「謎解きゲーム」で集客や研修

ハレガケ代表取締役  黒田洋介 2023.02.20

 地域活性化や商業施設の集客などを目的とした謎解きゲームを企画制作するハレガケ。コロナ禍でリモートイベントの需要が増加した。(聞き手=加藤結花・編集部)

 謎解き専門のイベント企画・制作会社です。観光地の活性化や商業施設の集客などを目的に依頼を受けることが多く、主な顧客は自治体や販売促進を狙う企業です。

名所や施設を散策して謎解きをする ハレカゲ提供

 例えば、地域振興を目的としたイベントでは、参加者に地域の商店街や観光名所などを散策しながらヒントを集め謎を解いてもらいます。参加者は謎解きと観光を同時に楽しむことができ、依頼者は商品、店などを参加者にアピールすることができます。

 また、社員同士のコミュニケーションの活性化などが目的の社内向けイベントも手掛けています。謎を解いていく過程で年齢や社歴などが異なる社員同士でも自然と交流が深まります。

 社内向けイベントの価格は当社が用意する謎解きのパッケージで30万円から、オリジナルで制作する場合は200万円以上。オリジナルでは、企業の周年記念や、会社の理念を社員に伝えるなどの目的で依頼を受けることが多いです。

 2013年に起業し、翌年には人気アニメとのコラボレーションの謎解きイベントを東京・お台場で開催しました。これが好評で知名度も上がり、企業案件も順調に増えていきました。しかし、コロナ禍で状況は一転。リアルイベントが軒並み中止・延期となりました。

Z世代にアピール

 しかし不幸中の幸いで、リアルが難しくなったことで、オンラインでの謎解きの需要が増えたのです。これまでリモートでのイベントは浸透していませんでしたが、コロナ禍で一気にリモートでの交流が一般化しました。オンラインでは、ウェブ会議システムを使用して参加、共有のウェブページを閲覧しながら開催します。

 今年に入ってからは、ゲームで研修テーマを疑似体験する体験型研修サービス「ミズカラ」を開始しました。コミュニケーションツールとしてゲームを活用する人も多いといわれる「Z世代」の新入社員との親和性が高いです。意外に思うかもしれませんが、ビジネスと謎解きゲームは、実はかなり似たところがあります。ゲームの面白さというのは試行錯誤による成功失敗ですが、この試行錯誤して成功失敗が出るという構造はビジネスも同じです。

 実際のビジネスだと試行錯誤を経験するには長い時間が必要ですが、ゲームでは試行錯誤を疑似的に早回しで経験することができます。

 自分で考えて行動するのが好きで、学生の頃から起業はしたいと考えていました。会社員をしながらゲーム形式のイベントを副業として行っていたのですが、これが好評で企業案件の受注をきっかけに起業しました。

 コロナ禍など大変な時機はありましたが、今はコロナ禍も落ち着き、リアルとオンラインのハイブリッドのイベントが増えています。また、これまで途絶えていたインバウンドの回復による海外観光客向けの謎解きイベントの需要なども期待できます。

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企業概要

事業内容:謎解きゲームの企画制作・運営など

本社所在地:東京都豊島区

設立:2013年11月

資本金:100万円(資本準備金含む)

従業員数:25人

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週刊エコノミスト2023年2月28日号掲載

挑戦者2023 黒田洋介 ハレガケ代表取締役 「謎解きゲーム」で集客や研修