ビジワンTV:スーパー投資家の2022年振り返り 円安は世界的チャンス! グローバルベンチャー元年に

2022.12.30

 日米を股に掛けるスーパー投資家アレン・マイナー氏が、自身のYouTubeチャンネル「ビジネスワンダーTV」で、2022年のビジネスシーンを振り返った。世界的なインフレと歴史的な円安の進行について、マイナー氏は「世界的にはチャンスかもしれない」と評価。そして、「グローバルベンチャー元年」だったとも指摘する。

 日本オラクルの初代社長として急成長を遂げ、1999年に独立して、日本のベンチャー企業を育成するベンチャーキャピタリストとして活躍してきたマイナー氏。記録的な円安局面について、「50年前を振り返れ」と指摘する。

 約50年前、当時のニクソン米大統領がドルと金の交換停止を宣言した「ドル・ショック」により、1ドル360円時代から変動相場制に移行。1973年には、中東戦争をきっかけに原油価格が急騰、のちに「狂乱物価」と呼ばれるインフレが発生した。

 マイナー氏は「円安の時は世の中が変わろうとしている時だった。オイルショックから脱却して、日本は強くなった。日本の良い商品やサービスは、世界で競争力がある。日本にとってチャンスかもしれない」と語る。

 日本の可能性を語るマイナー氏は、元産業革新機構のマネージングディレクターで、日本ベンチャーキャピタル協会理事の安永謙氏、マイクロソフトやGoogleでエンジニアリングマネジメントなどを行った及川卓也氏とともに、「Global Hands-On VC (GHOVC:ゴーブイシー) 」を設立。日本の技術系スタートアップへの投資と、投資先の海外進出のサポートに乗り出している。

 そんなマイナー氏は、「将来2022年は『グローバルベンチャー元年』になると確信している」と断言する。「若い日本のスタートアップが、任天堂やトヨタ、ソニー、パナソニックなどの戦後に生まれたグローバル企業に匹敵するグローバル展開を成功させる時代が始まるんじゃないか。円安もプラスに働くし、技術力は元から持っているので、あとはビジネス展開を上手にやればいい」と期待を寄せる。

 さらに「スタートアップのシーンでは、総額の投資額が新記録を更新して、海外展開をするのに必要なベンチャーキャピタル業界が資金を持っている状況になっていて、僕らの他にも、グローバル展開を手伝いたいというところが出てきている。行政もシリコンバレーのベンチャーキャピタルに日本のスタートアップに投資するよう海外のベンチャーキャピタルと連携を進めているなど、成功するための要因がそろいつつある」と語る。

 次回は、マイナー氏に2023年の展望を語ってもらう。

出演

株式会社サンブリッジグループ会長
アレン・マイナー 氏

サンブリッジ
 https://www.sunbridge.com/

ビジワンTV:スーパー投資家の2023年展望 リセッション時は日本的経営が大事 ベンチャーは世界へ!

https://youtu.be/Ed4tD9kagns