気軽に貴女をコーディネート

DROBE代表取締役CEO 山敷守 2024.12.02

 仕事や育児に忙しい女性が洋服を選ぶのは結構大変。そこで、スタイリストとAI(人工知能)がコーディネートをお手伝いする。(聞き手=和田肇・編集部)

 女性向けのパーソナルスタイリングサービス「DROBE」という事業を行っています。利用する人は、LINEで「DROBE」の会員登録をしてプロフィール、好みのスタイル、予算などを記入します。その後、どんな感じの商品が好きなのか、といったことについて事前確認が求められるので、「気になる商品」「そうではない商品」などの要望を送ります。

 回答を踏まえて利用者の好みなどに対応し、当社が独自開発したAIが当社と契約している洋服ブランドの何万種類もの洋服の中からこれという品を絞り込んでいきます。さらに、当社と契約しているスタイリストが、数多くの種類の中から、専門的な観点で最終的なコーディネートを考案し、利用する人に合った洋服を選びます。契約しているスタイリストは100人に及びます。

 商品は宅配で届きます。洋服は何種類か入っており、試着してどれを購入するかを利用者が決めます。気に入った商品はそのまま購入し、すぐに使えます。不要な商品のみ、箱に戻して返送することになります。

 もちろん、多くはないですが、届けられた商品がどれも気に入らず、全て返品というケースもあります。当社の収益は商品販売の手数料が柱です。当社と契約していただけるブランドは増え続け、現在200以上に達しています。利用者(会員)はこれまでに20万人以上にまで伸びています。

今後は男性向けも

 女性が自分の服を選ぶのは、なかなか大変なのです。特に、仕事と育児で忙しい人は服を見て回る余裕がないことが多い。

 また、仕事で新しいポジションに就いたが、何を着てよいか分からないということもあります。今までとは違う自分を表現したいが、どの服を選べばよいのか分からないなどなど、たくさんの切実なニーズがあります。

 

 

 

 通常は、一般の人が洋服を選ぶのに、スタイリストさんに頼むことはないと思います。個人的にスタイリストを付けるとかなりお金がかかります。それならば、オンラインで、リーズナブルな価格で気軽にスタイリストさんにコーディネートしてもらうことはできないか、そうした思いがこの会社を立ち上げた動機です。私自身、ファッションは好きですが、いわゆるファッション業界の出身ではありません。大学は経済学部だったので、起業することには興味がありました。

 洋服の価格帯は、かつては「高い」「中ぐらい」「安い」の三つでしたが、今は「中ぐらい」が大きく減って、「安い」がかなり拡大しているので、この分野にも力を入れていきたいと思います。また、アパレル市場の大部分は女性向けですが、男性向けのサービスも考えていきたいですね。

 日本のアパレル市場はかつて10兆円ぐらいありましたが、今はかなり縮小しています。しかし、ブランド数や洋服の種類は海外に比べてはるかに多い。日本人は本当に服好きなんですね。まだまだ可能性はあると考えています。

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企業概要
事業内容:パーソナルスタイリング

本社所在地:東京都渋谷区

設立:2019年4月

資本金:約14億円

従業員数:約20人

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 ■人物略歴

やましき・まもる
 1987年東京都出身。東京大学経済学部の時に学生向けSNSの企業を立ち上げる。2010年同大卒業、ディー・エヌ・エー(DeNA)入社。新規事業立ち上げなどに関わった後、19年にDROBE設立。37歳。

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週刊エコノミスト2024年12月10・17日号掲載

山敷守 DROBE代表取締役CEO 気軽に貴女をコーディネート