「PR=経営」戦略で中小企業を支援
ネタもと代表取締役社長 本村衆 2026.01.19
「PR=経営」をモットーに、企業が自力の広報活動で業績アップするのを支援する。(聞き手=北條一浩・編集部)
今日は取材の前に社員たちの朝礼を見てもらいました。私たちはこれを「超礼」と呼んでいます。その日の業務に入る前に、全員が一堂に会し、各部門の担当者が業務報告をして情報共有をします。報告は大きな声で、30秒なら30秒以内と決められた時間の中で簡潔かつ過不足なくやり遂げなければいけません。
仕事の前に毎朝こんなことをするなんて耐えられない、という人もいるでしょう。実際、辞めていくスタッフもいて、それはそれでかまわない。しかしこの超礼で社員たちはいま誰に向けてどんな意味のある仕事をしているのかを再確認し、それを共有して一体感を育み、仕事のスタートにあたって活力を注入するわけです。
私は会社を運営するにあたっての最も大事な方法論はファンづくりだと考えています。社員に自らの仕事の意義を通じて会社のファンになってもらうことで好循環を生み、利益を上げていく。実際、超礼をするようになってから離職率は大幅に下がっています。

経営とはファンづくり
私たちは企業のPRの仕方を共に考え、支援する仕事をしています。残念ながら日本ではPRはまだまだ軽く考えられ、社外に丸投げ・委託してしまう企業も少なくありません。そもそも「PRって何の略だが知ってますか?」と聞いたら、おそらくほとんどの人が答えられないでしょう。「Public Relations」はただ「広報」とだけ訳しても不十分で、これは企業とあらゆるステークホルダーとが有意義な関係を作るためのすべての活動をさすわけで、私に言わせてもらえれば要するにこれもファンづくりです。
私たちはPRを専門業者に代行してもらうのではなく、商品の独自性や会社のカラーを十二分に反映したPRを企業が自ら生み出し、効果的にメディアと関係を作れるようなプランをさまざまに用意し、PRのプロとして支援します。家庭教師を付けたほうが早く自走化できると考えてもらうとわかりやすいかもしれません。
PRの大切さで一例を挙げてみます。いま物流を担っている企業はドライバー不足で大変ですね。そこで岐阜のある企業が、「熱中症対策としてうちはドライバーにあめと冷えたウーロン茶を支給します」と発表したら、東海地方のメディアがこぞって報じたんです。ちょうど昨年6月に熱中症対策で労働安全衛生規則が罰則付きで改正された時期で注目されたんですね。ささやかなようでもこうしたいいタイミング、しかもローカルメディアがまたねらい目で、戦略の勝利だと思います。
私の大学時代はディスコ全盛で、授業そっちのけでパーティーを企画・運営し、それがあちこちのメディアに取り上げられ、また大手企業に営業して協賛金を得たりしていました。その過程で、やはり活動を知ってもらうためのPRの大切さも学んだと思います。
PRの自走化は、今一度自社の事業を見つめ直すチャンスにもなります。それぞれユニークなPR戦略で、日本の中小企業が元気を回復するための支援を、今後ますます充実させていきたいと考えています。
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企業概要
事業内容:広報活動を通じた企業の自走化支援及び企業とメディアをつなぐPR支援コンテンツの提供
本社所在地:東京都港区
設立:2000年11月
資本金:1億5200万円
従業員数:50人
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■人物略歴
もとむら・あつむ
1961年東京都生まれ。青山学院大学経済学部在学中より学生起業家として活動を始め、81年にセールスプロモーション会社の設立、2000年にリアライズ設立を経て、18年にサービスをリニューアルし、現社名に変更。独自のPRプラットフォーム開発を通じて企業の成長をサポートしている。著書に『経営にPRを』(ダイヤモンド社)がある。
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週刊エコノミスト2026年1月27日号掲載
本村衆 ネタもと代表取締役社長 「PR=経営」戦略で中小企業を支援
