからそこに弊社の役割とビジネスチャンスがあると考えています。
1000人以上のアスリートを支援
私はずっとバスケットをやっていて、高校生の頃は、本気でプロをめざそうと思ったこともあります。しかし腰を痛めてリハビリに費やす時間が長く、プロの道をあきらめると同時に体のケアについて興味を持つようになりました。
大学を卒業して最初は上場企業でデータ解析などの業務を行っていました。もともと起業したい気持ちは持っていたので2018年に一人で会社を設立しましたが、最初の2年間は勤めていた会社での経験に近いWEB広告代理店業を営んでいました。幸い、これが縁あって事業売却できて資金を得たので、さていよいよ体をめぐる製造業を始めることにしたわけです。
「uFit」は現在、元プロ卓球選手の水谷隼さんや競泳200メートルバタフライ日本代表の三井愛梨さんなど多くの方に使っていただいています。またバスケットやサッカーのプロチーム、大学チーム、そして個人アスリートと、1000人以上のアスリートを支援しています。
まだまだ発展途上ですが、多くのアスリートから「コンディショニングを上げるならuFitだよね」と言われるブランドポジションを確立していきたいと考えています。
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企業概要
事業内容:セルフケア用器具「uFit」の企画開発、製造販売
本社所在地:東京都渋谷区
設立:2018年7月
資本金:400万円
従業員数:21人
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■人物略歴
はやし・けいすけ
1993年山梨県生まれ。高校時代に米国テキサス州に1年ほど留学し、帰国後、横浜国立大学経営学部に入学。2年ほどSNSマーケティングの会社に勤務の後、2018年にMAKERSを設立、20年にセルフケア機具ブランド「uFit」をスタートさせる。YouTuberとしても活動するほか、著書に『30日で体を変える 超効率的自重ワークアウトプログラム』(Gakken)がある。
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週刊エコノミスト2025年4月29日・5月6日合併号掲載
林慧亮 MAKERS代表取締役社長 体を動かすセルフケアを支援